—–四章1
『ベールの彼方の生活①』
【カストレル宮殿 一九一三年十月十七日 金曜日】前回のあのお気の毒な女性―今は十分祝福を受けておられますが―をお預けするホームへまだ到着しないうちから私はもう一つの使命を思い出しました。そこから遥か東方にある都市まで行く事になっていたのです。
『ベールの彼方の生活①』
あなたはまた“東”という文字を書き渋っているけど私たちはその方角を東と呼んでいるのです。というのはこちらへ来て初めてイエス様の御姿と十字架の像を拝見したのがその方角だったのです。その方向にある山の上空は今も明るく輝いております。
『ベールの彼方の生活①』
私にはそれが地上の日の出を象徴しているように思えてなりません。さて私たち五人はその山の向う側にある都市を目指して出発いたしました。出発に先立ってよく道順をお聞きしておきました。上の方のお話ではその都市の中央には黄金色のドームを頂いた大きい建物があり―
『ベールの彼方の生活①』
―その都市の中心街はコロネード(列柱)で囲まれているとの事でした。初めは徒歩で行きましたが後は空を飛んで行きました。歩くより飛ぶ方が難しいのですが飛んだ方が速いし、それに場所を探すのには空から見た方が判りやすいという事になりました。
『ベールの彼方の生活①』
やがてその都市の上空に来て目標のドームを見届けてから正面入口めがけて着陸し、そこから本通りへ入りました。本通りはその都市のど真ん中を一直線に横切っており、その反対の端の裏門から出るようになっています。
『ベールの彼方の生活①』
その幅広い通りを境にして両側はとても敷地の広い、宮殿のような建物がズラリと並んでおります。そこはその地域一帯を治められる高官の方が住んでおられ、そこが首都になります。畑仕事に精を出している光景も見られます。また建物が沢山見えます。
『ベールの彼方の生活①』
一見して住居ではなくて別の目的をもっている事が判ります。やがてコロネードで囲まれた中心街に出ました。さすがに建物も庭園もそれはそれは見事なものでした。どの建物にも必ずその建物に相応しい色彩とデザインの庭園がついております。
喪服を捨てました。必要ないからです。何の意味もないからです。黒い服を着て故人を悼み、線香に火をつけてすすり泣く、これは断じて間違いです。故人は肉体の苦しみから解放され、より精妙な身体をまとって自由を満喫してるのです。むしろ祝ってあげるべきです。この古い習慣を考え直しましょう(祈)
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『ベールの彼方の生活①』
それらを見て歩きながら、この辺で待合わせて下さると聞いていた方からの合図を気にしておりました。こうした場合には連絡が先に届いて待受けて下さっているのです。歩いていくうちに、いつの間にか公園のようなところに入りました。
『ベールの彼方の生活①』
とても広い公園で美しい樹木が程よく繁り、所々に噴水池が設けてあります。それ以外は一面緑の芝生です。その噴水が水面に散る時の音はメロディと言えるほど快く、またそれぞれの噴水が異なったメロディを奏でており、それらが調和して公園全体を快い音楽で包んでおります。
『ベールの彼方の生活①』
その噴水にある細工を施すと得も言われぬ霊妙な音楽が聞けるとの事です。その細工を施すのは度々ではないのですが、時折行われますと、その都市に住む人はもちろんの事、ずっと郊外の丘や牧草地帯に住んでいる人までが大勢集まってくるそうです。
『ベールの彼方の生活①』
私たちが行った時は素朴な音楽でしたがそれでもそのハーモニー、その快さは見事でした。暫くその公園の中を散歩しました。とても心の安まる美しいところです。芝生に腰を下ろして休んでいますとそこへ一人の男性が優しい笑みを浮かべて近づいて来ました。
『ベールの彼方の生活①』
私たちを迎えに来られたのだという事はすぐに判ったのですが、お姿を拝見して私たちとは比較にならぬほど霊格の高い方である事が知れましたので暫くは言葉が出ませんでした。【どんな方ですか。出来れば名前も教えて下さい―】そのうちお教えしましょう。
『ベールの彼方の生活①』
焦る事が一番いけません。こちらの世界では“焦らぬように”という事が一番大切な戒めとされているほどです。焦ると判りかけていたものまで判らなくなります。その天使様はとても背の高い方で、地上でいえば七フィート半は十分あったでしょう。
『ベールの彼方の生活①』
私は地上にいた時より背が高くなっていますが、その私より遥かに高い方でした。その時の服装は膝まで垂下がったクリーム色のシャツを無造作に着ておられるだけで腕も脚も丸出しで、足には何も履いておられませんでした。
僕たちは国家、民族の別なく、全員が等しく神性の火花を与えられた、神を共通の親とする霊的同胞、霊的兄弟なのです。この理解が世界中に行き渡れば、現在地上に蔓延する数々の諸問題が解消されます。地上天国の到来を早めるのも遅らせるのも僕たち一人一人の理解力、悟りの程度に掛っています(祈)
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