スピリチュアルストーリーズ

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『スピリチュアル・ストーリーズ』全文掲載

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はじめに
第1話 小鳥のつばさ
第2話 リスのしっぽ
第3話 ミツバチとチョウ
第4話 天国の保育園
第5話 いなくなったウサギ
第6話 小さな青い花
第7話 たいせつな命
第8話 フクロウの知恵
第9話 妖精たちのために
第10話 動物たちの国
第11話 やさしい心
第12話 おくびょうな子ウマ
第13話 コマドリの胸はなぜ赤い
第14話 ヒバリの歌
第15話 よい心がけ
第16話 人のためになること
第17話 天国のお花づくり
第18話 ほんとうのお正月
第19話 自分たちの力で
第20話 スズメはなぜ、どこにでもいるの?
第21話 クリスマスのおくりもの
第22話 夢の中のお友だち
第23話 わがままなエリザベス
第24話 ほがらか者のウサギ
第25話 野道の足あと
第26話 みんな神さまの子
第27話 ほんとうのしあわせ
訳者あとがき

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はじめに

『スピリチュアルストーリーズ』【はじめに】この本をお読みになる方の中には、この中のお話はぜんぶ、わたしオリーブ・バートンが書いたものと思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、じつはそうではないのです。あるお話を、わたしがやさしく書き直したものなのです。

『スピリチュアルストーリーズ』それは、天国にいる、ある天使さまがわたしに話してくださったものなのですが、このことがよくわからない方が多いかもしれませんので、はじめにそのことについて少しばかりお話ししておきましょう。

『スピリチュアルストーリーズ』みなさんの1人ひとりには、天使さまがついていて、天国からごらんになりながら、みなさんがいつも正しいことをするように導いてくださっているのです。たとえば、みなさんがもし何か悪いことをしそうになり、心の奥で、どうしようかと迷っているとき→

『スピリチュアルストーリーズ』→天使さまはじっと見まもっていて、みなさんが正しい判断をするように導いてくださるのです。天使さまはいつも、みなさんが明るくしあわせに暮らしてほしいと願っています。天使さまにとっては、それが神さまにご奉仕する、→

『スピリチュアルストーリーズ』→いちばんたいせつな仕事だからです。さて、この本のお話はみんな、わたしのいちばん末の娘で、今は6歳になるエドウィーナという女の子を見まもってくださっている天使さまが、わたしに語ってくださったものです。

『スピリチュアルストーリーズ』最初のお話は、この子が生まれる少し前にいただきました。そのときにわたしは、この女性が、エドウィーナの守護天使さまであることを知りました。

『スピリチュアルストーリーズ』そこで、わたしの家では、これらのお話を「エドウィーナのお話」と呼んでいるのですが、このたびこうして、みなさんにも読んでいただけることになって、とてもうれしく思っております。 オリーブ・バートン

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第1話 小鳥のつばさ

『スピリチュアル・ストーリーズ』
【第1話 小鳥のつばさ】昔むかし、神さまはいろいろな動物をつくられました。そして全ての動物が太陽の光や水の有難さ、友だち同士仲良く助け合う事の楽しさなどを味わえるように、また寒さや嵐から身を守る事ができるようにといろいろな能力を与えました。

『スピリチュアル・ストーリーズ』
これからお話しするのはその遠い遠い昔のお話です。ある時たくさんの石ころを別の場所へ運ばなくてはいけなくなりました。神さまは動物たちがこの仕事を喜んで手伝ってくれるに違いないと考えて自分からすすんで引受けてくれる動物を集める事にしました。

『スピリチュアル・ストーリーズ』
ところが頼まれた動物たちはどれもこれも言い訳ばかりして引受けるのを嫌がりました。神さまはまず最初に大きなゾウにこう尋ねました「ゾウや、私はお前たちに物が運べるように強い力と長い鼻をつけてあげたのだから、―

『スピリチュアル・ストーリーズ』
―どうだろう、一つこの仕事を引受けてはくれないだろうか?」するとゾウはこう答えました「なぜ私の力をこんな仕事に使わなければならないのですか?何かご褒美をくださらないと、いやですよ」次に神さまはライオンに向ってこう言いました。

『スピリチュアル・ストーリーズ』
「どうだね、私はお前たちを動物の中で一番強くしてあげたのだから、ご褒美はないが、ぜひ引受けてはくれないか?」するとその中の一頭がこう答えました「動物の王様がそんな仕事をするなんて。私たちが指図して他の動物たちに運ばせるのならいいですけどね」

『スピリチュアル・ストーリーズ』
次に頼まれたヒツジはこう答えました「私の体の毛をさしあげる仕事じゃないのですね。私にはそれ以外の仕事はできません」神さまは、どれもこれも皆言う事を聞かずに背を向けて逃げていくのをご覧になり、―

『スピリチュアル・ストーリーズ』
なぜこうも恩知らずでわがままなのだろうと大変寂しく思われました。その時です。そこへ小鳥たちがピョンピョンと跳ねながらやってきました。実はその頃の小鳥にはまだ<つばさ>がなかったのです。

『スピリチュアル・ストーリーズ』
ですから、ただピョンピョンと跳ねながらやってきました。小鳥たちは、神さまが大変悲しそうな顔をしているのを見てこう言いました。

『スピリチュアル・ストーリーズ』
「神さま、私たちがその仕事をいたしましょう。私たちはご覧のように体が小さくて大きいものを一度に運ぶ事はできませんし、つばさがないので速く飛ぶ事もできません。でも何とか私たちの力で神さまのお役に立つ事ができれば、それだけで嬉しいのです」

『スピリチュアル・ストーリーズ』
そう言って小鳥たちは早速仕事に取掛かりました。小鳥たちは本当に少しずつしか運べませんでした。でも働けば働くほど心が弾んでくるのです。みんな楽しそうに歌いながらピョンピョン跳んで行きます。

『スピリチュアル・ストーリーズ』
そして歌えば歌うほど荷物の石ころが軽くなり、遠い道のりも少しも退屈でなくなってくるのです。その事で元気づけられた小鳥たちは、水を飲んだり食事をしたりする時に、ほんのちょっと休む以外はずっと働き続けました。

『スピリチュアル・ストーリーズ』
その楽しい気持は小鳥たちが歌う歌の中によく表れておりました。するとますます荷物が軽く感じられ心からウキウキしてくるのでした。もちろんご褒美をもらおうなどとは考えてもみませんでした。

『スピリチュアル・ストーリーズ』
小鳥たちがこうして一生懸命働いている様子をじっとご覧になっていた神さまは大変嬉しく思いました。それで、もっともっと仕事がはかどるようにと、小鳥たちに二枚のつばさをつくってあげたのです。

『スピリチュアル・ストーリーズ』
神様からつばさをもらった小鳥たちは、空を楽しそうに飛びながら、これまで以上にせっせと仕事に励みました。小鳥たちにとっては他のご褒美をもらうよりは仕事がもっとはかどるように神さまがくださったつばさの方が、ずっと有難く思えました。

『スピリチュアル・ストーリーズ』
なぜなら、せっせと働いて神さまのお役にたっている事が小鳥たちにとっては一番の幸せだったからです。

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第2話 リスのしっぽ

『スピリチュアルストーリーズ』【第2話 リスのしっぽ】わたしたちの地球ができて、まだまもない、ある秋の日のことです。もうすっかり色を変えた木の葉がつぎつぎと舞い落ちて、それがちょうど1枚のじゅうたんのように地面をおおい、心地よいぬくもりと、たいせつな栄養を→

『スピリチュアルストーリーズ』→生きものたちにあたえておりました。その美しい景色を、神さまがごらんになっていました。「こうして落ち葉も、りっぱに役にたっているのだが、これからやってくる寒い冬に、太陽の光と熱をもらって芽を出さなくてはならない木や草のあるところは」→

『スピリチュアルストーリーズ』→「きれいに掃いて、そうじをしてやらなくてはいけない、さて、この仕事は、誰にたのめばいいだろうか?」神さまには、地面にいちばん近い、土の中や木の根っこのちかくに住んでいる小さな動物たちの中から選ぶのがよさそうに思えました。

『スピリチュアルストーリーズ』それは、たとえばネズミのような動物たちです。そして、神さまがさいごに選んだのは、このネズミによく似た、かわいいリスたちでした。そのころ、リスのしっぽはとても細くて小さかったので、ちょうどネズミのような姿をしていたのです。

『スピリチュアルストーリーズ』さて、仕事をもらったリスたちは、神さまにとくに選ばれたことをたいへんよろこびました。心の中で感謝しながらリスたちは、かわいらしい緑の芽をふみつぶさないように気をつけながら、その上にかぶさっている落ち葉を、そっとよけてやるのでした。

『スピリチュアルストーリーズ』こうしてリスが、自分たちのことは少しも考えないで、ただ草木がのびのびと育つようにと思って仕事にはげんでいる姿を見ていた神さまは、たいへんよろこばれて、ごほうびに、あのフサフサした美しいしっぽをつくってあげました。

『スピリチュアルストーリーズ』また神さまは、リスたちが木の上に住めるようにもしてあげました。「さぁ、どんどん木に登って、もうすぐやってくる冬のための食べものを、たくさん取っておきなさい」リスたちは、神さまの言われたとおりに木に登り、木の幹につくった穴の中に、→

『スピリチュアルストーリーズ』→クルミの実をたくさん入れました。ところが、ここでとても悲しいことがおきました。それは、リスの仲間の中に、たいへん欲ばりで力の強いのが何匹かいて、せっかくみんなで集めたクルミを1人じめにしてしまったのです。

『スピリチュアルストーリーズ』この欲ばりな仲間たちは、冬のあいだもずっと見張りをして、ほかの仲間たちには少しもクルミを分けてやろうとしませんでした。そのため、ほかの仲間たちは、おなかがペコペコになり、ついには死んでしまう者までいました。

『スピリチュアルストーリーズ』しかし、やがて時がたち、春が近づいてくるにつれて、この欲ばりなリスたちは、自分たちがみんなからきらわれていて、誰も近くに来てくれなくなったことに気づきはじめました。そして、みんなが自分たちと遊んでくれないのは、自分たちが→

『スピリチュアルストーリーズ』→欲ばりなことをしているからだ、ということに気づいたのです。そうして、自分たちが欲ばりだったために起こった、いろいろな悪い出来事を思い出して、とても悲しくなり、「これからは、けっして欲ばりはいたしません」と神さまに約束をしたのです。

『スピリチュアルストーリーズ』それからというもの、このリスたちは神さまの言いつけどおり、みんなでなかよく食べものを分けあって食べるようになりました。

『スピリチュアルストーリーズ』神さまが伝えたかったのは、「みんなが持っているものを持っていないお友だちが1人でもいたら、みんなで少しずつ分けてあげましょう」ということなのです。

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第3話 ミツバチとチョウ

『スピリチュアルストーリーズ』【第3話 ミツバチとチョウ】昔むかし、神さまは、地球を美しくするために、地上にいろいろな花を咲かせ、たくさんの木を植えました。しかし、花はこのままでは、いつかしおれてしまいます。

『スピリチュアルストーリーズ』神さまは、なんとか花をいつまでも美しくしておく方法はないものかと、あれこれ考えられました。その結果、虫たちの中から誰かを選んで花をしおれないようにしてもらい、それだけでなく、この花たちをますます美しくする仕事も、→

『スピリチュアルストーリーズ』→してもらうことを思いつきました。神さまは、このたいせつな仕事を、ミツバチにしてもらうことにしました。神さまは、ミツバチが、花を美しくしながら自分たちの食べもの(花のミツ)もとることができるようにし、またミツバチが自分たちの力で→

『スピリチュアルストーリーズ』→巣をつくり、とってきたミツをたくわえることができるように、りっぱな知恵をさずけました。ミツバチたちは、ほんとうにしあわせでした。ぶーん、ぶーんと音を立てながら花から花へと飛びまわり、いっしょうけんめい仕事にはげむのでした。

『スピリチュアルストーリーズ』それから幾日かたちました。ミツバチたちはよく働いて、おいしいミツをたくさんたくわえることができました。ところがある日のこと、神さまは地上をごらんになって、たいへんがっかりされました。

『スピリチュアルストーリーズ』せっかくつくった美しい花が、ひどく荒らされているのです。そして、仕事をいいつけられたはずのミツバチたちは、1匹もいなくなっていました。ミツバチたちは、自分たちの食べものをたくわえてしまうと、花のことなど少しも考えなくなって→

『スピリチュアルストーリーズ』→しまったのです。あれほどりっぱな仕事をたのまれたミツバチがこんな悪いことをしたということを、神さまはとても残念に思われました。そこで神さまは、こんどは、最後までよろこんで仕事をがんばってくれる者に、たのむことにしました。

『スピリチュアルストーリーズ』そうして選ばれたのが、イモムシでした。イモムシは、神さまのつくった生きものの中では、あまり進化していない生きものでした。そのころのイモムシは、今のイモムシとちがって足がとても長く、体も、今のようにたくさんの関節でつながっておらず→

『スピリチュアルストーリーズ』→ただ1つになっていました。そして、地上におちている枯れ葉を食べて生きていたのでした。さてイモムシたちは、神さまからいただいた仕事にいっしょうけんめいはげみました。イモムシには、ミツバチのような羽がありませんので、→

『スピリチュアルストーリーズ』→花から花へと渡り歩くだけでもたいへんなことでした。しかしイモムシたちは、ひとこともわがままを言わず、がまんしながら働きつづけるのでした。イモムシが登る木の中には、でこぼこが多いものや、トゲのたくさん生えているものがあって、

『スピリチュアルストーリーズ』→イモムシはたびたびころぶことがありました。しかしイモムシは、けっしてその苦労に負けることなく、いっしょうけんめい働きつづけました。すると、そのうちに、長くて困っていた足がだんだん短くなり、→

『スピリチュアルストーリーズ』→体も、なんども伸びたり縮んだりしているうちに、たくさんの関節ができてきました。そのおかげでイモムシは、たいへん仕事がしやすくなりました。こうしてイモムシが神さまのお手伝いをしていたころ、ミツバチたちは、自分たちが→

『スピリチュアルストーリーズ』→自分たちのことだけしか考えていなかったこと、花のことを少しも考えてあげなかったことに気がついて、とても悲しくなり、「どうかお許しください」と神さまにあやまりました。すると神さまはこう言われました。

『スピリチュアルストーリーズ』「わたしはけっして、お前たちに罰はあたえません。お前たちで反省会を開いて、みんなでよく反省してごらんなさい。あのイモムシたちは、私の言いつけをよく守り、いっしょうけんめい働いてくれている。」

『スピリチュアルストーリーズ』「イモムシたちには何か良いごほうびをあげることにしよう。そうだ、イモムシたちはもう、枯れた落ち葉のそうじばかりをしていないで、木に登って新しい葉をたべてもよいことにしてあげよう。それに、よく働くから少し休む時間を与え、」→

『スピリチュアルストーリーズ』→「そのあいだは誰からも邪魔をされないように守ってあげよう。それに、もう1つのごほうびとして、その休みの期間が終わったら、すぐに空を飛べるように羽をつけてあげよう。その羽には、花たちの美しい色で、きれいな模様をつけてあげる」→

『スピリチュアルストーリーズ』→「ことにしよう」そうです。イモムシはあの美しいチョウになってからも、花の色で飾られた美しい羽で飛びながら花粉を運んで、神さまからいただいた仕事を、今もりっぱにつづけているのです。さてミツバチたちは、神さまの言いつけどおり→

『スピリチュアルストーリーズ』→反省会を開きました。その反省会では、メスのハチの方が優勢でした。自分たちがせっかく集めたミツを、オスのハチが食べてしまい、そのうえ、自分たちに花の世話をなまけるようにそそのかしたと言って責めるのでした。

『スピリチュアルストーリーズ』しかしメスのハチたちは、自分たちも悪かったということを反省して、これからはけっして仕事を怠けるようなことをせずに、生まれてから死ぬまで、ずっと働きとおすことを誓いました。それからオスのハチたちに向かって、こう言いました。

『スピリチュアルストーリーズ』「あなたたちが、わたしたちの仕事を途中でやめさせたから、花があんなに枯れてしまったのです。これからは、そこまでしか、わたしたちの食べものは分けてあげません。毎年そのころになったら、この巣から出ていってください」

『スピリチュアルストーリーズ』こうして働きバチはメスだけになり、オスのハチは、毎年同じころになると遠くへ飛び去っていくようになったのです。いったい、このお話は何を教えているのでしょう?

『スピリチュアルストーリーズ』そうです。どんなに小さなことでもよいのです。神さまは、他人のしあわせのためになることをする人には、自分のことばかり考えている人よりも、多くのしあわせをあたえてくださる、ということなのです。

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第4話 天国の保育園

『スピリチュアルストーリーズ』【第4話 天国の保育園】みなさんが住むこの地上と同じように、天国にも保育園があります。そこでは、小さいときにこの地上に別れをつげて天国へ行った子どもたちが暮らしています。

『スピリチュアルストーリーズ』ではこれから、みなさんといっしょに、その天国の保育園をのぞいてみることにしましょう。天国の保育園は、それはそれは楽しいところです。かわいらしい家がたくさんたちならび、子どもたちはいくつかのグループにわかれて暮らしています。

『スピリチュアルストーリーズ』ここでは、年上の子どもがリーダーをつとめ、小さな子どもたちのお世話をすることになっています。もちろん、保母さんの仕事をする大人の先生もいて、いっしょにいろいろとお世話をしながら、子どもたちをりっぱに育てているのです。

『スピリチュアルストーリーズ』また、この保育園には、たくさんの動物や小鳥がいて、家の中で子どもたちといっしょにすわって話しあったり、外でなかよく遊んだりして、とても楽しい毎日を送っております。そこには、子どもたちが好きな動物が、たくさん遊びに来ています。

『スピリチュアルストーリーズ』ここの動物たちは、少しも人間をこわがらないのです。なぜかといえば、この保育園の子どもたちはけっして動物に悪いことをしないということを、動物たちがよく知っているからです。はじめてこの保育園に来た子どもは、よくわからないことがたくさん→

『スピリチュアルストーリーズ』→あります。ですから、来る前に、ここでの新しい生きかたを学んでいないと、とんだ大失敗をすることがあります。これからお話しするのは、この保育園にひょっこりあらわれた男の子、ジョンくんの、大失敗の物語です。

『スピリチュアルストーリーズ』ジョンが天国へ来たのは、やっと9歳になったばかりの時でした。かわいそうにジョンは、地上でたいへん不幸な生活を送りました。家が貧しかったために、遊ぶことも本を読むこともできませんでした。

『スピリチュアルストーリーズ』どんなに小さいものを手に入れるのにも、ジョンはいつも苦しい思いをしなければなりませんでした。そのためか、ジョンはだんだん大人の言うことをきかない子どもになり、いつのまにか、とてもいじわるな子どもになっていたのでした。

『スピリチュアルストーリーズ』さて天国へ来たジョンは、ある時ひょっこり、その保育園へやってきました。保育園に入るのははじめてでしたので、もちろんこの、子どもの国のことについては何も知りません。ジョンは、お庭でピョンピョンと楽しそうに跳びまわっている→

『スピリチュアルストーリーズ』→かわいい小鳥たちを見ると、地上にいた時と同じように、いきなり石をひろってその小鳥に投げつけました。かわいそうに、ジョンの投げた石は、そのうちの1羽に命中しました。それを見てジョンは、得意になってよろこびました。

『スピリチュアルストーリーズ』ところが次の瞬間、ジョンはとても驚きましや。石が当たったはずの小鳥が、少しも傷ついていないのです。そればかりではありません。その小鳥がジョンの方へ飛んできて、ジョンの肩の上にとまったではありませんか!

『スピリチュアルストーリーズ』ジョンは不思議に思って、しばらく、じっと立ったままでした。するとそこへ、ジョンより少し年上の少年がやって来て、ジョンにこう言いました。「ジョンくん、この国ではあんなことをしてもけっして傷つくことはないんだよ」

『スピリチュアルストーリーズ』「それに、ここの小鳥たちは、こわがるということを知らないんだ。それできみのところヘやって来たのさ」それからその少年は、ジョンを自分の受け持ちの家につれていきました。ジョンはそこにあったベッドに横になると、そのままグッスリと→

『スピリチュアルストーリーズ』→眠ってしまいました。しばらくして目をさましたジョンは、ベッドのすぐ横に1匹の小さなシカが立っているのに気がつきました。とてもかわいい「子ジカのバンビ」です。ところが、それを見たジョンは、すぐまた悪いことをしたくなりました。

『スピリチュアルストーリーズ』でも、このようにジョンがすぐに悪いことを考えるのは、ほんとうはジョンが悪いのではありません。地上にいた時の生活があまりにも苦しかったからなのです。ジョンはベッドからとび起きるとすぐ、げんこつでシカをなぐりつけました。

『スピリチュアルストーリーズ』ところがジョンは、またまた驚きました。シカがジョンに近づいてきて、しきりにジョンの首のところに鼻をすりよせるのです。ジョンが、自分の悪いおこないに気がついたのはこの時でした。ベッドにすわったまま、悲しくなって泣いてしまいました。

『スピリチュアルストーリーズ』シカが近づいてジョンをなぐさめます。このようすを見ていたさっきの少年は、ジョンにやさしくこう言いました。「ジョンくん、きみはなぜ、僕たちの友だちに、そんな悪いことをするんだい?みんな、きみのことが好きなんだよ」

『スピリチュアルストーリーズ』「それを知ってもらいたいと思って、ほら、シカもこうして鼻をすりよせてるんじゃないか。このシカも、こわがることを知らないんだよ。ただきみに好かれたいのさ。この国ではこうやって、みんながなかよく生きていくんだよ。みんなしあわせなんだ」

『スピリチュアルストーリーズ』この言葉を聞いて、ジョンは、それがほんとうであることが、よくわかりました。それからジョンは、シカといっしょに外にとび出しました。

『スピリチュアルストーリーズ』家の外では男の子や女の子、それに動物たちが、みんな楽しそうに遊んでいます。こうしてジョンも、すぐにみんなとなかよしになりました。そして、はじめて、ほんとうのしあわせを知ることができたのでした。

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第5話 いなくなったウサギ

『スピリチュアルストーリーズ』【第5話 いなくなったウサギ】ふたたび天国の保育園をのぞいてみましょう。かわいらしい家がたくさん並んでいます。その中の1つをそっとのぞいてみると、子どもたちが、かわいい動物たちとなかよく遊んでいます。それは2匹の小さな白いウサギです。

『スピリチュアルストーリーズ』白ウサギなら、みなさんも、きっとかわいがったことがあるでしょう。この2匹の白ウサギも、ここではたいへん人気者で、子どもたちにかわいがられながら、楽しそうに遊んでいます。ところが、そうやって子どもたちが楽しそうに遊んでいる場所から→

『スピリチュアルストーリーズ』→少し離れたところに、もう1匹、灰色の小さなウサギが、さみしそうにすわっています。いったい、どうしたのでしょう?保育園の子どもたちのお世話をしている先生は、前からこの灰色の小ウサギがさみしそうにしていることを知っていて、→

『スピリチュアルストーリーズ』→そのわけもよく知っていました。そんなある日のこと、その灰色の小ウサギがとうとう保育園からいなくなってしまいました。なぜでしょうか?そのわけも、先生にはすぐにわかりました。もちろん、むちゅうで遊んでいる子どもたちは、→

『スピリチュアルストーリーズ』→灰色の小ウサギがいなくなったことなど少しも知りませんでした。ですから、先生からそのことを聞かされた時は、とても驚きました。そしてみんな口ぐちに、なぜいなくなったのですかと先生にたずねました。

『スピリチュアルストーリーズ』そこで先生はみんなを呼び集めて、やさしく次のようなお話をしました。「この天国では、動物たちは、わたしたちがかわいがってあげる、やさしい〈愛の心〉によって生きているのです。わたしたち人間は、天国に来ても、それぞれ自分のままで」→

『スピリチュアルストーリーズ』→「いることができますが、動物たちは、天国へ来るとすぐに、動物たちだけの〈大きな1つの魂〉の中にとけ込んでしまい、形をなくしてしまうのです。ですから、みなさんがいっしょに遊んでいる動物たちが天国でも地上と同じ姿をしているのは、」→

『スピリチュアルストーリーズ』→「みなさんがかわいがってあげているからなのです。イヌのピムくん、ネコのフラッフィーちゃん、おウマのモリーちゃんも、みんなそうなのですよ。そういう動物は、わたしたちにかわいがられているあいだは、わたしたちの国に住んでいます。」→

『スピリチュアルストーリーズ』→「ですが、もしわたしたちにかわいがられなくなると、自分のきょうだいや友だちのいる世界へ行ってしまうのです。これで、なぜあの灰色のウサギちゃんがいなくなったのか、よくわかったでしょう?」

『スピリチュアルストーリーズ』「みなさんがかわいがってあげないと、この天国には、いられなくなるのです」このお話を聞いて、子どもたちはとても残念に思いました。というのは、子どもたちには、灰色の小ウサギをのけ者にする気持ちは少しもなかったのです。

『スピリチュアルストーリーズ』そこで先生にこうたずねました。「先生、もういちどあのウサちゃんと遊ばせてください。だって、ほんとうはみんな、あのウサちゃんが好きなんです。いままでは、ただ忘れていただけなんです」こうして子どもたちは、とてもたいせつなことを学びました。

『スピリチュアルストーリーズ』するとどうでしょう。あの灰色のウサギが、ピョンピョンとやってきたではありませんか。同じ灰色でも、今はいきいきとしたツヤをしていて、体じゅうが光り輝いています。

『スピリチュアルストーリーズ』どうしてそんなふうに変わったのでしょうか?そのわけは、みなさんにもわかりますね。そうです。みんなにかわいがられていることを知って、ウサギはうれしくてたまらなかったのです。

『スピリチュアルストーリーズ』【子どもたちの祈り】天の神さま、今日も1日、たのしく元気にすごすことができたことを感謝いたします。これからも、いつも正しいおこないをし、けっしてお友だちのめいわくにならないようにいたします。

『スピリチュアルストーリーズ』そして、病気のお友だちやケガをしたお友だちが、天使さまのお力によって1日も早く良くなり、おとうさんやおかあさんのいないお友だちが、いつもしあわせでいられるよう、お守りください。心をこめてお祈りいたします。

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第6話 小さな青い花

『スピリチュアルストーリーズ』【第6話 小さな青い花】保育園のお友だちとなかよしになったジョンは、その後、どうしているのでしょう?ではこれから、ジョンのその後のお話をすることにしましょう。ジョンがなかよしになった新しいお友だちの中に、ローズマリーという名前の、→

『スピリチュアルストーリーズ』→かわいらしい女の子がいました。ある日ジョンは、美しいお花がいっぱい咲いているローズマリーのお庭へ遊びに行きました。さて、ジョンがお庭に入ってすぐに気がついたことが1つありました。それは、そのお花畑には、草が1本も生えていないのです。

『スピリチュアルストーリーズ』不思議に思ったジョンは、ローズマリーに言いました。「ローズマリーちゃん、このお庭には、草が1本も生えていないんだね」するとローズマリーは、不思議そうな顔をしながら聞きました。「草?草ってなあに?」

『スピリチュアルストーリーズ』ローズマリーは、まだ赤ちゃんのころにこの天国へ来たので、地上のことは何も知らないのです。そこでジョンが、こう説明してあげました。「草というのはね、だーれもほしがらない植物なんだ。だから、みんな引き抜かれて捨てられてしまうんだよ」

『スピリチュアルストーリーズ』「だって草があると、ほかのきれいな花のじゃまになるからね」これを聞いてローズマリーは、草がとてもかわいそうに思えました。なぜなら、ローズマリーは、どの植物もみんなかわいがってあげなくてはいけないと思っていたからです。

『スピリチュアルストーリーズ』そこでローズマリーは、こう言いました。「いっしょに先生のところへ行って、わたしたちのお庭にその草を植えさせてもらえるように、お願いしてみましょうよ」ジョンも「そうだね、それがいいね」と言って、すぐに賛成しました。

『スピリチュアルストーリーズ』さて、2人のお願いを聞いた先生は、たいそうよろこんで、次のように話されました。「ジョンくんにローズマリーちゃん、先生はお2人の話を聞いて、ほんとうにうれしく思いますよ。草のように、みんなから捨てられてしまう植物だって、」→

『スピリチュアルストーリーズ』→「同じように神さまがつくられたものです。ですから、神さまからみれば、花も、草も、みんな同じように美しいものなのです」先生はそう言いながら、2人に1本の小さな草をくれました。2人は大よろこびでその草を持ち帰り、→

『スピリチュアルストーリーズ』→ていねいに植えてあげました。2人は、今までのけ者にされていた草をかわいがってあげることができ、とてもしあわせでした。やがてその草に、小さな青い花が咲きました。そして、2人でかわいがればかわいがるほど、その花はますます→

『スピリチュアルストーリーズ』→美しくなっていきました。そして、しまいには2人とも、その草を自慢するようになりました。ジョンもローズマリーも、うれしくてなりません。なぜ2人は、このような、しあわせな気持ちになったのでしょうか?

『スピリチュアルストーリーズ』それは、自分たちで育てた草が、神さまがお考えになったとおりにすくすくと育って美しい花を咲かせているからです。

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第7話 たいせつな命

『スピリチュアルストーリーズ』【第7話 たいせつな命】ある日、ジョンとローズマリーは、保育園の子どもたちが動物たちと遊んでいるのをみていました。そのうちの何人かが、子ジカを追いかけはじめました。シカは、ひっしに逃げまわっています。

『スピリチュアルストーリーズ』そのようすを見ていたジョンは、これはいけないことだと思い、すぐに先生のところへ行って、そのことを知らせました。ところが先生は、次のように言いました。「ジョンくん、それは少しも心配しなくていいのですよ。」

『スピリチュアルストーリーズ』「シカは、こわくて逃げまわっているのではなくて、面白がって遊んでいるのです。なぜかというと、子どもたちがいじわるをしないということをシカはよく知っているからです。ジョンくんは、地上で動物が猟師に追いかけられるようすを」→

『スピリチュアルストーリーズ』→「思い出したんじゃないかしら。地上では、生きていくためには、どうしてもほかの生きものを犠牲にしなくてはなりません。小さい虫から大きい動物、そして人間だって、そうやって生きていますね。これは、地上の生活のしくみが」→

『スピリチュアルストーリーズ』→「そうなっているのですから、しかたがないことです。けっして悪いことではありません。ですが、残念なことに、地上の人間の中には、動物を追いまわして銃で撃つことを楽しみにしている人たちがいます。あれはたいへんいけないことです。」

『スピリチュアルストーリーズ』「それから、何の害もあたえない虫や生きものをむやみに殺すのもいけないことです。衛生上の理由から害虫を駆除することはもちろん必要ですが、そうでないかぎり、生きものをむやみに死なせてはなりません」

『スピリチュアルストーリーズ』そこまで話したとき、1羽のチョウが飛んできて、先生の手にとまりました。「ほら、このきれいなチョウをごらんなさい。このチョウは、どんな目的を持って生まれたのでしょうね。それは、チョウの体のしくみを観察すればわかることです。」

『スピリチュアルストーリーズ』「どんなに小さな生きものでも、神さまの、とても深い知恵によってつくられているのです。それを面白半分に殺すことは、まちがいであると、ジョンくんにもわかるでしょう?」

『スピリチュアルストーリーズ』先生のお話を聞いて、ジョンはこう言いました。「よくわかりました。地上の子どもたちがみんなこのことを理解してくれたら、どんな生きものにも、ひどいことをしなくなると思うんだけどな」

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第8話 フクロウの知恵

『スピリチュアルストーリーズ』【第8話 フクロウの知恵】これも遠い遠い昔のこと、まだ、わたしたちの地球ができて、まもないころのお話です。その日はとても風の強い日でした。空は真っ黒にくもり、おおつぶの雨が強く降りつづけておりました。

『スピリチュアルストーリーズ』地球ができてから嵐が来たのはこのときがはじめてだったので、小鳥たちは「これは何ごとだろう?」とこわがって、ガタガタふるえておりました。小さな木は、あっちにゆれ、こっちにゆれて、小鳥たちはいっときも枝にとまっていることができません。

『スピリチュアルストーリーズ』どこへ行けばいいのか、どうすればいいのか、ただただ心配するばかりでした。そうやって小鳥たちが大さわぎをしているとき、1羽のフクロウだけが、少しもあわてず、静かに枝にとまっておりました。

『スピリチュアルストーリーズ』そうして、ほかの鳥たちが大さわぎをしているのを見ながら、なんと知恵のないことだろうと思うのでした。「きみたちはなぜ、そんなにさわぐのだね?」フクロウはそう言ってから、小鳥たちに次のように語って聞かせました。

『スピリチュアルストーリーズ』「わたしをごらんよ。こうしていれば、ちっともこわくなんかないじゃないか。かくれ場所なら、さがせばどこにだってあるさ。早くさがして、こういうぐあいにじっとがまんしていれば、嵐なんか平気だよ。そのうち過ぎ去っていくよ」

『スピリチュアルストーリーズ』これを聞いた小鳥たちは、いっせいにフクロウのいる場所を見ました。すると、どうでしょう。フクロウは大きな木の幹を背にして、平気な顔でとまっているのです。幹も枝もとても大きいので、雨も風もあたりません。

『スピリチュアルストーリーズ』小鳥たちは「なるほどなあ」と思って、さっそく自分たちのかくれ場所をさがし、おかげでおそろしい嵐から、のがれることができたのでした。フクロウが今でも「知恵のおじさん」と呼ばれているのは、きっと、こんな話があるからでしょう。

『スピリチュアルストーリーズ』この話は、とてもたいせつなことを教えています。わたしたちは、何か困ったことがあると、すぐにあわてたりさわいだりしますが、ほんとうは、ものごとは、あわてればあわてるほど、ますますむずかしくなるものなのです。

『スピリチュアルストーリーズ』そんなときは心をおちつけて、静かに考えるのです。どんなときでも、あわてず、じっとがまんする子には、きっと神さまがよい知恵をさずけてくださることでしょう。

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第9話 妖精たちのために

『スピリチュアルストーリーズ』【第9話 妖精たちのために】昔むかし、神さまは、地上にたくさんの生きものをつくられました。そして、その1つひとつに仕事を申しつけられました。ところがその中に、自分の仕事がわからずにいる2匹の虫がいました。

『スピリチュアルストーリーズ』1匹は草の中に住み、もう1匹は空を飛んでおりました。2匹の虫は、いつもこう言って考えこむのでした。「いったいぼくたちは、何のために生きているんだろう?」ある日のこと、2匹の虫は、木や花には〈妖精〉という、美しい羽をつけた→

『スピリチュアルストーリーズ』→かわいらしい子どもが住んでいて、夜になると、空を飛びまわったり地上を散歩したりするということを聞きました。「妖精さんたちがでかけるのは、いつも夜だそうだけど、暗くて道がわかりにくいだろうなあ」

『スピリチュアルストーリーズ』なんとかして神さまのお役にたちたいと思っていたその2匹は、そんなことを言いながら、しきりに妖精たちのことを心配しておりました。そのうち2匹は、とうとうがまんしきれなくなって、ある日のこと「よし、ぼくたちが道案内してあげよう」→

『スピリチュアルストーリーズ』→と、決心しました。その日から、1匹は空を飛びまわり、もう1匹は草のしげみの中にいて、妖精たちが迷子にならないように、親切に案内してあげるのでした。妖精たちは2匹の親切をとてもうれしく思い、たびたびお礼を言いました。

『スピリチュアルストーリーズ』お礼を言われた2匹も、自分たちが誰かの役にたっていることを知ってうれしく思い、毎日がたのしく思えるのでした。さて、この2匹の虫のおこないを見ておられた神さまは、とてもよろこばれました。そして、その美しい心がけに感心し、→

『スピリチュアルストーリーズ』→ごほうびとして、道案内をするための〈光〉を2匹にさずけました。みなさんが知っているホタルとツチボタルは、こうして生まれたのです。なんとすてきなお話でしょう。わたしたちはよく、自分の家が貧しいとか、おとうさんやおかあさんに→

『スピリチュアルストーリーズ』→言いつけられた仕事がつまらないとかと言って、わがままを言うことがありますね。けれど、ほんとうは、どんな仕事をしていても、どんな暮らしをしていても、いちばんたいせつなのは、この2匹の虫たちのような、すなおでやさしい心がけなのです。

『スピリチュアルストーリーズ』いつも親切で、すなおな心をもったよい子には、神さまがきっと、ごほうびに、ほんとうのしあわせをくださることでしょう。

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第10話 動物たちの国

『スピリチュアルストーリーズ』【第10話 動物たちの国】あるとき、保育園の先生は、木かげにおおぜいの子どもたちを集めて、たいせつなお話をされました。それは、人間の〈性格〉についてのお話でした。性格というのは、わたしたち1人ひとりが持っている、→

『スピリチュアルストーリーズ』→〈ほかの人とちがうところ〉のことです。先生がお話をつづけていると、ウサギをだっこしていたジョンが、こんな質問をしました。「先生、ではこのウサちゃんは?このウサちゃんにも、やはり性格というものがあるのですか?」

『スピリチュアルストーリーズ』「ええ、ありますとも」先生はすぐにこう答えました。「ウサギだけでなく、どの動物にも、それぞれの性格があるんですよ。では、その勉強のために、これからみなさんといっしょに動物の国へ行ってみましょう。そのことがすぐにわかりますよ」

『スピリチュアルストーリーズ』そう言って先生は、子どもたちをつれて保育園を出て、いつもたくさんの動物たちが住んでいる森へむかってすすみました。もちろんジョンとローズマリーもいっしょです。しばらく歩いて、そろそろ動物の森に近づいたころ、1匹のキツネが、→

『スピリチュアルストーリーズ』→遠くからみんなのほうを見つめているのが見えました。そして、そのキツネはどうやら、みんなが近づいてくるのが気に入らないらしいのです。そのようすを、先生はこんなふうに説明しました。「あのように、すぐに逃げようとするのが」→

『スピリチュアルストーリーズ』→「キツネの性格なのです。地上ではとてもこわい動物ですけど、あれは、勇気を出さないと食べるものが得られないからです」次にみんなの目に入ったのは、3頭の大きなゾウでした。先生はさっそく次のように説明されました。

『スピリチュアルストーリーズ』「ゾウは、動物の中でもいちばん頭がいいのです。物を運んだり、つくったりして、たいへん役にたつ動物です。頭がいいから、自分たちの身を守るために、あのようにおたがいに鼻としっぽをつないで歩くことを考えつくのです。」

『スピリチュアルストーリーズ』「あのようにしていっしょに歩くのがいちばん安全だということを、ちゃんと知っているのね」やがてみんなは、広い原っぱに出ました。見ると、すぐ近くにライオンがねそべっていました。それを見たジョンは、びっくりして逃げようとしました。

『スピリチュアルストーリーズ』ところがローズマリーは少しもこわがらず、平気な顔でライオンに近づきました。そのようすを見て、先生はジョンにこう話しかけました。「ジョンくん、こわがらなくてもいいのよ。ライオンは、ほんとうはネコのようにおとなしい性格なのです。」

『スピリチュアルストーリーズ』「地上のライオンがこわいのは、食べものを得るために、ほかの動物とあらそわなければならないからなのです。でも、この天国ではそんな必要はありませんから、みんなやさしくておとなしいのです」

『スピリチュアルストーリーズ』そのとき、近くを1匹のネズミがすばやく通りすぎました。すると先生がその方角を指さして、こう説明しました。「ほら、あのネズミをごらんなさい、動物の中でもいちばん小さいのに、いちばん勇気があって、どんなところでも平気で走りまわって」→

『スピリチュアルストーリーズ』→「遊んでいます。おくびょうなようでも、ほんとうはとても勇気があるのです」そしてさいごに、みんなにこう話されました。「さて、これで動物にも、みんなそれぞれの性格があることがわかりましたね」

『スピリチュアルストーリーズ』「そしてまた、そのほんとうの性格があらわれるのは、この天国へ来てからだということもわかりましたね。地上では、生きるために、ほかの動物を殺したり、あらそったりしなければなりません。そのために、やさしい心を持っている動物も、」→

『スピリチュアルストーリーズ』→「地上ではこわい動物となって、みんなからおそれられてしまうのです。でも、天国へ来れば、もうその心配はいりません。わたしたち人間が平気でライオンの背をなでたり、小鳥が人間の肩にとまりにくるのも、そのためなのです」

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第11話 やさしい心

『スピリチュアルストーリーズ』【第11話 やさしい心】天国の保育園に来てからのジョンは、毎日のように新しいこと、それまで思ってもみなかったことを教わったり発見したりしています。今日も先生から、花について、こんなたいせつなことを教わりました。

『スピリチュアルストーリーズ』その日のジョンは、お友だちのローズマリーといっしょに、ローズマリーのつくったお花畑を歩いていました。そのとき、ふとジョンは、その花畑が地上の花畑とどこかちがっていることに気がつきました。

『スピリチュアルストーリーズ』どこがちがうのかというと、ローズマリーのお花畑には〈花壇(かだん)〉がない、ということです。花壇というのは、花を1つの場所に集めて、いろいろとくふうをこらしてつくった畑のことです。

『スピリチュアルストーリーズ』ジョンは、地上ではそのような花壇に、同じような花がたくさん植えられていたはずだ、と思い出しました。でも、天国のお花畑には、そのような場所がどこにも見当たらないのです。いろんな種類の花が、わずかに1本ずつ、ときには2、3本ずつ、→

『スピリチュアルストーリーズ』→あちらこちらに咲いているのです。何かわけがあるのかしらと思ったジョンは、さっそく先生にたずねてみました。先生はいつものように、たいへんうれしそうに次のように話してくれました。先生は、よくわからないことをすなおにたずねる子どもが→

『スピリチュアルストーリーズ』→大好きなのです。「地上では、お花は、人間の目を楽しませるために植えるのです。ですから、きれいな花を1つの場所にたくさん植えるようになるのです。ですが、天国ではちがいます。天国の花は見せるためにあるのではありません。」

『スピリチュアルストーリーズ』「それぞれの花がそれぞれの個性のままに美しくなるように育てられているのです。そして、たいせつなことは、その花のいちばんの養分は、人間からいただくやさしい心、愛の心だということです。やさしい心で育てられれば、」→

『スピリチュアルストーリーズ』→「お花はますます美しく育ちます。もしも人間からやさしくされなくなると、お花はすぐしおれて、いつのまにか消えてなくなります」

『スピリチュアルストーリーズ』このお話を聞いているうちに、ジョンはしだいにうれしさがこみあげてきました。自分で植えた花が、自分のやさしい心ひとつで、いくらでも美しくなってくれるのだと思うと、うれしくてたまらなかったのです。

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第12話 おくびょうな子ウマ

『スピリチュアルストーリーズ』【第12話 おくびょうな子ウマ】これは、かわいい子ウマのお話です。ウマたちがこの地上に住むようになってまもない、そして、体が今よりずっと小さかったころのお話です。昔むかし、あるところに、ウマの親子が住んでおりました。

『スピリチュアルストーリーズ』どうしたわけか、子ウマは生まれたときから、とてもおくびょうで、自分より大きい動物はもちろんのこと、雨が降っても、風が吹いても、すぐにビクビクとこわがるのでした。あるときなどは背の高い木を見て、この木は倒れないだろうか、→

『スピリチュアルストーリーズ』→もし倒れて頭の上にゴツンと落ちてきたらどうしよう、と考えはじめてしまい、そうするともう心配で心配でならなくなり、とうとう泣きながらおかあさんにそのことを話したというくらい、おくびょうなのです。

『スピリチュアルストーリーズ』そんなときおかあさんは、こんなふうに、やさしく言って聞かせるのでした。「まあまあ、おくびょうだこと。だいじょうぶですよ。木は、土のずっと深いところまで足を伸ばしているのよ。ですから、けっして倒れたりなんかしないの」

『スピリチュアルストーリーズ』すると子ウマは、こんどは食べものの心配をしはじめました。草を食べながら、おかあさんに、こう聞くのです。「こんなに毎日食べていたら、そのうち、草がなくなってしまわないかなあ…。もしなくなってしまったら、ぼくたちはどうするの?」

『スピリチュアルストーリーズ』するとおかあさんは、笑いながらこう言いました。「だいじょうぶですよ。神さまがちゃんと食べるものをつくってくださいますから」さて、ある日のことです。その親子が、そろって遠くへ散歩に出かけました。

『スピリチュアルストーリーズ』子ウマはうれしくて大はしゃぎで、おかあさんの先になったり後になったりしながら進みました。あまり走りまわるので、ときどき、おかあさんから遠く離れることがありました。そんなときです。子ウマは、ちょろちょろと音をたてて流れている→

『スピリチュアルストーリーズ』→小川を見つけました。子ウマはそのときまで小川というものを見たことがなかったので、とてもびっくりしました。そして、いちもくさんに逃げだしました。ところがそのときにはもう、おかあさんはその方角には、いなかったのです…。

『スピリチュアルストーリーズ』さあ、たいへんです。おくびょうな子ウマは、だんだんこわくなってきました。あせればあせるほど、どんどんこわくなっていくのです。子ウマは泣きべそをかきながら、あちらこちらを走りまわりました。すると、思ったよりも近い場所で、→

『スピリチュアルストーリーズ』→やっとおかあさんを見つけることができました。おかあさんのそばに来た子ウマは、それまでいちども感じたことのないうれしさを感じました。そうして、そのときはじめて「今までぼくは、なんてつまらないことをこわがっていたんだろう。」

『スピリチュアルストーリーズ』「おかあさんがいなくなることほど、こわくて、さみしいことはないのに…」と思ったのでした。そして、それっきり子ウマは、何もこわがらなくなったということです。

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第13話 コマドリの胸はなぜ赤い


『スピリチュアル・ストーリーズ』
【第13話 コマドリの胸はなぜ赤い】この本の最初のお話は、小鳥たちが神さまのお手伝いをしてそのご褒美に立派な<つばさ>を頂いたお話でしたが、その小鳥たちのうちの一羽がもう一つ良い事をして神さまからまた素敵なご褒美を頂いたというお話をしましょう。

『スピリチュアル・ストーリーズ』
皆さんはみんなで一つの仕事をしようとすると誰か一人、みんなをまとめるリーダー役の人が必要になってくる事を知っているでしょう。でもみんなをまとめるという事はとても難しい事です。

『スピリチュアル・ストーリーズ』
それでみんなリーダーになる事を嫌がるものですが、これからお話しする小鳥は自分からすすんでその役目を引受けたのです。ある時、小さい枝や大きい枝、小さい石ころや大きい石ころがあちこちに散らばって地上がとても見苦しくなった事がありました。

『スピリチュアル・ストーリーズ』
神さまはその様子をご覧になって「何とかして大掃除をしなくては…」と思われ、いろんな動物に頼んでみました。しかし結局今度も小鳥たちが引受ける事になりました。さていよいよ仕事に取掛かろうとした時、みんな口々にこう言いはじめました。

『スピリチュアル・ストーリーズ』
「誰かがリーダーになってくれないかなぁ…」やはりみんなをまとめてくれる人がいた方が仕事がしやすいのです。しかし仕事をするのは少しもいやではないのですが、リーダーになるのはさすがの小鳥たちもいやのなのです。

『スピリチュアル・ストーリーズ』
みんな下を向いて小さくなっていると、その中から一羽が出てきてこう言いました「よし、ぼくが引受けよう。みんなが賛成してくれるのなら」もちろんみんな大賛成です。さあ小鳥たちは張切って仕事に取掛かりました。

『スピリチュアル・ストーリーズ』
それからというものリーダーになった鳥は大変な毎日でした。朝はまだ夜が明けないうちに起きて朝日が昇るとすぐにみんなを呼起こします。昼は昼でみんなを指揮しながら自分も仕事をしなければなりません。

『スピリチュアル・ストーリーズ』
そして夜になると一番遅くまで起きていて、みんなの世話や後始末をしなければなりません。しかしその小鳥は少しもいやな顔をせず毎日一生懸命に自分の務めを果たしていきました。もちろん神さまはその様子を見ておられました。

『スピリチュアル・ストーリーズ』
そしてその小鳥がご褒美の事を少しも考えていないのを知って「そうだな、こういう小鳥にこそご褒美をあげなくてはいけないな」と考えられました。神さまはいろいろと考えられた末に「そうそう、あの小鳥はお日さまと一緒に起き、お日さまと一緒に働き、―

『スピリチュアル・ストーリーズ』
―そしてお日さまが沈んでから眠りについている。そうだ、そのお日さまの美しい色で胸のあたりをきれいに飾ってあげる事にしよう」とお考えになり、―

『スピリチュアル・ストーリーズ』
―さっそくその小鳥の胸に、お日さまの色をした赤い羽根をつけてあげたのです。胸の赤いコマドリは、こうして生まれたのです。

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第14話 ヒバリの歌


『スピリチュアルストーリーズ』【第14話 ヒバリの歌】あたあたかい春の日ざしをあびながら青空たかく舞いあがったヒバリの、あの楽しそうな歌声を聞いていると、どんな悲しみをもった人でも、知らず知らず楽しくなってくるものです。そこには、こんな楽しいお話があるのです。

『スピリチュアルストーリーズ』昔むかし、1羽のヒバリが、野原でじっとすわっている少女の姿を見つけて、そっと近づいてみました。見ると、少女は悲しそうに泣いています。かわいそうに思ったヒバリは、近づいてこうたずねました。「どうしたの?なぜ泣いているのですか?」

『スピリチュアルストーリーズ』しかし少女は何も答えず、いくどたずねても、ただ顔をふせたまま泣きつづけるのでした。ヒバリは、困ってしまいました。そしてこう言いました。「なぜだか、わけを教えてください。ぼくにできることだったら、どんなことでもしてあげますから…」

『スピリチュアルストーリーズ』ヒバリがそう言うと、少女は、「ほんとう?ヒバリさん」と言って、はじめて顔をあげました。「では、心がウキウキするような、楽しい歌を歌ってください」「えっ?歌?」ヒバリはそう言って、とても困った顔をしました。それもそのはずです。

『スピリチュアルストーリーズ』そのころのヒバリは、ただチッチッと鳴くだけで、じょうずに歌を歌うことはできなかったのです。「困ったなあ…。ぼくは、歌はまるでダメなんです…。でも、いいでしょう。どんなことでもしてあげると言ったんだから、」→

『スピリチュアルストーリーズ』→「とくべつに神さまにおねがいして、じょうずに歌えるようにしてもらってきます」そう言うなり、ヒバリは空たかく舞いあがり、ぐんぐん小さくなっていきました。神さまのところへおねがいに行ったのです。

『スピリチュアルストーリーズ』少女はヒバリの舞いあがったほうへ目をやって、静かに耳をすませて待っておりました。すると、遠い遠い空のはてから、かすかな歌声が聞こえてきました。その歌声はしだいに大きくなり、やがて少女の目にも、楽しそうにヒバリが舞う姿が→

『スピリチュアルストーリーズ』→見えるようになりました。ああ、やっぱりさっきのヒバリです。ヒバリは、同じ場所でしばらく歌いつづけてくれました。その楽しそうな歌声を聞いているうちに、涙にぬれた少女の顔が、しだいに笑顔にかわっていきました。

『スピリチュアルストーリーズ』こうしてヒバリは、自分にはできないと思っていたことを、りっぱに、なしとげることができました。どうして、こんなことができたのでしょうか?それは、少女のためにと思って、いっしょうけんめいになったからなのです。

『スピリチュアルストーリーズ』今でもヒバリは姿が見えなくなるまで舞いあがり、やがてさえずりながら舞いおりてきますね。みなさんも、人のためになることに、いっしょうけんめいになりましょう。きっと神さまが、すばらしい力をさずけてくださいますよ。

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第15話 よい心がけ


『スピリチュアルストーリーズ』【第15話 よい心がけ】ジョンが天国の保育園へ来たのは9歳の時でしたが、ローズマリーは赤ちゃんの時に来たので、地上の思い出がありません。でも2人はなかよしで、よく地上の生活と天国の生活とをくらべて、そのちがいを話しあうことが→

『スピリチュアルストーリーズ』→あります。今日もそっと保育園をのぞいてみると、2人はなかよく、何かを話しあっています。何の話をしているのでしょう?近づいて聞いてみると、ジョンがこんなことを言っています。

『スピリチュアルストーリーズ』「地上では、ぼくなんか、お正月になるたびに『今年こそは、よいことをしよう』と決心していたけれど、この天国ではそんなことをしなくてもいいよね。だって、みんないい人ばかりだし、苦しいことや悲しいことなんか、1つもないんだもの」

『スピリチュアルストーリーズ』どうやら2人は、よい心がけが必要かどうかを話しあっているようです。ジョンの意見を聞いたローズマリーは、ほんとうに天国では、ジョンが言うように、よいことをしようという決心はいらないのかしらと考えました。

『スピリチュアルストーリーズ』そこで2人は、いつものように、先生に聞いてみることにしました。先生は、いつものようにニコニコしながら、こんな話をされました。「たしかにジョンくんが言うように、この保育園には、苦しいことも悲しいことも、また悪い人も」→

『スピリチュアルストーリーズ』→「こわい動物もいませんね。でも、それは、みなさんが、神さまがつくられたもの、たとえば動物や植物、あるいは地上でいま生活しているお友だちなどと、なかよしになってもらうためなのです。」

『スピリチュアルストーリーズ』「そうして、みんながなかよくなれたら、こんどは神さまは、みなさんがもっともっと強い、りっぱな人間になれるように、いろいろと苦しいことや難しいことをお与えになるのです。そのときには、みなさんはこの保育園を卒業して、」→

『スピリチュアルストーリーズ』→「もっと広い国へ行くことになります。みなさんがりっぱになったかどうかは、年齢で決められるのではありません。どれだけよいことをしたかで決まるのです。ですから、1日1日がたいせつなのです。お正月だけよい決心をしてもだめなのです。」

『スピリチュアルストーリーズ』「自分でよいことだと思ったことがすぐに実行できるようにいつも神さまにお祈りしましょうね。そうすれば、きっと神さまは、すばらしい力をさずけてくださり、みなさんは、その力で、お友だちをしあわせにしてあげられることでしょう」

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第16話 人のためになること


『スピリチュアルストーリーズ』【第16話 人のためになること】今日も保育園では、先生の大事なお話がありました。もちろんジョンとローズマリーも、お友だちといっしょに聞きました。今日のお話は、みんなで楽しい生活を送るにはどうしたらよいかということでした。

『スピリチュアルストーリーズ』先生は、そのためには、いつもやさしい心と、人のためによいことをしてあげようという心がけがたいせつであること、そして、どういう心がけがほんとうに美しいのかを知ることのたいせつさを話されました。

『スピリチュアルストーリーズ』先生のお話を聞いているうちに、ジョンは、何か人のためになることをしてみたいなと思うようになりました。お話のあと、ジョンはそのことをローズマリーに話しました。「わたしもそう思っていたのよ」ローズマリーも、すぐに賛成してくれました。

『スピリチュアルストーリーズ』そこで2人は手をつないで先生のところへ行き、こんなふうに、おねがいをしてみました。「先生、わたしたち2人に、何か親切なことをさせてください」「それはたいへんよいことですね」先生はそう言って、2人を、ある病院へつれていってくれました。

『スピリチュアルストーリーズ』病院といっても、地上の病院とはだいぶちがいます。天国には病気も事故もありません。そのかわり、地上での病気や事故で亡くなった人が、つぎつぎに天国にやってきます。そういう人のほとんどは、天国のことを何も知らないで来るので、→

『スピリチュアルストーリーズ』→とまどってしまいます。天国の病院は、そういう人たちをつれてきて、心をおちつかせたり、天国についてのお話をしてあげるところなのです。さて先生は、ジョンとローズマリーを1人のかわいい坊やのそばにつれてきました。

『スピリチュアルストーリーズ』その坊やは、3歳のときに交通事故にあい、あっという間に天国につれてこられたのです。そして、おとうさんもおかあさんも見あたらず、そのうえ、見るものが何もかもちがっているので、泣いてばかりいるのです。

『スピリチュアルストーリーズ』2人は、坊やが泣いてばかりいる姿を見ているうちに、かわいそうになり、なんとかしてあげなくては、と思いはじめました。そこで2人は、坊やのそばにすわって、いっしょに神さまにお祈りをしました。

『スピリチュアルストーリーズ』2人の心の中は、坊やをしあわせにしてあげたい気持ちでいっぱいでした。すると不思議なことがおこりました。3人のいる部屋が、いつのまにか、地上の坊やの部屋に変わっているのです。よく見ると、ベッドの上に、ぬいぐるみのクマが乗っていました。

『スピリチュアルストーリーズ』それを見て2人はすぐに、この坊やはクマのぬいぐるみをほしがっていたのだとわかりました。親切な心をもった2人のために、神さまが坊やの心の中を見せてくださったのにちがいありません。

『スピリチュアルストーリーズ』2人はすぐさま病院を出て、近くに住んでいる、ぬいぐるみをつくるのがとてもじょうずなおじさんのところへ行き、ぬいぐるみの形を説明して、いっときも早く、それと同じものをつくってくださいとおねがいしました。

『スピリチュアルストーリーズ』おじさんは、よろこんでひきうけてくれ、すぐにそっくりのぬいぐるみをつくってくれました。2人は大急ぎでそれを坊やのところへもっていきました。坊やは大よろこびでした。やっぱり坊やは、クマのぬいぐるみがほしかったのです。

『スピリチュアルストーリーズ』すっかりきげんをなおした坊やは、うれしそうにジョンとローズマリーといっしょに外へ出て、1日じゅうたのしく遊んだのでした。神さまが坊やの心の中をお見せになったのも、おじさんが、よろこんでぬいぐるみをつくってくれたのも、→

『スピリチュアルストーリーズ』→みんな、ジョンとローズマリーが先生のお話のとおりに、親切な心で人のためになることをしようと、いっしんに祈ったからでした。

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第17話 天国のお花づくり


『スピリチュアルストーリーズ』【第17話 天国のお花づくり】ある日、ジョンとローズマリーは、お花畑の近くを歩いておりました。そのお花畑は、地上にいたときから花が大好きだった人が育てているものです。

『スピリチュアルストーリーズ』2人は、咲きほこっているきれいな花を見ながら歩いているうちに、ふと、中でもいちばん背が高く、そしていちばんきれいな花に気がつきました。その美しさといったら、それはそれはすばらしく、ちょうど朝日に輝きながら流れる川のせせらぎのように→

『スピリチュアルストーリーズ』→次から次へと美しさがわき出てくるようでした。2人はすっかりその花に見とれてしまいました。そしてローズマリーは「こんな花が、わたしのお花畑にもあったらなあ」と思いました。

『スピリチュアルストーリーズ』ちょうどローズマリーがそう思ったとき、ジョンのほうでは「こんなきれいな花をローズマリーちゃんにプレゼントできたらなあ」と思っていました。そこでジョンは、さっそくお花畑の持ち主のところへ行って、すなおにおねがいしてみました。

『スピリチュアルストーリーズ』その人は、とても親切な人でした。「ああ、いいですとも、いいですとも」そう言いながら、その花と同じ苗を紙に包んでくれました。ジョンからこの苗をもらったローズマリーは、大よろこびで保育園へ持って帰り、すぐに自分のお花畑に植えました。

『スピリチュアルストーリーズ』ジョンも手伝いました。何日かたち、その苗は芽を出してすくすくと大きくなっていきました。2人は、おじさんのお花畑で見たあのきれいな花を心にうかべながら、早く大きくなれ、もっと大きくなれ、と心の中で思うのでした。

『スピリチュアルストーリーズ』ところが、どうしたことでしょう。その苗は、ふつうの花と同じくらいの高さまで成長すると、それ以上は大きくならないのです。そのうえ、花も咲きません。ジョンとローズマリーは、だんだんおもしろくなくなってきました。

『スピリチュアルストーリーズ』どんなに手入れをしてあげても、だめなのです。そこで2人は、いつものように先生のところへ行って、そのわけを教えてもらうことにしました。教わってみると、そのわけは、ほんとうにかんたんなことでした。先生はこんなお話をされたのです。

『スピリチュアルストーリーズ』「この天国でする仕事は、それが、ものをつくることでも、音楽を作曲することでも、あるいはそのおじさんのようにお花を育てることであっても、ほんとうにこの仕事が好きだという気持ちが心の奥からわいてくるようでなければ、」→

『スピリチュアルストーリーズ』→「けっしてうまくいかないのです。そして、できあがったものは、自分の心でつくったものですから、それはその人の性格の一部と同じものになるのです。2人がお花畑で見た美しい花は、それを育てている人の美しい心によって育てられたものであり」→

『スピリチュアルストーリーズ』→「その人の心の一部がその美しい花となってあらわれたことになるのです。その美しさには、その人が神さまに感謝している気持ちが、そのままあらわれているのですよ」2人は「なるほど」と思いました。先生のお話がよくわかりました。

『スピリチュアルストーリーズ』2人はさっそく保育園を出てそのお花畑へ行き、今までのことを、その持ち主のおじさんに話しました。するとおじさんは、苗が大きくならないということを聞いて、たいへんかわいそうに思い、こう約束してくれました。

『スピリチュアルストーリーズ』「では、これからはわたしも、お2人の心と1つになって、あの苗を大きくしてあげましょう」不思議なことに、そう約束してくれてからは、苗はみるみる大きくなり、やがてつぼみが出て、きれいな花を咲かせました。2人はうれしくてたまりませんでした。

『スピリチュアルストーリーズ』ところが、そのうちまた不思議なことに気がつきました。それは、その花だけが、ほかの花から仲間はずれにされているように見えてきたことです。その花をじっと見つめていると、なんとなく「ここでは、おちつきません」と言っているみたいな→

『スピリチュアルストーリーズ』→感じをうけるのです。2人には、そのわけがすぐにわかりました。その花は、もともと、あのお花畑のおじさんがつくったものです。だから、やっぱり最初に育ててくれた人のお花畑に帰りたがっているのです。

『スピリチュアルストーリーズ』2人は、きっとそうにちがいないと思いました。こうして2人は、とてもたいせつなことを学ぶことができました。みなさんにもわかりますね?そうです。わたしたちは、ほかの人が心をこめてつくりあげたものを、→

『スピリチュアルストーリーズ』→自分のものにすることはできないということです。それはもう、その人の心の一部となっているからです。

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第18話 ほんとうのお正月


『スピリチュアルストーリーズ』【第18話 ほんとうのお正月】みなさんは、新しい年のはじめは好きですか?身も心もあらたまって、よし今年もがんばるぞ、という気持ちになりますよね。でも、ほんとうの新年というのは、1月ではなく、春さきの3月ごろではないのでしょうか?

『スピリチュアルストーリーズ』なぜかと言うと、そのころになると、冬のあいだずっと眠っていた草や木が新しい芽を出しはじめ、動物たちも光を求めて元気に活動しはじめるからです。野山も、ほんとうに生きかえったように見えます。

『スピリチュアルストーリーズ』みなさんは、さきほどの「ミツバチとチョウ」のお話をおぼえていますか?はじめ地上の枯れ葉ばかりを食べていたイモムシが、神さまの言いつけを守ってよく働いたので、ごほうびとして、木の枝にのぼって好きな葉を食べることを許されたお話でしたね。

『スピリチュアルストーリーズ』しかし、じつは、そのイモムシも、自分の仕事がおもしろくなくなり、いやになることが、たびたびあったのです。「どうしてぼくは、こんなにノロノロとした生活ばかりしているんだろう…」イモムシはそう思って、→

『スピリチュアルストーリーズ』→たのしくない気持ちになることが、たびたびありました。そんなある日のこと、きれいなチョウがやってきて、こんなことを言いました。「そんなわがままを言っては、神さまにしかられますよ」

『スピリチュアルストーリーズ』それからチョウは、イモムシの生活にも、感謝することがたくさんあるということを話して聞かせました。「あのね、イモムシさん、今のあなたの生活は、ほんとうにたいくつそうだけど、今にすばらしい日が来るわよ。」

『スピリチュアルストーリーズ』「もう少しすると、イモムシさんはだんだん眠くなってきて、そのうちぐっすり寝てしまうの。そして、こんど目がさめたときは、ほら、わたしのように、こんなきれいな羽をもらって、花から花へ花粉をはこぶ仕事をすることになるのよ。」

『スピリチュアルストーリーズ』「とってもすてきなお仕事よ」チョウはどうやら、イモムシにとっての新年のお話をしてあげたみたいですね。この話を聞いてイモムシは、やっとうれしそうな顔をして、また自分のいつもの仕事に取りかかりました。

『スピリチュアルストーリーズ』私たち人間にも、同じような、ほんとうの新年があるのです。みなさんはまだ子どもですが、やがて大人になり、やがておじいさんやおばあさんになって、このイモムシと同じように、ぐっすり眠るときが来るのです。

『スピリチュアルストーリーズ』やがて目をさますと、そのときはもう、地上よりもずっと美しい、そして、地上とはくらべものにならないほど自由な、天国に生まれているのです。そして、そこでまた、新しい仕事や勉強をはじめるのです。

『スピリチュアルストーリーズ』こういうことを知ると、今の地上での生活も、とてもたいせつなものであることがわかりますね。毎日の生活の中で自分をみがいておき、やがて〈新年〉が明けて天国へ目ざめたとき、→

『スピリチュアルストーリーズ』→しぜんに新しい生活になじめるように、今から準備しておかないといけないのです。

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第19話 自分たちの力で


『スピリチュアルストーリーズ』【第19話 自分たちの力で】ジョンとローズマリーも、そろそろ自分ひとりの力で物をつくることを学ぶ時期がきました。2人は先生につれられて、花びんやお皿をつくっている陶芸家のおじさんの家に行きました。

『スピリチュアルストーリーズ』家の中にはそれまでにお友だちがつくった花びんやお皿などが、たくさんならべてありました。どれを見ても、少しもかざりたてていないのに、じっと見ていると、1つひとつがほんとうに美しく見えてくるのでした。

『スピリチュアルストーリーズ』陶芸家のおじさんは、まずはじめに、どうすればねんどが自分の思うような形になるか、ということについて、すこしだけ説明をして、「あとは自分でやってごらんなさい」と言って2人を残して部屋を出ていきました。

『スピリチュアルストーリーズ』それからしばらくしておじさんが部屋へもどってみると、ジョンもローズマリーも、まだ何もつくれていませんでした。少しつくりかけては、すぐにこわしているのです。不思議に思ったおじさんは、少しはなれたところから、2人のつくるようすを→

『スピリチュアルストーリーズ』→見つめていました。2人がなぜうまくいかないか、おじさんにはすぐにわかりました。それは、最初から、まわりにあるりっぱな作品と同じものをつくろうとしているからでした。そこでこう言いました。

『スピリチュアルストーリーズ』「さあ、今日はこれでやめにしましょう。ねんどをあげますから、保育園に持って帰って、はじめからつくりなおしてごらんなさい」2人はよろこんで保育園に帰り、またはじめからつくりはじめました。

『スピリチュアルストーリーズ』そして2人が自分の作品をかかえて得意そうにおじさんの家を訪れたのは、それからまもなくのことでした。おじさんが見てみると、こんどはなかなかじょうずにできています。なぜでしょうか?

『スピリチュアルストーリーズ』それは、さっきは、自分よりじょうずな人がつくったものを、いきなりまねしようとしていましたが、こんどはまねしないで、自分ひとりで、いっしょうけんめいつくったからです。また、こんどは2人ともおたがいにまったくちがったものを→

『スピリチュアルストーリーズ』→つくっていました。それがほんとうなのです。なぜかと言うと、ジョンもローズマリーも、それぞれ自分の考えで作品をつくったからです。陶芸家のおじさんは、それを見て、とてもよろこびました。

『スピリチュアルストーリーズ』「これで、ジョンくんもローズマリーちゃんも、自分ひとりで生きていくということを学んでくれた」おじさんは、そう思って、安心したのです。このお話が教えていることは、天国だけのことではありません。

『スピリチュアルストーリーズ』地上にいるわたしたちの生活においても、たいせつなことなのです。お友だちの作品からよいところを学ぶことはたいせつですが、ぜんぶをまねてしまってはいけません。自分の力で自分のものをつくるように心がけましょう。

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第20話 スズメはなぜ、どこにでもいるの?


『スピリチュアルストーリーズ』【第20話 スズメはなぜ、どこにでもいるの?】わたしたち人間が住んでいるところには、かならずスズメがいますね。ですが、正直に言って、スズメはあまり美しい鳥というわけではありません。そしてその昔、スズメたちも、自分たちの羽根が→

『スピリチュアルストーリーズ』→あまりきれいでないことを、とても気にしたことがあったのです。あるとき、大勢のスズメが1本の木の枝に集まって、みんなで相談をしたことがありました。相談というのは、ほかでもありません。どうすればもっと美しくなれるのか、ということでした。

『スピリチュアルストーリーズ』スズメたちは、しんけんに考えました。めいめいのスズメから、いろんな案が出されました。ですが、最後にみんなが決めたことは、じつはこんなことでした。「わたしたちスズメが、ほかの小鳥にくらべてあまり美しくないことは、よく知っている。」→

『スピリチュアルストーリーズ』→「しかし、だからといって少しも気にすることはない。美しい羽根を持っていなくても、美しい心でりっぱな仕事をすればよいではないか。そこで、わたしたちスズメは、これからはもっと人間に親しく近づき、明るくさえずって、」→

『スピリチュアルストーリーズ』→「人間がわたしたちのおかげで楽しい気分になれるようにつとめようではないか。そうすれば人間も、わたしたちの羽根があまり魅力的でないことを気にしなくなるはずだ」こうしてスズメたちが相談しあっているようすをごらんになっていた神さまは、→

『スピリチュアルストーリーズ』→スズメたちのそのりっぱな心がけを、たいへんよろこばれました。そこで、そのごほうびとして、スズメだけは、世界中のどこにでも、寒いところでも暑いところでも住めるように、そして人間を楽しませ、家の中へでも入っていけるような→

『スピリチュアルストーリーズ』→親しみやすい鳥にしてあげたのです。このお話は、何を教えているのでしょう?そうです。神さまは、顔がきれいだとかスタイルがいいだとかいうことよりも、美しいい心をいちばんよろこばれるということです。

『スピリチュアルストーリーズ』みなさんも、このスズメたちのように、いつも明るい心で人と接するように心がけましょう。そうすれば、きっとみなさんも、人から明るく歓迎されることでしょう。

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第21話 クリスマスのおくりもの


『スピリチュアルストーリーズ』【第21話 クリスマスのおくりもの】クリスマスは天国の保育園でもたいへん楽しい日です。なかよしのお友だちが、おたがいに心をこめたプレゼントを交換して、みんなでお祝いをするのです。もちろんそのプレゼントは、→

『スピリチュアルストーリーズ』→お金で買ってくるのではありません。ぜんぶ自分たちでつくるのです。あたたかい、やさしい心をこめて、いっしょうけんめいにつくるのです。ですから、どの品物にも、その人の性格があらわれており、だからこそ、たいせつなおくりものになるのです。

『スピリチュアルストーリーズ』さて、ジョンとローズマリーは、こんどのクリスマスには先生におくりものをして、びっくりさせてあげようと考えました。そして、2人で相談して、花びらや石ころを使って、いま2人が住んでいる家の絵をかくことに決めました。

『スピリチュアルストーリーズ』そう決めると、2人はさっそく材料を集めに行きました。砂や石ころ、葉っぱ、それに、いろんな種類の花がすぐに集まりました。2人はついこのあいだ、ねんどで作品をつくることをならったばかりなので、物をつくることは、とてもじょうずに→

『スピリチュアルストーリーズ』→できるのです。まもなく、2人がいま住んでいる小さな家とそのまわりの庭にそっくりな絵が、できあがりました。さて、いよいよ待ちに待った楽しいクリスマスの日になりました。2人は、その絵を持って先生のところへ行きました。

『スピリチュアルストーリーズ』そのとき先生は、近くの土手に出て、すがすがしい空気をすっていました。2人が得意そうに絵をさしだすと、先生の顔がよろこびでいっぱいになりました。ひと目見ただけで、2人のまごころがわかったのです。先生は心からのお礼を言いました。

『スピリチュアルストーリーズ』そして、「では、こんどは先生からのおくりものよ」と言って、2人に新しい服をくれました。ところが、2人ともあまりうれしそうではありません。2人は、もっとちがうものがほしかったのです。先生はすぐに、2人の心に気がつきました。

『スピリチュアルストーリーズ』「では、もう1つ、これをプレゼントしましょう」そう言って、土手に咲いていた花をつんで、ローズマリーにわたしました。しかし、それでもまだ、ローズマリーは満足そうな顔をしません。「先生が花をプレゼントしたのは、世界中で花こそが、」→

『スピリチュアルストーリーズ』→「美しさと完全さをいちばんよくあらわしているものだからよ。こんなにすてきなおくりものはないと思うんだけど…」この言葉を聞いて、ジョンも花がほしくなりました。「先生、ぼくにも1本ください」ジョンがそうおねがいすると、先生は→

『スピリチュアルストーリーズ』→こう言いました。「いいえ、その花は2人にあげたのですよ。神さまからのおくりものですから、2人でなかよく分けあわなくてはいけないのです。花だけでなく、神さまがつくられたものは、何でもみんなで分けあわなくてはいけません。」

『スピリチュアルストーリーズ』「『これは自分だけのものだ』と言って、1人じめにするのはいけないのです。神さまはいつでも、みなさんぜんぶのしあわせを祈っておられるのですからね」

『スピリチュアルストーリーズ』このお話を聞いて、2人の不満はいっぺんに消えてしまいました。そして、2人の心は、先生の教えで、あたたかく大きくふくらんでいくのでした。

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第22話 夢の中のお友だち


『スピリチュアルストーリーズ』【第22話 夢の中のお友だち】これまでのお話の主人公、ジョンとローズマリーは天国の子どもですね。しかし、次に出てくるパメラという女の子は、まだ地上にいる子どもです。そのパメラが、天国のジョンとローズマリーの2人と夢の中で遊ぶ→

『スピリチュアルストーリーズ』→という、不思議なお話です。ある日のこと、パメラにとって、かわいそうなことがおこりました。パメラが家族と住んでいる地方が、暑すぎて体によくないというので、パメラだけが、遠いところにある親戚のおばさんの家にあずけられることに→

『スピリチュアルストーリーズ』→なったのです。おばさんはとても親切で、子どもの世話がたいへん好きな人でしたが、パメラが悪いことをして近所の人から悪口を言われては困ると思ったので、ああしてはいけません、こうしてはいけませんと、やかましく言いつけました。

『スピリチュアルストーリーズ』それでパメラは、したいことができなくなってしまいました。それだけではありません。パメラはまだ小さくて学校へは行けず、それに、遠くから来たばかりなので、近所には遊び友だちが1人もいないのです。

『スピリチュアルストーリーズ』かわいそうに、パメラはいつも1人ぼっちで、さみしそうにしているのでした。そのパメラに、とうとうしあわせな日がやってきました。ある日、天国の保育園の先生が、このかわいそうなパメラを見つけたのです。

『スピリチュアルストーリーズ』先生は、天国の子どもだけを世話しているのではありません。かわいそうな子や困っている子は、それが地上の子どもであっても、同じように世話をしてあげるのです。パメラが1人ぼっちでさみしそうにしていることを知った先生は、→

『スピリチュアルストーリーズ』→ジョンとローズマリーを呼んで、パメラの遊び相手になってあげるようにおねがいしました。もちろん2人は、よろこんでひきうけました。そして、地上に夜が来てパメラが体からぬけ出したころ、2人は先生の案内でパメラの部屋へ行き、→


『スピリチュアルストーリーズ』→彼女の夢の中で3人なかよく遊ぶのでした。こんな夜が幾日かつづくうちに、パメラはすっかり元気になり、もとの明るいよい子になりました。そして、ほっぺがリンゴのように赤く、目もとのぱっちりした、かわいらしい女の子になったということです。

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第23話 わがままなエリザベス


『スピリチュアルストーリーズ』【第23話 わがままなエリザベス】天国の保育園に、エリザベスという10歳の女の子が入ってきました。エリザベスは地上にいたころ、たいへんなお金持ちの家で育ち、ほしいものはなんでも買ってもらうことができましたので、すこしわがままな→

『スピリチュアルストーリーズ』→ところがあります。保育園に来てからも、地上にいたときと同じように、ぜんぶのお友だちが自分をいちばん大事にしてくれて、なんでも思うとおりにしてくれると思っていました。保育園のお友だちも、エリザベスがそういう子である事を知っていました。

『スピリチュアルストーリーズ』もちろん先生も知っていました。でも、わがままは、少しずつなおしていかなければなりません。いっぺんになおそうとすると、ますます悪くなってしまうことがあるからです。そこで先生は、みんなにこう言いました。

『スピリチュアルストーリーズ』「しばらくのあいだは、なんでもエリザベスちゃんの言うとおりにしてあげましょうね」さて、ある日のことです。ジョンとローズマリーは、自分たちのお花畑にエリザベスをつれていってあげました。

『スピリチュアルストーリーズ』そのお花畑は、2人がお花づくりの専門家に教わりながら、いっっしょうけんめいに育ててきたものです。ジョンとローズマリーは得意になって、エリザベスにいろいろと自慢をして聞かせました。するとエリザベスはすぐに「このお花畑がほしい」→

『スピリチュアルストーリーズ』→と言いだしました。これにはジョンもローズマリーも、びっくりしました。そして、困ってしまいました。天国の子どもは、けっして他人のものを自分のものにしようとしないからです。2人はすぐに「だめだよ!」と言いかけましたが、→

『スピリチュアルストーリーズ』→そう言ってしまうと、なんだか自分たちのほうが欲ばりのような気がするので、だまって、しばらく考えこんでしまいました。しかし、なかなかよい考えがうかびません。そこで2人は、いつものように、先生にどうしたらいいかを聞きに行きました。

『スピリチュアルストーリーズ』すると先生は、こう言いました。「では、お花畑の半分を、エリザベスちゃんにあげることにしてはどうかしら?」そこで、言われたとおり2人は、お花畑の半分をエリザベスにわけてあげました。しかし、もともとエリザベスは、→

『スピリチュアルストーリーズ』→自分でお花を育てるつもりで欲しがったのではありません。そのことは、エリザベスにわけてあげた畑の花が、みるみるうちにしおれていくことで、よくわかりました。天国の花は、心からたいせつにしてあげようとするやさしい心がなければ、→

『スピリチュアルストーリーズ』→1日も生きていけないのです。でも、エリザベスには、そのやさしい心が少しもなかったのです。ただ花を見て、きれいだなと思うだけなのです。それで、エリザベスの畑の花が、だんだんしおれていったのです。

『スピリチュアルストーリーズ』お花がすっかり枯れてしまったとき、はじめてエリザベスは、なぜ自分の畑の花だけが枯れて、ジョンとローズマリーの畑の花がいつも生き生きとしているのかを考えはじめました。そして、そのことをローズマリーに聞いてみました。

『スピリチュアルストーリーズ』ローズマリーは、天国のお花は、育てる人のやさしい心によって大きく美しくなっていくのだということを、親切に教えてあげました。ローズマリーの話を聞いて、エリザベスは、すっかりものわかりのよい子どもになりました。

『スピリチュアルストーリーズ』そして、わけてもらったお花畑をすぐに2人にかえして、こんどは自分で自分のお花畑をつくろうと考えはじめました。それからというものは、エリザベスはいっしょうけんめいお花を育てました。

『スピリチュアルストーリーズ』そのやさしい心で、エリザベスのお花畑にも、きれいな花がいっぱい咲くようになりました。こうしてエリザベスは、もらうことよりも、あげることのほうがたいせつであるということを知ったのでした。

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第24話 ほがらか者のウサギ


『スピリチュアルストーリーズ』【第24話 ほがらか者のウサギ】みなさんは、動物には2つの種類があることを知っていますか?1つは、ほかの動物を食べて生きている、こわい動物。もう1つは、みんなでなかよく生きている、やさしい動物です。

『スピリチュアルストーリーズ』そして、なかよく生きている動物の中でもいちばんやさしいのは、ウサギとシカなのです。みなさんの中で、ウサギやシカがきらいだという人はいないでしょう?どちらも、みなさんと同じように、いつも明るく、ほがらかな元気者で、→

『スピリチュアルストーリーズ』→けっしてケンカなどはせず、みんなとなかよく遊ぶので、だれからもかわいがられます。そのウサギには、こんなお話があるのです。大昔のウサギは、とても長いしっぽをつけていました。

『スピリチュアルストーリーズ』あまりに長すぎて、眠るための穴をつくろうとして土の中を掘りはじめると、その長いしっぽに土がいっぱいくっついて、じゃまになるほどでした。でもウサギは、けっしてわがままを言わず、いつもほがらかに暮らしておりました。

『スピリチュアルストーリーズ』ある日、神さまは、ウサギたちのほがらかさに感心されて、ごほうびにその長いしっぽをみじかくしてあげようと考えられました。それで、ウサギのしっぽは、すこしずつ短くなっていき、とうとう今のような、かわいい小さなしっぽになったのです。

『スピリチュアルストーリーズ』でも、野山に住んでいる野ウサギは、今でも長いしっぽをしていますね。あれは、仲間どうしで合図するのに必要だから長いままなのです。

『スピリチュアルストーリーズ』みなさんも、もし、いやなことがおきたら、すぐにこのほがらか者のウサギのことを思い出しましょう。きっと、いやなことも小さく思えるようになり、また、もとのほがらかな心にもどることができるでしょう。

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第25話 野道の足あと


『スピリチュアルストーリーズ』【第25話 野道の足あと】ジョンとローズマリーのいる保育園で、ある日、数人のお友だちが考えを出しあって、1枚の大きな絵をかき、それを遠いところにあるもう1つの保育園のお友だちにプレゼントしようということになりました。

『スピリチュアルストーリーズ』そして、その絵を持っていく人に、ジョンとローズマリーの2人がえらばれました。2人が、特によい考えを出したからです。しかし2人は、これまで1度も2人だけで遠くへ出かけたことがありません。遠くへ行くときはいつも、→

『スピリチュアルストーリーズ』→先生がついていってくれたからです。ですが、こんどは、どうしても2人きりで行かなくてはなりません。2人は迷子にならないかしらと心配でした。すると先生が言いました。「だいじょうぶですよ。いま先生が、道順を教えてあげますから」

『スピリチュアルストーリーズ』ところが2人は、こんどは帰り道のことが心配になってきました。そのことを先生に言うと、先生は、こう言って2人をはげましました。「心配することがいちばんいけません。勇気を出して、かならず帰れると信じて行くのです。」

『スピリチュアルストーリーズ』「そうすれば、けっして迷うことはありません」2人は「はい!」と元気よく返事をして、まもなく保育園を出発しました。さて、2人は、先生から教わった道をたどりながら、はるばる野をこえ山をこえて、とうとう目的地の保育園に着きました。

『スピリチュアルストーリーズ』すると、そこのお友だちがみんな出てきて、2人を歓迎してくれました。そこで、2人がさっそく持ってきた絵を見せると、みんな口ぐちに、「すごいなあ!」「きれいだなあ!」「ありがとう!」と言って、よろこんでくれました。

『スピリチュアルストーリーズ』用事がすむと、2人はすぐに「さよなら」を言って、帰りをいそぎました。帰るときの2人は、来るときとちがって、道のことが心配でなりませんでした。少し行くと、道が2つに分かれているところに来ました。

『スピリチュアルストーリーズ』さあ、2人は「来るときは、どっちの道を通ったかしら?」と顔を見あわせました。しばらくじっと立ったままです。2人は、どんどん心配になってきました…。そのときです。2人の頭に「勇気を出して、かならず帰れると信じて行くのです」という→

『スピリチュアルストーリーズ』→先生の言葉がうかびました。「そうだ、勇気を出すんだ!」2人はそう言って顔を合わせ、手をつないで歩きはじめました。すると、不思議なことがおこりました。片方の道に、白い花がいっぱい咲いているのが見えはじめたのです。

『スピリチュアルストーリーズ』よく見ると、2人が歩いた足あとに1本ずつ、かわいい野菊が咲いているのです。「やっぱり、この道を行けばいいんだ!」2人はそう言って、ますます元気を出して歩きました。

『スピリチュアルストーリーズ』そして、まもなく元気に保育園に帰ることができました。こうして2人は、〈勇気〉と〈信じること〉のたいせつさを学んだのでした。

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第26話 みんな神さまの子


『スピリチュアルストーリーズ』【第26話 みんな神さまの子】ある日、ジョンとローズマリーは、先生といっしょに野道を散歩しておりました。すると、道ばたの木の下に、1人の黒人の男の子がしょんぼりとすわっているのを見つけました。先生がすぐに2人に言いました。

『スピリチュアルストーリーズ』「まあ、1人でさびしそうね。わたしたちの保育園へつれていってあげて、いっしょに遊んであげましょう」これを聞いてローズマリーは、とてもよろこびました。ところがジョンは、ちょっといやな顔をして、少し後ずさりをしました。

『スピリチュアルストーリーズ』ジョンは、肌の色がちがうこの黒人の男の子を見て、「この子は、ぼくたちとは、ちがうから…」と思ったのです。先生は、すぐにこのことに気がついて、このように言って聞かせました。「ジョンくん、この男の子も、ジョンくんと同じ、」→

『スピリチュアルストーリーズ』→「人間の子どもではないかしら?顔も体も同じだし、笑った顔もジョンくんと同じように、とてもかわいらしいではありませんか。ねえ、ジョンくん、神さまは、肌が白い人と黒い人とを差別なさるかしら?」先生は、やさしくジョンにそう言いました。


『スピリチュアルストーリーズ』自分のまちがいに気がついたジョンは、ニッコリ笑って黒人の子に近づき、ローズマリーといっしょにその子の手を取ってあげ、3人で手をつないで保育園へむかって歩きはじめました。そのうしろから、先生がうれしそうな顔でついてゆきます。

『スピリチュアルストーリーズ』そうやって手をつないで歩いていくうちに、ジョンに不思議なことがおきました。あたりの木や花や小鳥たちがぜんぶ、今までよりもずっと美しく見えはじめたのです。歩きながらジョンは、それまでの考えがまちがっていたことを反省しました。

『スピリチュアルストーリーズ』では、なぜジョンの目には、まわりの景色が美しく見えはじめたのでしょうか?それは、それまでのまちがった考え方がなくなって、新しくそこに、やさしい心が入ってきたからなのです。

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第27話 ほんとうのしあわせ


『スピリチュアルストーリーズ』【第27話 ほんとうのしあわせ】みなさんは、しあわせにも、いろいろあることを知っていますか?たとえば、自分のしたいことがなんでもできるというのも、しあわせですし、好きな人といっしょにいるとき、プレゼントをもらったとき、→

『スピリチュアルストーリーズ』→そんなときも、うれしくて、とてもしあわせに思うことでしょう。ですがあ、こういうしあわせは、日がたつにつれて少しずつうすれていき、そのうちすっかり忘れてしまい、あとで思い出すと、なぜあんなにうれしかったのだろうと思うことが→

『スピリチュアルストーリーズ』→あるものです。つまり、そういうしあわせは、ほんとうのしあわせとは言えないのです。では、どんなしあわせが、ほんとうのしあわせと言えるのでしょうか?それを知りたい人は、まず、自分からすすんでお友だちをしあわせにしてあげてみましょう。

『スピリチュアルストーリーズ』1人ぼっちで友だちのいない人。病気で寝たきりの人。そういう人がいたら、すぐに行って、いっしょにお話をしたり、遊んであげたりして、よろこばせてあげましょう。すると、みなさんの心の中に「ほんとうによいことをしてあげた」という→

『スピリチュアルストーリーズ』→気持ちがわいてきて、うれしくてたまらなくなります。そのうれしさは、ずっとあとになって思い出しても、やはりうれしいのです。これがほんとうのしあわせなのです。〈人に愛をあげたら、自分も愛をもらう〉これが、神さまがお決めになった、→

『スピリチュアルストーリーズ』→たいせつなルールなのです。ということは、みなさんの1人ひとりが、いつもほかの人のしあわせを考えて、よいことをするように心がければ、戦争も、ケンカも、悲しいこともなくなって、この地上がもっともっと、住みよい世界になるはずです。

『スピリチュアルストーリーズ』体が小さくてもかまいません。子どもでもかまいません。かわいそうな人や困っている人がいたら、すぐに行って、自分にできることで、その人たちをよろこばせてあげましょう。さあ、みなさんも、今日からはじめてみませんか?

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訳者あとがき

近藤千雄(こんどう かずお)

『スピリチュアルストーリーズ』【訳者あとがき】近藤千雄 私が、この童話の原書“Spirit Stories for Children”を手に入れたのは、翻訳家になることをこころざして間もない、1960年ごろのことでした。

『スピリチュアルストーリーズ』当時は、イギリス人のハリー・エドワーズという心霊治療家がイエス・キリストよりも多くの難病患者を奇跡的に治して、世界中の話題となっておりました。そのエドワーズ氏の助手を、夫のジョージとともに務めていたのが、→

『スピリチュアルストーリーズ』→本書の著者オリーブ・バートンです。彼女自身も多彩な霊能力を持っており「スピリチュアル・ヒーラー」という月刊誌に、よく記事が出ておりました。この童話には、死後の世界や霊界の話がよく出てきます。それらは事実を述べたものであって、作り話ではありません。

『スピリチュアルストーリーズ』21世紀になって急にスピリチュアルな世界に関心が寄せられるようになり、書店の精神世界のコーナーには、たくさんの本が置かれるようになりました。ですが、霊の存在を当たり前の事実として扱っている童話は、おそらく本書が初めてではないかと思います。

『スピリチュアルストーリーズ』そのため、訳してから出版にこぎつけるまでに、半世紀もの時間がかかってしまいました。原書には、リーン・クロークさんという方が描いたイラストが挿絵として使われておりましたが、このたび日本語版を出版するにあたり、イラストについても新たに描き起こすことに→

『スピリチュアルストーリーズ』→なりました。そして、その仕事を引き受けてくださったのが、スピリチュアルな世界についての理解をお持ちの葉祥明先生です。この件については、英国の出版社も、こころよく理解を表明してくださいました。

『スピリチュアルストーリーズ』最後に、翻訳の許可をお願いした際にいただいた、当時の編集長テリー・ニューマン氏からの手紙を訳しておきます。 拝復 小社刊の“Spirit Stories for Children”をお訳しになりたいとのこと、→

『スピリチュアルストーリーズ』→小社は謹んであなたに全ての権利をお譲りいたします。あなたの訳書が、英国と同じように、日本でも成功を収めることを心から祈っております。敬具 編集長(当時)テリー・ニューマン

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