(1)モーゼスの略歴
1839年、小学校の校長を父として生まれる。小学生時代に時おり、俗にいう夢遊病的行動をしている。1度は真夜中に起きて階下の居間へ行き、そこで前の晩にまとまらなかった問題についての作文を書き、ふたたびベットに戻ったことがあったが、その間ずっと無意識のままで、書かれた作文は見事な出来だったという。しかし、それ以外には異常能力を見せた話はない。
オックスフォード大学を卒業後、国教会(アングリカン)の牧師としてマン島に赴任している。24歳の若さながら、教区民から非常な尊敬と敬愛を受けた。とくに当地で天然痘が猛威をふるった時の勇気ある献身的行為は、末永く語りつがれている。
1869年、30歳の時に重病を患い、S・T・スピーア博士の世話になったことが、生涯にわたるスピーア家との縁の始まりであると同時に、スピリチュアリズムとの宿命の出会いでもあった。
博士の奥さんが大変なスピリチュアリストだったのである。翌年、病気回復とともにドーセット州でふたたび牧師の職についたが、病気が再発し、ついに辞職して、以後、2度と聖職に戻ることはなかった。
翌年、ロンドンのユニバーシティ・カレッジで教員となり、1889年に病気で辞職するまでの18年間教鞭をとった。その学識と人格によって、学生から大きな信望を得たという。
この霊界通信は、その教員時代の1871年から1882年にかけてのほぼ10年間に得られたもので、モーゼス自身にとっては死に物狂いで真理を求めた時期であり、人類にとっては大いなる霊的遺産を手にした、意義深い時期だったと言えよう。
(2)霊団の構成
右の(1)で紹介したスピーア夫人が、モーゼスの死後、ぜひとも公表すべきものとして編纂した続編 More Spirit Teachings の冒頭で、インペレーターが霊言で次のように語っている。
〈私こと Imperator Servus Dei(神の僕(しもべ)インペレーター)は、49名からなる霊団の頭(かしら)であり、監督と統率の任にあり、他のすべての霊は、私の指導と指示によって、仕事に当たります。
私は全知全能の神の意志を成就せんがために、第7界より参りました。使命達成の暁には、2度と地上には戻れない至福の境涯へと向上していくことでしょう。しかしそれはこの霊媒(モーゼス)が地上での用事を終えた後となるでしょう。そしてこの霊媒は死後において、地上よりさらに大きな使命を与えられることになりましょう。
私の下に、私の代理であり副官であるレクターがいます。彼は私の不在の折に私に代って指揮を取り、とりわけ物理的心霊現象にたずさわる霊団の統率に当たります。
レクターを補佐する3番目に高い霊が、ドクターです。彼は霊媒の思想を指導し、言葉を感化し、ペンを操る。このドクターの統率下に、あとで紹介する知恵と知識を担当する一団が控えています。
次に控えるのが、地上の悪影響を避け、あるいは和らげ、危険なものを追い払い、苦痛を軽減し、良い雰囲気をかもし出すことを任務とする2人の霊です。この2人にとって抗し切れないものはありません。が、内向的罪悪への堕落はどうしようもありません。
そこで霊界の悪の勢力 – 霊媒の心変わりを画策し、聖なる使命を忘れさせようとする低級霊の誘惑から保護することを役目とする2人の霊が付いております。
じきじきに霊媒に付き添うこの4人を入れた7人で、第1の小霊団(サークル)を構成しております。私たちの霊団は7人ずつのサークルで構成されており、それぞれに1人の指揮官がいて、6人を統率しております。
第1のサークルは、このように守護と啓発を担当する霊 – 霊団全体を統率し指揮することを任務とする霊から成ります。
第2のサークルは愛のサークルです。すなわち神への愛である崇敬、同胞への愛である慈悲、そのほか、優しさ、朗らかさ、哀れみ、情け、友情、愛情、こうした類いのものすべてを配慮します。
3番目のサークル – これも同じく1人が6人を主宰しています – は、叡智を司(つかさど)る霊の集団です。直感、感識、反省、印象、推理、といったものを担当します。直観的判断力と、観察事実からの論理的判断力とを指導します。叡智を吹き込み、かつ判断を誤らせようとする邪霊からの影響力を排除します。
次のサークルは知識 – 人間についての知識、物事についての知識、人生についての知識を授け、注意と比較判断、不測の事態の警告等を担当します。また、霊媒のたどる困難きわまる地上生活を指導し、有益な実際的知識を身につけさせます。直感的な知恵を完成させます。これはドクターの指揮のもとに行なわれます。
その次に来るのが、芸術・科学・文学・教養・詩歌・絵画・音楽・言語等を指揮するグループです。彼らは崇高で知的な思念を吹き込み、上品さと優雅さにあふれる言葉に触れさせます。美しいもの、芸術的なもの、洗練されたもの、教養あふれるものへ心を向けさせ、性格に詩的なうるおいを与え、気品あふれるものにします。
次のグループは、愉快さとウィットとユーモアと愛想の良さ、それに楽しい会話を受け持ちます。それがこの霊媒の性格に軽快なタッチを添えます。つまり社交上大切な生気あふれる明るさであり、これが日々の重々しい苦労から気分を解放します。愛想が良く、心優しい、魅力あふれる霊たちです。
最後のサークルは、物理的心霊現象を担当する霊たちです。高等な霊的真理を広める上で、ぜひ必要とみた物的証拠を演出します。指揮官代理であるレクターの保護・監督のもとに、彼ら自身の更生をかねて、この仕事にたずさわっております。
この霊媒ならびにわれわれ背後霊団との接触を通じて更生への道を歩むのです。それぞれに原因は異なりますが、いずれも地縛霊の類いに属し、心霊現象の演出の仕事を通じて、浄化と向上の道を歩みつつある者たちです。
このように、私の霊団は7つのグループに分かれており、それぞれに特殊な使命があります。
愛と叡智と知識の霊たち、洗練された高貴な霊たち、明るい愛想の良い霊たち、この低い地上界の、単調であくせくした生活に天上的な光輝をもたらす霊たち、地上界の皆さんとの交わりを通じて、低い境涯から高い境涯への進化という恩恵に俗さんとして勤しむ霊たち – この霊たちの演出する現象が地上の人間にはまだまだ必要なのです。
いずれのグループの霊もみな、みずからも進歩を求めているのです。霊媒に体験と啓発を与え、霊媒と生活を共にし、霊媒とともに進歩を望んでいる者たちです。霊媒に教えることによってみずからも学び、霊媒を向上せしめることによって、みずからも向上せんとしているのです。
われわれのこうした仕事は愛に発する仕事です。それみずからが報酬をもたらすのです。霊媒に祝福をもたらし、霊媒を通じて人類に祝福をもたらし、それがわれわれにとっての祝福となるのです。
全能の父なる神の祝福のあらんことを〉
以上がインペレーター自身による霊団の説明であるが、The Controls of Stainton Moses by A.W.Trethewy(モーゼスの背後霊団)によると、このインペレーターの上にさらにプリセプター Preceptor と名のる総指揮者が控えていたという。
私の推察ではこれがモーゼスの守護霊(類魂の中心霊)で、地球全体の経綸に当たる“地球の守護神”の命令を直接受け取り、それがインペレーターに伝えられる、という仕組みになっていたものと思う。
守護霊というのは表立った活動はしない傾向があり、たとえばインペレーターと並んで有名なシルバーバーチ霊の霊媒だったバーバネルには別に守護霊がいたはずであるが、60年間、そのことに言及すらされていない。
(3)霊団の身元
本文でインペレーターも繰り返し述べているように、霊の地上時代の身元を詮索することは、単なる好奇心の満足になるだけで、それによってその霊に対する信頼性がいささかも増すものではない。だからこそ、シルバーバーチ霊などは六十年間ほぼ週一回の割で出現しながら、ついに地上時代の名前も国籍も明かさなかったわけである。
とは言え、興味の対象であることには違いないので、おもな霊の地上時代の名前を紹介しておくが、これはみずから明かしたのではなく、モーゼスのしつこい追求にあって、霊団の他の霊が「実はあの方は…」という形で漏らしたものである。
インペレーターは紀元前5世紀のユダヤの予言者で、旧約聖書の“マラキ書”の編纂者マラキ Malachi(マラカイとも)。
レクターは初期キリスト教時代のローマの司教だった聖ヒポリタス Hippolytus。
ドクターは紀元2世紀ごろのギリシャの哲学者アテノドラス Athenodoras。
プルーデンスは新プラトン主義哲学の創始者プロティノス Plotinus。
その他、本書に登場していない人物で歴史上に名のある人物としてプラトン、アリストテレス、セネカ、アルガザーリ等の名が見られる。
ここで参考までに訳者の個人的見解を述べておきたい。スピリチュアリズムの発展にともなって守護霊・指導霊・支配霊等の、いわゆる背後霊の存在が認識されはじめたことは意義ぶかいことであり、背後霊の方でも、自分たちの存在を認識してくれるのと無視されるのとでは、霊的指導において大いに差がある、というのが一致した意見であるが、そのことと、その背後霊の地上時代の名声とか地位とかを詮索することとは、まったく別問題である。
地位が高かったとか名声があったとかいうことは、かならずしも霊格の高さを示すものではない。そのことは現在の地上の現実を見れば容易に納得のいくことである。
偉大なる霊ほど名声とか地位、権力、家柄といった“俗世的”なものとは縁のない道を選んで再生するというのが、多くの霊界通信が一致して指摘することで、したがってその生涯はいたって平凡であり、その死も身内の者を除いてほとんど顧(かえり)みられないことが多い。
したがって、そうした人物が死後、誰かの守護霊として、あるいは指導霊として働いた時、その身元をとやかく詮索して何になろう。満足のいく結果が得られるはずがないのである。しかも、霊は死後急速に向上し変化していくという事実も忘れてはならない。インペレーターの霊言に次のようなものがある –
<地上へ降りてくる高級霊は一種の影響力(インフルエンス)であり、いわば放射性エネルギーです。そなたたちが人間的存在として想像するものとは異なり、高級霊界からの放射物のようなものです。高等な霊信の非個人性に着目していただきたい。
この霊媒との係わりをもった当初、彼はしつこくわれわれの身元の証明を求めました。が、実はわれわれを通して数多くの影響力が届けられているのです。死後、首尾よく2段階、3段階と上がった霊は、そなたたちのいう個体性を失い、形体なき影響力となっていきます。
私は人間の世界に戻れる、ぎりぎりの境涯までたどり着きました。が、距離には関係なく影響力を行使することはできます。私は今、そなたたちからはるか彼方におります。>
西洋においても日本においても、営利に走る霊能者は軽々しく背後霊や前世のことを口にしすぎる傾向があるが、その正確さに問題があるばかりでなく、そのこと自体が本人にとって害にこそなれ、何の益にもならないことを強く主張しておきたい。たどればすべて神に行き着くのである。
その途中の階梯で“高い”だの“低い”だのと詮索して何になろう。霊的指導者の猛省を促したい。
訳者 近藤 千雄(こんどう かずお)(平成元年8月写す)
昭和10年生まれ。18歳のときにスピリチュアリズムとの出会いがあり浅野和三郎の訳書の影響を受けて、大学で翻訳論を専攻。現在までに訳したスピリチュアリズム関係の原典約40冊、著書2冊。広島県福山市在住。
■2023年7月19日UP■霊団はもう何もやる気がないそうですが、僕はうしろに戻るつもりはない前進あるのみ(祈)†物質界に邪悪がはびこる、その根本原因は「霊的知識の無知」にあります。人間に死はなく、肉体の死後も霊的表現媒体(幽体、霊体等)をまとって霊界で永遠に生き続けるという霊的真理を知らず、物質界での人生のみが人間の人生だと考える事が全ての邪悪の出発点なのです。物質界で大量強姦殺人の人生を送ると帰幽後に霊界でどれほどの地獄をやらされるか、その「霊界と物質界の因果関係」もっと言うと【神の因果律】を全く理解していないから平然と犯罪をおこなう事ができるのです。神の因果律から逃れる方法はこの全宇宙に存在しません。なぜなら「宇宙は神の身体」だからです。僕たちは現時点で神の中に存在しているのですから、神の法則の効果範囲外に出るなどという事は有り得ないのです。自分のおこないが自分の帰幽後の人生にどれほど致命的欠陥、悲劇をもたらすかを知っていれば、おのずと自分のおこないに責任感が生じ、愚かな言動にブレーキがかかるはずなのです。邪悪なおこないをしている人間たちというのは「何も知らない人間」という事なのです。だから霊的知識の普及が急務なのです…続きを読む→ ■2023年10月11日UP■「身の安全」とにかく僕の身に危機が迫っていて霊団はそれを回避させるつもりのようですが(祈)†どんな死に方をしても霊体には一切ダメージはありません。飛行機事故だろうと爆死だろうと溺死だろうと。そもそも肉体と霊体では振動数が違いますので。しかし、いわゆる自然ではない急激な死に方をすると、もともと人間は肉体からそういう急激な離れ方をしないようになっているので、帰幽後に霊体(幽体)の調整が必要になり、場合によってはそれが長くかかる事があるそうです。つまり日航ジャンボ機墜落テロで500人もの国民が「宇宙一のバカ」大量強姦殺人魔、明仁、文仁、徳仁、悠仁(美智子)の手によって殺されましたが、それと同じようにこの強姦殺人魔どもは僕、たきざわ彰人の事もだまし討ちで飛行機に乗せて墜落死させようと画策している事は十分に考えられる事です。そうなった時、僕は肉体から自然ではない急激な離れ方をする事になり(かといって霊体になんのダメージもありませんが)調整が長くかかってしまって霊団が僕の帰幽後にやらせようとしている指導霊の仕事に支障が出てしまうから結果殺されるとしてもそういう急激な殺され方にはならないようにしている、という事かも知れません…続きを読む→