『母と子の心霊教室』【5 クルックス博士の実験】

ウィリアム・クルックス―みなさんはこの名前を聞いたことはありませんか。19世紀後半に活躍(かつやく)した英国の科学者で、クルックス管、クルックス線、クルックス真空など、いろいろと科学名にその名前が使われているほど→

『母と子の心霊教室』→有名な人です。そのクルックス博士が19世紀のおわりごろに、フロレンス・クックという若い女性霊媒(れいばい)を使って、物質化現象を専門(せんもん)に研究し、その成果を「近代心霊(しんれい)現象の研究」という書物にくわしく書きました。

『母と子の心霊教室』ではその中から、とくに大事なところだけを紹介(しょうかい)してみましょう。霊媒(れいばい)のクック嬢(じょう)がトランス状態に入ると、間もなく身体からまっ白いエクトプラズムのかたまりが出てきて、それがやがて、→

『母と子の心霊教室』→ひとりの美しい女性の姿(すがた)に変わりました。そして、ふつうの人間のように話をしたり笑ったり歩いたりするのでした。その霊(れい)は「私はケーティ・キングと申します」といったそうですが、クルックス博士も、その実験に立ち会った人たちも、→

『母と子の心霊教室』→だれひとりとしてそういう名前の人に心あたりがありませんでした。しかし、キング霊(れい)は心のやさしい人だったので、実験に立ち会った人はだれもがすぐに親しくなり、楽しく話を交(か)わすのでした。

『母と子の心霊教室』さて、クック嬢(じょう)とキング霊(れい)とは名前がちがうばかりでなく、肌の色やからだつきまでちがっておりました。その点についてクルックス博士はつぎのように説明しております。

『母と子の心霊教室』「キング霊(れい)の背の高さはそのときどきでちがうことがありました。いぜん、私の家で実験した時は、クック嬢(じょう)より15センチも低かったのですが、きのうの実験では、素足(すあし)でもクック嬢(じょう)より10センチあまり高かったので」→

『母と子の心霊教室』→「びっくりしました。また、きのうのキング霊(れい)は首すじのところを広くあけていて、なめらかな美しい肌(はだ)を見せていましたが、クック嬢(じょう)は首のところに大きな水ぶくれがあって、さわるとカサカサして、」→

『母と子の心霊教室』→「あまりきれいではありませんでした。それから、キング霊(れい)はいつも耳にはなんの飾(かざ)りもつけていませんでしたが、クック嬢(じょう)はいつもイヤリングをつけていました。色はキング霊(れい)がとても白くて美しかったのにくらべて、」→

『母と子の心霊教室』→「クック嬢(じょう)は浅黒(あさぐろ)くて、正直いってあまりきれいではありませんでした。顔の大きさもクック嬢(じょう)よりキング霊(れい)の方が大きく、指の長さもキング霊(れい)の方がだいぶながいようでした。」→

『母と子の心霊教室』→「こうした姿(すがた)や形だけでなく、歩き方や話しぶりも、ふたりはぜんぜんといってよいほどちがっておりました」クルックス博士の研究はなん年にもわたって続けられましたが、いよいよ実験もおわりに近づいたある日のこと、キング霊(れい)が→

『母と子の心霊教室』→こういいました。「これで、私のお役目もすっかりおわりました。今日お別れしたらさいご、2度と地上へは戻(もど)ってまいりません」img

『母と子の心霊教室』この言葉どおり、それからというもの、2度とケーティ・キングという名の霊(れい)は姿(すがた)を見せなくなりました。たぶん、もう1段高い世界へ向上していったのでしょう。

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Posted by たきざわ彰人(霊覚者)祈†