—–四章2
『ベールの彼方の生活①』
【死産児との再会 一九一三年十月十八日 土曜日】カストレル様のご案内で建物の中に入ってみますと、その優雅さはまた格別でした。入口のところは円形になっていてそこからすぐに例のドームを見上げるようになっています。
『ベールの彼方の生活①』
そこはまだ建物の中ではなくポーチの少し奥まったところになります。大広間の敷石からは色とりどりの光輝が発し、絹に似た掛物などは深紅色に輝いておりました。前方と両側に一つずつ出入口があります。見上げると鳩が飛び回っております。
『ベールの彼方の生活①』
ドームのどこかに出入口があるのでしょう。そのドームは半透明の石で出来ており、それを通して柔らかい光が射し込みます。それらを珍しげに眺めてからふと辺りを見回すと、いつの間にかカストレル様が居なくなっております。
『ベールの彼方の生活①』
やがて右側の出入口から楽しそうな談笑の声が聞こえて来ました。何事だろうとその方向へ目をやると、その出入口から子供を混じえた女性ばかりの一団がぞろぞろと入ってきました。総勢二十人もおりましたでしょうか。
『ベールの彼方の生活①』
やがて私たちのところまで来ると、めいめいに手を差し出してにこやかに握手を求め頬に接吻までして歓迎してくれました。挨拶を済ませると中の一人だけが残って後の方はそのまま引き返して行きました。
『ベールの彼方の生活①』
大勢で来られたのは私たちに和やかな雰囲気を与えようという心遣いからではなかったろうかと思います。さて後に残られた婦人が、こちらへお出でになりませんかと言って私たちを壁の奥まったところへ案内しました。
『ベールの彼方の生活①』
五人が腰掛けると、婦人は一人一人の名前を言い当て、ていねいに挨拶し、やがてこんな風に話されました。
「シルバーバーチの霊訓」「ベールの彼方の生活」「世界心霊宝典1 霊訓」個人的意見ではありますがこの三冊は地上人類が読むべき必須の書、とあえて断言させて頂きます。もちろん他にも霊関連書籍は多数あります(ブログ“「霊」関連書籍の総括”参照)霊的知識に無知のままではいけないのです(祈)
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『ベールの彼方の生活①』
さぞかし皆さんは一体何のためにここへ遣わされたのかとお思いの事でしょう。またここがどんな土地で何という都市なのかといった事もお知りになりたいでしょう。この建物はカストレル宮殿と申します。その事は多分カストレル様から直々にお聞きになられた事でしょう。
『ベールの彼方の生活①』
カストレル様はこの地方一帯の統治者にあらせられ仕事も研究もみなカストレル様のお指図に従って行われます。話によりますと皆様は既に“音楽の街”も“科学の街”もご覧になったそうですが、そこでの日々の成果もちゃんと私どもの手元へ届くようになっているのです。
『ベールの彼方の生活①』
届けられた情報はカストレル様と配下のお方が一々検討され然るべく処理されます。この地方全体の調和という点から検討され処理されるのです。単に調和と申しますよりは協調的進化と言った方が良いかも知れません。
『ベールの彼方の生活①』
例えば音楽の街には音楽学校があり、そこでは音楽的創造力の養成に努めているのですが、そういった養成所があらゆる部門に設置されており、その成果がひっきりなしに私たちの手元に届けられます。届きますとすぐさま検討と分析を経て記録されます。
『ベールの彼方の生活①』
必要のある場合はこの都市の付属実験所で綿密なテストを行います。実験所は沢山あります。ここへお出でになるまでに幾つかご覧になられたはずです。かなりの範囲にわたって設置されております。しかし実はその実験所の道具や装置は必ずしも完全なものとは申せませんので―
『ベールの彼方の生活①』
―どこかの界で新しい装置が発明されたり改良されたりすると、すぐに使いを出してその製造方法を学んで来させ、新しいのを製造したり古いものに改良を加えたりします。
『ベールの彼方の生活①』
そんな次第ですから、その管理に当る方は叡智に長けた方でなければなりませんし、また次から次へと送られてくる仕事を素早くかつ忍耐強く処理していく能力が無くてはなりません。実はあなた方をここにお呼びしたのはその仕事ぶりをお見せするためなのです。
皆さん、僕たちは肉体ではありません。肉体は衣服であり僕たちの本体は霊です。死とは重い服(肉体)を脱いで軽い服(幽体・霊体)を着る事です。永続性のない、灰燼に帰す運命の肉体に向けている関心を霊的事象に向ければどれだけ有意義でしょう。大切な事にぜひぜひ目を向けて頂きたいのです(祈)
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