『ベールの彼方の生活』4巻7章 天界の大軍、地球へ【3 お迎えのための最後の準備】
『ベールの彼方の生活④』【3 お迎えのための最後の準備】【1919年3月10日 月曜日】以上のような経緯は地上的に表現すれば“永い歳月”に及んでいる事を知っておいて頂きたい。その間、吾々には吾々なりの為すべき事がありました。地上でも、1つの改革が進行している間も一般大衆には→
『ベールの彼方の生活④』→それぞれの日常生活があります。吾々もそれと同じでした。しかし吾々の生活全体を支配している“思い”―何に携わっていても片時も心から離れなかったのは、キリストの降臨と、そのための上層界の態勢づくりの事でした。いずこへ赴いてもそれが窺えました。
『ベールの彼方の生活④』時には仲間が集まってキリストの接近による光輝の変化の事を細かく語り合う事もありました。特に上層界から使者が訪れ、吾々の界層の環境に合わせた身体をまとい、山の頂上とか中空に立って集合を命じた時はほとんど全員が集まりました。指定の場所に集まった者は→
『ベールの彼方の生活④』→何事であろうと期待に胸をふくらませるのでした。前回に述べたのもその1つでした。しかしそうした時以外はいつもの生活に勤しみ、時には領主からお呼びが掛かって将来の仕事のための特別の鍛錬を受け、また時には特別の使命を授かって他の界層へ赴いたりしていました。
『ベールの彼方の生活④』他の界層へ赴いている間は連絡関係がふだんより緻密さを増します。急な用事で帰還命令が出された時に素早くそれをキャッチするためです。そうしたふだんの体験にも貴殿に興味のありそうなもの、ためになるものがいろいろとあるのですが、それは今は措いておき、→
『ベールの彼方の生活④』→将来その機会が巡ってくれば語る事にしましょう。さし当たっての私の目的はキリストその人の降臨について語る事です。吾々キリストの軍勢の一員として選ばれた者は、例の天使の塔の聳える風致地区内に集合しました。待機しながらその塔の頂上にのっているヤシの葉状の→
『ベールの彼方の生活④』→王冠を見上げると、1人また1人と天使の姿が現れ、全部で大変な数になりました。ひざまずいている者、座している者、立っている者、例のレース細工によりかかっている者など、様々でした。他の場所からその位置へ移動してきたのではありません。吾々の見ている前で、→
『ベールの彼方の生活④』→吾々の視力に映じる姿をまとったのです。最初は見えなかったのが見える形をまとったのです。見えるようになると、どの天使も同じ位置に留まっていないであちらこちらへと動き回り、対話を交えておりました。霊格の高い、かつ美しい方ばかりです。
『ベールの彼方の生活④』同じ光景を前にも叙述した事があります。顔ぶれはかなり変わっておりましたが、同じ天使も多く見かけました。さて全天使が揃うと新たな現象が見え始めました。それはこうです。王冠の中に初めて見るものが現れました。十字架の形をしており、中央から現れて上昇しました。
『ベールの彼方の生活④』そのヨコ棒の片側に最後に到着した天使が立ち、その左手をタテ棒の上部にあてています。他の天使に比べて1まわり光輝が広がっています。身体も十分に吾々の界の環境条件に合わせ終わると左手をお上げになり、吾々を見下ろされながら祝福を与えて下さいました。
『ベールの彼方の生活④』それから鈴の音のような鮮明な声で話しかけられました。大きな声ではありませんが、はるか下方に位置する吾々ならびにその地区一帯に立ち並ぶ者全員にまで届きました。遠くの丘や広い草原にいる者もあれば、屋上にいる者、湖のボートに乗っている者もいました。
『ベールの彼方の生活④』さてその天使はこう語られました。「このたび貴殿たちを召集したのは、いよいよこの界へお近づきになられた主キリストについてのメッセージを伝え、ご到着とご通過に際してその意義を理解し、祝福を受け損なう事のないよう準備をして頂くためである。」→
『ベールの彼方の生活④』→「貴殿たちはこれまで幾度か主をご覧になっておられるが、このたびのお出ましはそれとは全く異なるものである事をまず知られたい。これまでは限られた目的のために限られた必要性に従って限られた側面を顕現してこられた。が、このたびは、その全てではないが、」→
『ベールの彼方の生活④』→「これまでをはるかに凌ぐ王威をまとわれてお出ましになられる。これまでは限られた所用のために降りてこられた。このたびは大事業への父なる大神の勅命を体して来られるのである。これはただならぬ大事業である。地球は今や貴殿らによる援助の必要性が切迫している。」→
『ベールの彼方の生活④』→「それ故、主が通過されるに際し貴殿ら1人1人が今の自分に最も欠けているものをお授け下さるようお願いするがよい。それによってこれより始まる仕事に向けて体調を整え、完遂のための体力を増強する事ができるであろう。万遺漏なきを期さねばならない事は」→
『ベールの彼方の生活④』→「言うまでもないが、さりとて主のご威光を過度に畏れる事も控えねばならない。主は貴殿らの必要なるものを携えて来られる。主ご自身はさような必要性はない。貴殿らのために燦爛たる光輝をまとわれてお出ましになるのである。その光輝の全てが貴殿らのためである。」→
『ベールの彼方の生活④』→「それ故、遠慮なくそれに身を浸し、その磁気的エネルギーに秘められている力と高潔さとを己れのものとなさるがよい。では、これより貴殿らの思うがままに少人数でグループを作り、私が今述べた事について語り合ってもらいたい。私が述べた言葉はわずかであるが、」→
『ベールの彼方の生活④』→「それを貴殿らが膨らませてほしい。行き詰まった時は私の仲間がその解釈の手助けに参るであろう。そうする事によって主が間もなくお出ましになられた時に慌てずに済むであろうし、この界を通過される間にその目で見、その耳で聞き、その肌で感じて、」→
『ベールの彼方の生活④』→「さらに理解を深める事になるであろう。」話が終わるとすぐ吾々は言われた通りにしました。例のヤシの葉状の王冠の中にいた天使たちはその間も姿をずっと消される事はありませんでした。それどころか、吾々の中に降りてこられて必要な援助を与えて下さいました。
『ベールの彼方の生活④』その時の魂の安らぎの大きかった事。おかげでキリストがいつ通過されてもよいまでに全員がそれなりの準備を整える事ができました。キリストの生命力の尊い流れから汲み取って吾々のものとする事ができるのです。
『ベールの彼方の生活④』それはキリストの内的叡智と決意の洗礼を受ける事に他なりません。以上がキリストの降臨までに開かれた数々の集会の最後となりました。終わるとキリストの霊との一体感をしみじみと味わい、静寂と充足感の中にそのご到着をお待ちしました。 アーネル†
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