『イエスの少年時代』【絶好の訳者を得て 近藤千雄】ジェラルディン・カミンズといえば日本ではマイヤースの通信『永遠の大道』と『個人的存在の彼方』で知られている。この2編がスピリチュアリズム思想に飛躍的な発展をもたらした重大な霊界通信である事に異論を唱える者はいないが、→
『イエスの少年時代』→カミンズの評価が日本ではとかくこの2編のみで行われる事に私は密かに不満を覚えていた。と言うのは、カミンズの自動書記通信にはその2編の他にキリスト教の根幹に関わる重大な通信が幾編か存在するからである。
『イエスの少年時代』イエスの少年時代を扱ったThe Childhood of Jesus、同じくイエスの青年時代を扱ったThe Manhood of Jesus、バイブルの「使徒行伝」と「ロマ書」の欠落部分を埋めるといわれる年代記Scripts of Cleophas、→
『イエスの少年時代』→同じく「使徒行伝」のパウロのその後の足跡を綴ったとされるI Appeal Unto Caesar、そして同じくパウロの晩年、暴君ネロの時代を描いたWhen Nero was Dictatorである。
『イエスの少年時代』私がこれらを重大な資料と見なす理由は、その通信内容をスピリチュアリズムに全く関心のない、否、むしろ内心は否定したく思っていたはずの第1級の聖書研究家や神学博士が徹底的に吟味して、これに“正真正銘”の折紙をつけている事である。
『イエスの少年時代』さて私もこれまで英国の霊界通信をいくつか翻訳してきた。当然の事ながらそれらはキリスト教的色彩が濃い。幸い私はキリスト教系の大学の英文科に学び、キリスト教について“常識的”な知識は具えていたので何とか訳す事ができたが深い専門知識を必要とする通信は、→
『イエスの少年時代』→正直言って全く歯が立たなかった。そして原書は空しく書棚の片隅で眠り続けていた。そんな時、昭和60年11月半ばの事であったが、私の訳書の1読者から1通の封書が届いた。20数年に亘ってキリスト教聖公会で司牧された経歴を述べ、さらに今スピリチュアリズム思想に→
『イエスの少年時代』→出会ってキリスト教に対する観点が大きく変わりつつある旨を述べ、その上で今後の自分の進むべき道について私の助言を求めてこられたのだった。それが本書の訳者、山本貞彰氏である。その後山本氏と文通を何度か交わしているうちに私は、この人こそカミンズのキリスト教→
『イエスの少年時代』→関係の通信を訳すべきだという直感を得て、まず本書の原書を進呈してみた。私の直感は間違っていなかった。氏はその通信の内容上の重大性と同時に、その文学的な美しさに魅せられ、さっそく翻訳を思いたたれ、そしてこの度ついに完訳された。
『イエスの少年時代』キリスト教界からすっかり身を引かれた今、氏はそのシリーズの翻訳を畢生の事業と心に決めておられる。私は氏はそれを最大の使命として生まれて来られた方だと信じている。これまでのキリスト教との縁もその布石だったに違いないのである。
『イエスの少年時代』日本はキリスト教国ではないとは言え、その信仰が大勢の日本人の人生に多大の影響を及ぼしている事は紛れもない事実である。私は在来の1宗教としてのキリスト教は忌避するが、キリストの説いた基本的真理はスピリチュアリズムと相通じるものであり、正しく理解すれば→
『イエスの少年時代』→日本にも無くてはならぬ存在価値を持つものと信じている。イエスならびにその使徒たちの時代に関するこうした一連の霊界通信が“正真正銘”であるという事は、キリストをはじめとしてその使途たちが死後もなお存在し続け、ほぼ20世紀後の今、→
『イエスの少年時代』→カミンズという秀れた通信回路を得て地上へ情報を送ってくれたという事を意味する。願わくばキリスト教関係者がその事実を事実として素直に直視して、キリストの教えの真髄を理解する一助とされる事を切望してやまない。
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—–【序文 エリック・パーカー】
『イエスの少年時代』【序文 エリック・パーカー】この本は、とても美しい物語です。私はこれを何と表現したらよいか分りませんが“幻の書”とでも言っておきましょう。腕の悪い大工というイエスの見方は、おそらく伝統的考え方には見当りませんし、ヘリという浮浪者と旅をする事や、→
『イエスの少年時代』→砂漠の部族に関しては、私が他の書物でお目にかかった事がなく、初めて知った事であります。著者は、パレスチナ地方に関してかなり詳しく熟知しておられるようですが、私には、設定されている舞台が一種の霊界と呼べるところで語られているようにも思えるのです。
『イエスの少年時代』それにしても登場人物は、強烈な個性を持った人間として生きぬき、仲違いをする男女として描かれ、私たちと同じような行動様式が示されています。中心的人物、イエスについて私が最初に感じた事は、実に“愛すべき人間”という事であり、→
『イエスの少年時代』→実はこの事が物語の美しさを作り出す泉となっているのです。文体も又不思議な程美しく、話法も平易であるため、この作品は広範囲の大衆の心をとらえるのではないかと信じるものであります。
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—–【主な登場人物】
『イエスの少年時代』【主な登場人物】ゼリータ…マリヤの祖母 マリヤ・クローパス…ヨセフの実姉 キレアス…ゼリータの従兄弟 ベナーデル…ナザレの律法学者 ヘリ…異邦人、エジプトの人 シケム…神殿づきのパリサイ人 ハレイム…ナザレの魚問屋 ハブノー…流浪の部族の長
『イエスの少年時代』【主な登場人物】※イエスの弟妹・トマス・ヤコブ・セツ、ユダ(双生児)・レア(妹) ※クローパス家の息子・ヤコブ・ヨセフ・シモン・ユダ
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