その集落を後にしてから吾々はさらに暗黒界の奥地へと足を踏み入れました。そこここに家屋が群がり、焚き火が燃えている中を進みながら耳を貸す意志のある者に慰めの言葉や忠告を与えるべく吾々として最善の努力を→

『ベールの彼方の生活③』→したつもりです。が、残念な事にその大部分は受け入れる用意はできていませんでした。反省してすぐさま向上の道へ向かう者は極めて少ないものです。多くはまず強情がほぐれて絶望感を味わい、その絶望感が憧憬の念へと変わり、哀れなる迷える魂に微かな光が輝き始める。

『ベールの彼方の生活③』そこでようやく悔恨の情が湧き、罪の償いの意識が芽生え、例の光の橋へ向けての辛い旅が始まります。が、この土地の者がその段階に至るのはまだまだ先の事と判断してその集落を後にしました。吾々には使命があります。そして心の中にはその特別の仕事が待ち受けている→

『ベールの彼方の生活③』→土地への地図が刻み込まれています。決して足の向くまま気の向くままに暗黒界を旅しているのではありません。ただならぬ目的があって高き神霊の命によって派遣されているのです。行くほどに邪悪性の雰囲気が次第に募るのを感じ取りました。銘記して頂きたいのは、→

『ベールの彼方の生活③』→地域によって同じ邪悪性にも“威力”に差があり、また“性質”が異なる事です。同時にまた、地上と同じくその作用にムラが見られます。邪悪も全てが1つの型にはまるとは限らないという事です。そこにも自由意志と個性が認められるという事であり、どれだけ永い期間→

『ベールの彼方の生活③』→それに浸るかによって強烈となっているものもあれば比較的弱いものもある。それは地上においても天界の上層界においても同じ事です。やがて大きな都市にたどり着いた。守衛の一団が行進歩調で行き来する中を、どっしりとした大門を通り抜けて市内へ入った。

『ベールの彼方の生活③』それまでは姿を見せるために波長を下げていたのを、今度は反対に高めて彼らの目に映じない姿で通り抜けた訳です。大門を通り抜けてすぐの大通りの両側には、まるで監獄の防壁のような、がっしりとした作りの大きな家屋が並んでいる。そのうちの何軒かの通風孔から→

『ベールの彼方の生活③』→毒々しい感じの明かりが洩れて通路を照らし、吾々の行く先を過ぎっている。そこを踏みしめて進むうちに大きな広場に来た。そこに1つの彫像が高い台の上に立っている。広場の中央ではなく、やや片側に寄っており、そのすぐ側に、その辺りで一番大きい建物が立っていた。

『ベールの彼方の生活③』彫像はローマ貴族のトーガ(ウールのゆるやかな外衣)をまとった男性で、左手に鏡を持って自分の顔を映し、右手にフラゴン(聖餐用のぶどう酒ビン)を持ち、今まさに足もとの水だらいにドボドボとぶどう酒を注いでいる―崇高なる儀式の風刺(パロディ)です。

『ベールの彼方の生活③』しかもその水だらいの縁には様々な人物像がこれまた皮肉たっぷりに刻まれている。子供が遊んでいる図があるが、そのゲームは生きた子羊のいじめっこである。別のところにはあられもない姿の女性が赤ん坊を“逆さ”に抱いている図が彫ってある。全てがこうした調子で→

『ベールの彼方の生活③』→まじめなものを侮っている―童子性、母性、勇気、崇拝、愛、等々を冒涜し、吾々がその都市において崇高なるものへの憧憬を説かんとする気力を殺がせる。卑猥にして無節操きわまるものばかりである。辺り一体が不潔と侮辱に満ちている。どの建物を見ても構造と装飾に→

『ベールの彼方の生活③』→唖然とさせられる。しかし初めに述べた如く吾々には目的がある。嫌な事を厭ってはならない。使命に向かって突き進まねばならない。そこで吾々は意念を操作して姿をそこの住民の目に映じる波長に落としてから、右の彫像のすぐ後ろの大きな建物―悪の宮殿―の→

『ベールの彼方の生活③』→門をくぐった。土牢に似た大きな入り口を通り抜けて進むと、バルコニーに通じる戸口まで来た。バルコニーは見上げるようなホールの床と天井の中間を巻くようにしつらえてあり、所々に昇降階段が付いている。吾々はその手すりの所まで近づいてホールの中をのぞいた。

『ベールの彼方の生活③』そこから耳をつんざくような強烈な声が聞こえてくるが、しばらくはそれを発している人物が見えなかった。そうして吾々の目が辺りを照らす毒々しい赤っぽい光に慣れてくると、どうやら中の様子が判ってきた。すぐ正面に見えるホールの中央にバルコニーへ出る大きな階段が→

『ベールの彼方の生活③』→らせん状に付いている。それを取り囲むようにして聴衆が群がり、階段もその中程まで男女がすずなりになっている。が、その身なりはだらしなく粗末である。そのくせ豪華に見せようとする意図が見られる。例えば黄金や銀のベルトに首飾り、銀のブローチ、宝石をあしらった→

『ベールの彼方の生活③』→バックルや留め金を身に付けている者がそこら中にいる。が、全部模造品である事は一目で判る。黄金に見えるのもただの安ピカの金属片であり、宝石も模造品である。その階段の上段に演説者が立っている。大きな図体をしており、邪悪性が他を威圧する如くにその図体が→

『ベールの彼方の生活③』→他の誰よりも大きい。頭部にはトゲのある冠をつけ、汚らしい灰色をしたマントを羽織っている。かつては白かったのが性質(ガラ)が反映して煤けてしまったのであろう。胸の辺りにニセの黄金で作った2本の帯が交叉し、腰の辺りで革紐で留めてある。足にはサンダルを履き、→

『ベールの彼方の生活③』→その足もとに牧羊者の(先の曲がった)杖が置いてある。が、見ている吾々に思わず溜息をつかせたのは冠であった。トゲはいばらのトゲを黄金であしらい、陰気な眉の辺りを巻いていた。帰れるものなら今すぐにも帰りたい心境であった。が、吾々には目的がある。

『ベールの彼方の生活③』どうしても演説者の話を最後まで聞いてやらねばならなかった。その時の演説の中身を伝えるのは私にとって苦痛です。貴殿が書き取るのも苦痛であろうと思います。が、地上にいる間にこうした暗黒界の実情を知っておく事です。なぜなら、こちらの世界にはもはや地上のような→

『ベールの彼方の生活③』→善と悪の混在の生活がない。善は高く上がり悪は低く下がり、この恐ろしい暗黒界に至っては、善による悪の中和というものは有り得ない。悪が悪と共に存在して、地上では考えられないような冒涜行為が横行する事になります。なんと、彼が説いていたのは“平和の福音”だった。

『ベールの彼方の生活③』そのごく一部だけを紹介して、あとはご想像にお任せする事にしたい。「そこでじゃ、諸君、吾々はその子羊を惨殺した獣を崇拝するために、素直な気持ちでここに参集した。子羊が殺害されたという事は、吾々が幸福な身の上となり呪われし者の忌まわしき苦しみを」→

『ベールの彼方の生活③』→「乗り越えて生きていこうとする目的にとっては、その殺害者は事実上の吾々の恩人という事である。それ故、諸君、その獣が子羊を真剣に求めそして見出し、その無害の役立たず者から生命の血液と贖いをもたらしてくれた如くに、諸君も、常に品性高き行為にご熱心で」→

『ベールの彼方の生活③』→「あるからには、その子羊に相当するものを見つけ出し、かの牧羊者が教え給うた如くに行うべきである。諸君の抜け目なき沈着さをもって、子羊のごとき惰性の中から歓喜の情熱と興奮に燃える生命をもたらすべきである…そして女性諸君、“げす”な優美さに毒された」→

『ベールの彼方の生活③』→「その耳に私より一服の清涼剤を吹き込んで差し上げよう。私を総督に選出してくれたこの偉大なる境涯に幼児はやって参らぬ。がしかし、諸君に申し上げよう。どうか優しさをモットーとするこの私と、私が手にしているこの杖をとくと見て欲しい。そして私を諸君の」→

『ベールの彼方の生活③』→「牧羊者と考えて欲しい。これより諸君を、多すぎるほどの子供を抱えている者の所へこの私がご案内しよう。その者たちは、かつてせっかく生命を孕みながら、余りに深き慈悲ゆえに、その生命を地上に送って苦をなめさせるに忍びず、生け贄としてモロック(※)の」→

『ベールの彼方の生活③』→「祭壇に捧げた如く、その母なる胸より放り棄てるほど多くの子供を抱えている。さ、諸君、生け贄とされた子をいとおしみつつも、その子の余りに生々しき記憶に怯え、それを棄て去らんと望む者の所へ私が連れて参ろう」→

『ベールの彼方の生活③』→(※子供を人身御供として祭ったセム族の神。レビ記18・21、列王記23・10。訳者)こうした調子で彼は演説を続けたが、その余りの冒涜性の故に私はこれ以上述べる気がしません。カスリーンに中継させるのも忍びないし、貴殿に聞かせるのも気が引けます。

『ベールの彼方の生活③』それを敢えて以上だけでも述べたのは、貴殿ならびに他の人々にこの男の善性への冷笑と愚弄的従順さの一端を知って頂きたかったからであり、しかも彼がこの境涯にいる無数の同類の1つのタイプにすぎない事を知って頂くためです。いかにも心優しい人物を装い、いかにも→

『ベールの彼方の生活③』→遠慮がちに述べつつも、実はこの男はこの界層でも名うての獰猛さと残忍さを具えた暴君の1人なのです。確かに彼はその国の総督に選ばれた事は事実ですが、それは彼の邪悪性を恐れての事だった。その彼が、見るも哀れな半狂乱の聴衆を“品性高き者”と述べたものだから、→

『ベールの彼方の生活③』→彼らは同じ恐怖心にお追従も手伝って彼の演説に大いなる拍手を送った。彼はまた聴衆の中の毒々しく飾った醜女たちを“貴婦人”と呼び、羊飼いに羊が従う如くに自分に付いて来るがよいと命じた。するとこれまた恐怖心から彼女たちは拍手喝采をもって同意し、彼に従うべく→

『ベールの彼方の生活③』→全員が起立した。彼はくるりと向きを変えて、その巨大な階段を登ろうとした。彼は次の段に杖をついて、やおら1歩踏み出そうとして、ふとその足を引いて逆に1歩2歩と後ずさりし、ついに床の上に降りた。全会衆は希望と恐怖の入り混じった驚きで、息を呑んで→

『ベールの彼方の生活③』→身を屈めていた。その理由は他ならぬ階段の上段に現れた吾々の姿だったのです。吾々はその環境において発揮できる限りの本来の光輝を身にまとって1番上段に立ち、さらに霊団の1人である女性が5、6段下がったところに立っていました。エメラルドの玉飾りで→

『ベールの彼方の生活③』→茶色がかった金色の髪を眉の上あたりでしばり、霊格を示す宝石が肩のあたりで輝いており、その徳の高さを有りのままに表している。胴の中ほどを銀のベルトでしばっている。こうした飾りが目の前の群集の安ピカの宝石と際だった対照を見せている。両手で白ゆりの花束を→

『ベールの彼方の生活③』→抱えているその姿は、まさしく愛らしい女性像の極致で、先ほどの演説者の卑猥な冒涜に対する挑戦でした。男性も女性もしばしその姿に見とれていたが、そのうち1人の女性が思わずすすり泣きを始め、まとっていたマントでその声を抑えようとした。が、他の女性たちも→

『ベールの彼方の生活③』→甦ってくるかつての女性らしさに抗しきれずに泣き崩れ、ホールは女性の号泣で満たされてしまった。そうして、見よ、その悲劇と屈従の境涯においては久しく聞く事のなかった純情の泣き声に男たちまで思わず手で顔を覆い、地面に身を伏せ、厚い埃りも構わず床に→

『ベールの彼方の生活③』→額をすりつけるのであった。が、総督は引っ込んでいなかった。自分の権威に脅威が迫ったと感じたのである。全身に怒りを露わにしながら、ひれ伏す女性たちの体を踏みつけながら、大股で、最初に泣き出した女性のところへ歩み寄った。それを見て私は急いで→

『ベールの彼方の生活③』→階段の1番下まで降りて一喝した―「待たれよ!私のところへ来なされ!」私の声に彼は振り返り、ニヤリとしてこう述べた。「貴殿は歓迎いたそう。どうぞお出でなされ。我輩はここにいる臆病な女どもが貴殿の後ろのあのご婦人の光に目が眩んだようなので」→

『ベールの彼方の生活③』→「正気づかせようとしているまでじゃ。みんなして貴殿を丁重にお迎えするためにな…」が、私は厳しい口調で言い放った。「お黙りなさい!ここへ来なされ!」すると彼は素直にやって来て私の前に立ったので、続けてこう言って聞かせた。「あの演説といい、」→

『ベールの彼方の生活③』→「その虚飾といい、冒涜の度が過ぎますぞ!まずその冠を取りなさい。それからその牧羊者の杖も手放しなさい。よくも主を冒涜し、主の子等を恐怖心で束縛してきたものです」彼は私の言う通りにした。そこで私はすぐ側にいた側近の者に、先ほどよりは優しい口調で→

『ベールの彼方の生活③』→こう言って聞かせた。「あなた達は余りに長い間臆病すぎました。この男によって身も心も奴隷にされてきました。この男はもっと邪悪性の強い者が支配する都市へ行かせる事にします。これまでこの男に仕えてきたあなた達にそれを命じます。そのマントを脱がせ、」→

『ベールの彼方の生活③』→「そのベルトを外させなさい。主を愚弄するものです。彼もいつかはその主に恭順の意を表する事になるであろうが…」そう言って私は待った。すると4人の男が進み出てベルトを外し始めた。男は怒って抵抗したが、私が杖を取り上げてその先で肩を抑えると、→

『ベールの彼方の生活③』→その杖を伝って私の威力を感じておとなしくなった。これで私の意図が叶えられた。私は彼にそのホールから出て外で待機している衛兵に連れられて遠い土地にある別の都市へ行き、そこでこれまで他人にしてきたのと同じ事を“とくと”味わってくるようにと言いつけた。

『ベールの彼方の生活③』それからホールの会衆にきちんと座り直すように言いつけ、全員が落着いたところで最初に紹介した歌手に合図を送った。すると強烈な歌声がホール全体に響きわたった。その響きに会衆の心はさらに鼓舞され、そこにはもはやそれまで例の男によって抑えられてきた束縛の跡は→

『ベールの彼方の生活③』→見られなかった。あたりの明かりから毒々しい赤みが消え、柔らかな明るさが増し、安らかさが会場にみなぎり、興奮と感激に震える身体を爽やかに包むのでした。【どんな事を歌って聞かせたのでしょうか。】活発な喜びと陽気さにあふれた歌―春の気分、夜の牢獄が→

『ベールの彼方の生活③』→破られて訪れる朝の気分に満ち、魂を解放する歌、小鳥や木々、せせらぎが奏でるようなメロディを歌い上げました。聖とか神とかの用語は1語も使っておりません。少なくともその場、その時には一切口にしませんでした。彼らにとって何よりも必要とした薬は、それまでの→

『ベールの彼方の生活③』→奴隷的状態からの解放感を味わうように個性に刺激を与える事でした。そこで彼は生命と喜びと友愛の楽しさを歌い上げたのでした。と言って、それで彼らがいきなり陽気になった訳ではありません。言わば絶望感が薄らいだ程度でした。そのあとは吾々が引き受け、訓戒を与え→

『ベールの彼方の生活③』→かくしてようやくそのホールが、かつては気の向かぬまま恐怖の中で聞かされていた冒涜の対象イエス・キリストの崇拝者によって満たされる日が来ました。崇拝といっても、善性にあふれた上層界でのそれとは較べものになりませんが、調和の欠けた彼らの哀れな声の中にも→

『ベールの彼方の生活③』→このたびの吾々のように猜疑心と恐怖心に満ちた彼らの邪悪な感情のるつぼに飛び込んで苦心した者の耳には、どこか心を和ませる希望の響きが感じられるのでした。それからあとは吾々に代わって訪れる別の霊団によって強化と鍛錬を受け、それから先の長くかつ苦しい、→

『ベールの彼方の生活③』→しかし刻一刻開けてゆく魂の夜明けへ向けての旅に備える事になっており、吾々は吾々で、さらに次の目的地へ向けて出発したのでした。【そのホールに集まったのは同じ性質の者ばかりですか。】“ほぼ”同じです。大体において同質の者ばかりです。性格的に欠けたところの→

『ベールの彼方の生活③』→ある者も少しはおりました。それよりも、貴殿には奇異で有り得ない事のように思える事実をお話しましょう。彼らのうちの何名かがさきの総督の失脚のお伴をする事になった事です。彼の邪悪性の影響を受けて一心同体と言えるほどにまでなっていたために、彼らの個性には→

『ベールの彼方の生活③』→自主的に行動する独立性が欠けていた訳です。そのために、それまで総督の毒々しい威力の中で仕えてきた如くに、その失脚のお伴までする事になった。が、その数はわずかであり、別の事情で別の土地へ向かう事になった者も少しばかりいました。しかし大多数は→

『ベールの彼方の生活③』→居残って、久しく忘れていた真理を改めて学び直す事になりました。遠い昔の話は今の彼らにとっては新鮮に響き、かつ素晴らしいものに思えるらしく、見ている吾々には可哀想ににさえ思えました。【その後その総督はどうなりましたか。】今も衛兵が連れて行った→

『ベールの彼方の生活③』→遠い都市にいます。邪性と悪意は相も変わらずで、まだまだ戻っては来れません。この種の人間が高尚なものへ目を向けるようになるのは容易な事ではないのです。【衛兵が連れて行ったと言われましたが、それはどんな連中ですか。】これはまた難しい質問をなさいましたね。

『ベールの彼方の生活③』これは神について、その叡智、その絶対的支配についてもっと深く悟るまでは、理解する事は困難な問題の1つです。一言で言えば神の支配は天国だけでなく地獄にも及んでいるという事で、地獄も神の国であり(悪魔ではなく)神のみが支配しているという事です。

『ベールの彼方の生活③』さきの衛兵は実は総督を連れて行った都市の市民です。邪悪性の強い人間である事は確かであり、神への信仰などおよそ縁のない連中です。ですが総督を連行するよう命ぜられた時、誰がそう裁決したのか聞こうともせず、それが彼にとって最終的な救済手段である事も知らぬまま→

『ベールの彼方の生活③』→文句も言わずに命令に従った。この辺の経緯の裏側を深く洞察なされば、地上で起きる不可解な出来事の多くを解くカギを見出す事ができるでしょう。大ていの人間は悪人は神の御国の範囲の外にいるもの―罪悪や災害は神のエネルギーが誤って顕現したものと考えます。

『ベールの彼方の生活③』しかし実は両者とも神の御手の中にあり、悪人さえも、本人はそうと知らずとも、究極においてはそれなりの計画と目的を成就させられているのです。この問題はしかし、今ここで扱うには少し大きすぎます。

『ベールの彼方の生活③』では、お寝みになられたい。吾々の安らぎが貴殿のものとなるよう祈ります。

『ベールの彼方の生活③』8章 暗黒界の探訪
【1 光のかけ橋】
bit.ly/2viJG2P
【2 小キリストとの出会い】
bit.ly/2viY8aS
【3 冒涜の都市】
bit.ly/2vM39vA
【4 悪の効用】
bit.ly/2vLIl7M
【5 地獄の底】
bit.ly/2vLEzuW
【6 強者よ、何ゆえに倒れたるや】
bit.ly/2viLkS3
【7 救出】
bit.ly/2vLIuIm

2020年7月10日

霊団が9日に「助ける助ける」「バイバイ」とインスピレーションを降らせています。ピーチピチ(佳子)が奴隷の女の子たちを助ける助ける、そして強姦殺人魔、明仁、文仁、徳仁、悠仁に対してバイバイ、という意味で霊団が降らせてきたものだともちろん信じたいところですが、まさかここまで徹底的に自分が文仁、紀子の娘ではない「赤の他人」である事、そして明仁、文仁、徳仁、悠仁が盗んだ女の子を遊びで四肢切断して殺しまくっている事がバレまくり知れ渡りまくっている状態で、それをピーチピチが「すっとぼけ続ける」とはどうにも考えたくないのです。

霊団はピーチピチ(佳子)のおねいやんのインスピレーションを一切降らせてきませんので僕もその件について全くブログを書かないのですが、物的にはおねいやんのケコーン相手の事が連日報道されていますよね。僕的にはあれさえも「視点外し」に感じられて仕方ありません。明仁、文仁、徳仁、悠仁が想像を絶するレベルの強姦殺人魔である事、そして奴隷の女の子たちの存在に国民の注目が集まらないように徹底的に別の話題をニュースで流し続けている…使命遂行者として霊団から日々インスピレーションを賜っている僕の目にはやはりそのように映ってしまうのです、実際はそうでなかったとしても。ピーチピチ(佳子)然り、おねいやん然り、奴隷の女の子たちと同じ女子でありながら、そして身近で幼い女の子たちが連日ヒドイ目に遭わされ殺され続けている事をその目で見続けていながら、それを無視し助けようともせずすっとぼけ続けているという事が「女性の神経」として僕はどうしても信じられないのですが、皆さまはどのようにお感じになられるでしょうか。

何度もブログで書いている事ですが、僕たちの国日本は、幼い女の子ひとり助けてあげる事もできない狂った国なのか、なぜ誰ひとりとして立ち上がる者が現れないのか、なぜそこまでして強姦殺人魔、明仁、文仁、徳仁、悠仁を守り続ける必要があるのか。コイツらは僕たちにとって「害悪」以外の何物でもなく全く誰の役にも立っていないただの「盗賊」です。コイツらこそ苦しみの元凶です、その人間のクズ4人をここまでして守り通そうとする皆さまの精神状態がどうしても信じられません。えー、メディアが流してくるニュースだけを見ればそのように感じられるというだけで、皆さまの本心はちゃんと「コイツらを許せない、何とかして倒したい」と思っておられる事を信じたくてたまりません。霊団からは他にもインスピレーションが降っていますので、それらも皆さまにご紹介し情報共有し、強姦殺人魔、明仁、文仁、徳仁、悠仁の死刑、滅亡を1日でも早く実現して奴隷の女の子たちを救出してあげたいと僕はずっと切望しています。霊団のメセの通りピーチピチ(佳子)が奴隷の女の子たちを助ける気になってくれている事を信じたいですね本当に(祈)†

www.youtube.com/watch?v=QqJPejYHS_I&t=56s

[ditty_news_ticker id="7562″]

それを僕の中にだけ閉じ込めていたら奴隷の女の子たちの救出につながりませんので書かない訳にはいかないのです。間もなくプロセス実行。間もなくプロセス実行(祈)†

さて彼らのすぐ側まで来てみると、大きくなったり小さくなったりする炎を囲んで、不機嫌な顔つきでしゃがみこんでいる者もいれば横になっている者もいた。吾々の立っている位置はすぐ後ろなのに→

『ベールの彼方の生活③』→見上げようともしない。最も、たとえ見上げても吾々の存在は彼らの目に映らなかったであろう。彼らの視力の波長はその時の吾々の波長には合わなかったからです。言いかえれば吾々の方が彼らの波長にまで下げていなかったという事です。そこで吾々は互いに手を握り合って→

『ベールの彼方の生活③』→(エネルギーを強化して)徐々に鈍重性を増していった。すると1人2人と、なにやら身近に存在を感じて、落ち着かない様子でモジモジし始めた。これが彼らの通例です。つまり何か高いものを求め始める時のあの苛立ちと不安と同じものですが、彼らはいつもすぐにそれを→

『ベールの彼方の生活③』→引っ込める。と言うのも、上り行く道は険しく難儀に満ち、落伍する者が多い。最後まで頑張ればその辛苦も報われて余りあるものがあるのですが、彼らにはそこまで悟れない。知る手掛かりと言えばこの度の吾々のように、こうして訪れた者から聞かされる話だけなのです。

『ベールの彼方の生活③』そのうち1人が立ち上がって、薄ぼんやりとした闇の中を不安げに見つめた。背の高いやせ型の男で、手足は節くれだち、全身が前かがみに折れ曲がり、その顔は見るも気の毒なほど希望を失い、絶望に満ち、それが全身に漂っている。その男がヨタヨタと吾々の方へ歩み寄り、→

『ベールの彼方の生活③』→2、3ヤード離れた位置から覗き込むような目つきで見つめた。その様子から吾々はこの暗黒の土地に住む人間のうち少なくとも一握りの連中には、吾々の姿がたとえ薄ぼんやりとではあっても見る事ができる事を知った。「もしもし、拝見したところ大そうやつれて」→

『ベールの彼方の生活③』→「いらっしゃるし、心を取り乱しておられる。何か吾々にできる事でもあればと思って参ったのですが…」すると男から返事が返ってきた。それは地下のトンネルを通って聞こえる長い溜息のような声だった。「一体お前さんはどこの誰じゃ。1人だけではなさそうじゃな。」→

『ベールの彼方の生活③』→「お前さんの後ろにも何人かの姿が見える。どうやらこの土地の者ではなさそうじゃな。一体どこから来た?そして何の用あってこの暗いところへ来た?」それを聞いて私はさらに目を凝らしてその男に見入った。と言うのは、その不気味な声の中にもどこか聞覚えのあるもの→

『ベールの彼方の生活③』→少なくともまるで知らない声ではない何ものかが感じられたのである。そう思った次の瞬間に“はた”と感づいた。彼とは地上で住ぐ近くに住む間柄だったのである。それどころか、彼はその町の治安判事だった。そこで私が彼の名を呼んでみた。が私の予期に反して彼は少しも→

『ベールの彼方の生活③』→驚きを見せなかった。困惑した顔つきで私を見つめるが、よく判らぬらしい。そこで私がかつての町の名前を言い、続いて奥さんの名前も言ってみた。すると地面へ目を落とし、手を額に当ててしきりに思いだそうとした。そうしてまず奥さんの名前を思い出し、私の顔を→

『ベールの彼方の生活③』→見上げながら2度3度とその名を口ずさんだ。それから私が彼の名前をもう1度言ってみた。すると今度は私の唇からそれが出るとすぐに思い出してこう言った。「わかった。思い出した。思い出した。ところで妻は今どうしてるかな。お前さんは何か消息を持ってきて」→

『ベールの彼方の生活③』→「くれたのか。どうして俺をこんなところに置いてきぼりにしやがったのかな、あいつは…」そこで私は、奥さんがずっと高い界にいて、彼の方から上がって行かない限り彼女の方から会いに下りてくる事はできない事を話して聞かせた。が、彼にはその辺の事がよく→

『ベールの彼方の生活③』→呑み込めなかったようだった。その薄暗い界でよほど感覚が鈍っているせいか、そこの住民のほとんどが自分が一体どの辺りにいるのかを知らず、中には自分が死んだ事すら気付いていない者がいる。それほど地上生活の記憶の蘇る事が少なく、たとえ蘇ってもすぐに消え失せ、→

『ベールの彼方の生活③』→再び記憶喪失状態となる。それゆえ彼らの大半はその暗黒界以外の場所で生活した事があるかどうかも知らない状態である。しかしそのうちその境涯での苦しみをとことん味わってうんざりし始め、どこかもう少し“まし”なところで“まし”な人間と共に暮らせない→

『ベールの彼方の生活③』→ものかと思い始めた時、その鈍感となっている脳裏にも油然として記憶が甦り、その時こそ良心の呵責を本格的に味わう事になる。そこで私はその男に事の次第を話して聞かせた。彼は地上時代には、彼なりの一方的な愛し方ではあったが、奥さんを深く愛していた。

『ベールの彼方の生活③』そこで私はその愛の絆をたぐり寄せようと考えた。が、彼は容易にその手に乗らなかった。「それほどの(立派になった)人間なら、こんな姿になった俺の所へはもうやって来てはくれまいに…」彼がそう言うので「ここまで来る事は確かにできない。あなたの方から」→

『ベールの彼方の生活③』→「行ってあげる他はない。そうすれば奥さんも会ってくれるでしょう」これを聞いて彼は腹を立てた。「あの高慢ちきの売女(ばいた)め!俺の前ではやけに貞淑ぶりやがって、些細な過ちを大げさに悲しみやがった。今度会ったら言っといてくれ。せいぜいシミ1つない」→

『ベールの彼方の生活③』→「きれいな館でふんぞり返り、ぐうたら亭主の哀れな姿を眺めてほくそ笑むがいい、とな。こちとらだって、カッコは良くないが楽しみには事欠かねえんだ。口惜しかったらここまで下りてくるがいい。ここにいる連中みんなでパーティでも開いて大歓迎してやらぁ。」→

『ベールの彼方の生活③』→「じゃ、あばよ、だんな」そう吐き棄てるように言ってから仲間の方を向き、同意を求めるような薄笑いを浮かべた。その時である、別の男が立ち上がってその男を脇へ連れていった。この人はさっきからずっとみんなに混じって座っており、身なりもみんなと同じように→

『ベールの彼方の生活③』→みすぼらしかったが、その挙動にどことなく穏やかさがあり、また吾々にとっても驚きに思えるほどの優雅さが漂っていた、その人は男に何事かしばらく語りかけていたが、やがて連れ立って私の所へ来てこう述べた。

『ベールの彼方の生活③』「申し訳ございません。この男はあなた様のおっしゃる事がよく呑み込めてないようです。皆さんが咎めに来られたのではなく慰めに来られた事が分かっておりません。あのようなみっともない言葉を吐いて少しばかり後悔しているようです。あなた様とは地上で知らぬ仲では」→

『ベールの彼方の生活③』→「なかった事を今言って聞かせたところです。どうかご慈悲で、もう一度声を掛けてやって下さい。ただ奥さんの事だけは遠慮してやって下さい。ここに居ない事を自分を見捨てて行ったものと考え、今もってそれが我慢ならないようですので…」私はこの言葉を聞いて→

『ベールの彼方の生活③』→驚かずにはいられなかった。あたりは焚き火を囲んでいる連中からの怒号や金切り声や罵り声で騒然としているのに、彼は実に落ち着き払って静かにそう述べたからです。私はその人に一言お礼を述べてから、さきの男の所へ行った。私にとってはその男がお目当てなのである。

『ベールの彼方の生活③』と言うのも、彼はこのあたりのボス的存在であり、その影響力が大であるところから、この男さえ説得できれば、あとは楽であるとの確信があった。私はその男に近づき、腕を取り、名前を呼んで微笑みかけ、雑踏から少し離れたところへ連れて行った。それから地上時代の→

『ベールの彼方の生活③』→話を持ち出し、彼が希望に胸をふくらませていた頃の事や冒険談、失敗談、そして犯した罪のいくつかを語って聞かせた。彼は必ずしもその全てを潔く認めなかったが、いよいよ別れ際になって、そのうちの2つの罪をその通りだと言って認めた。これは大きな収穫でした。

『ベールの彼方の生活③』そこで私は今述べた地上時代の事にもう一度思いを馳せて欲しい…そのうち再び会いに来よう…君さえ良かったら…と述べた。そして私は彼の手を思い切り固く握りしめて別れた。別れたあと彼は1人でしゃがみ込み、膝をあごのところまで引き寄せ、向こうずねを抱くような格好で→

『ベールの彼方の生活③』→焚き火に見入ったまま思いに耽っていました。私はぜひさきの男性に会いたいと思った。もう一度探し出して話してからでないと去り難い気がしたのです。私はその人の事を霊的にそろそろその境涯よりも一段高いところへ行くべき準備ができている人ぐらいに考えていました。

『ベールの彼方の生活③』すぐには見つからなかったが、やがて倒れた木の幹に1人の女性と少し距離を置いて腰掛けて語り合っているところを見つけた。女性はその人の話に熱心に聞き入っています。私が近づくのを見て彼は立ち上がって彼の方から歩み寄ってきた。そこで私はまずこう述べた。

『ベールの彼方の生活③』「この度はお世話になりました。お陰さまであの気の毒な男に何とか私の気持を伝える事ができました。あなたのお口添えが無かったらこうはいかなかったでしょう。どうやらこのあたりの住民の事についてはあなたの方が私よりもよく心得ていらっしゃるようで、お陰で」→

『ベールの彼方の生活③』→「助かりました。ところで、あなたご自身の身の上、そしてこれから先の事はどうなっているのでしょう?」彼はこう答えた。「こちらこそお礼申し上げたいところです。私の身の上をこれ以上隠すべきでもなさそうですので申し上げますが、実は私はこの土地の者ではなく」→

『ベールの彼方の生活③』→「第4界に所属している者です。私は自ら志願してこうした暗黒界で暮らす気の毒な魂を私にできる範囲で救うためにここに参っております」私は驚いて「ずっとここで暮らしておられるのでしょうか」と尋ねた。「ええ、ずいぶん長いこと暮らしております。でも、」→

『ベールの彼方の生活③』→「あまりの息苦しさに耐えかねた時は、英気を養うために本来の界へ戻って、それから再びやって参ります」「これまで何度ほど戻られましたか」「私がこの土地へ初めて降りてきてから地上の時間にしてほぼ60年が過ぎましたが、その間に9回ほど戻りました。」→

『ベールの彼方の生活③』→「初めのうちは地上時代の顔見知りの者がここへやってくる事がありましたが、今では1人もいなくなりました。みんな見知らぬ者ばかりです。でも1人ひとりの救済のための努力を続けております」この話を聞いて私は驚くと同時に大いに恥じ入る思いがした。

『ベールの彼方の生活③』この度の吾々一団の遠征は一時的なものにすぎない。それを大変な徳積みであるかに思い込んでいた。が、今目の前に立っている男はそれとは次元の異なる徳積みをしている。己れの栄光を犠牲にして他の者のために身を捧げているのである。その時まで私は1個の人間が→

『ベールの彼方の生活③』→同胞のために己れを犠牲にするという事の真の意味を知らずにいたように思う。それも、こうした境涯の者のために自ら死の影とも呼ぶべき暗黒の中に暮らしているのである。彼はそうした私の胸中を察したようです。私の恥じ入る気持を和らげるためにこう洩らした。

『ベールの彼方の生活③』「なに、これも主イエスへのお返しのつもりです―主もあれほどの犠牲を払われて吾々にお恵みを下さったのですから…」私は思わず彼の手を取ってこう述べた。「あなたはまさしく“神の愛の書”の聖句を私に読んで聞かせて下さいました。主の広く深き美しさと愛の厳しさは」→

『ベールの彼方の生活③』→「吾々の理解を超えます。理解するよりも、ただ讃仰するのみです。が、それだけに、少しでも主に近き人物、言うなれば小キリストたらんと努める者と交わる事は有益です。思うにあなたこそその小キリストのおひとりであらせられます」が、彼は頭を垂れるのみであった。

『ベールの彼方の生活③』そして私がその髪を左右に分けられたところに崇敬の口づけをした時、彼は独り言のようにこう呟いたのだった。「勿体ないお言葉―私に少しでもそれに値するものがあれば―その有難き御名に相応しきものがひとかけらでもあれば…」

『ベールの彼方の生活③』8章 暗黒界の探訪
【1 光のかけ橋】
bit.ly/2viJG2P
【2 小キリストとの出会い】
bit.ly/2viY8aS
【3 冒涜の都市】
bit.ly/2vM39vA
【4 悪の効用】
bit.ly/2vLIl7M
【5 地獄の底】
bit.ly/2vLEzuW
【6 強者よ、何ゆえに倒れたるや】
bit.ly/2viLkS3
【7 救出】
bit.ly/2vLIuIm

www.youtube.com/watch?v=QqJPejYHS_I&t=56s

山を愛する霊覚者・たきざわ彰人(アキト)祈†note(MP3)
bit.ly/2PUZlzv

ある青年ブログ「新天皇の登頂写真がどう見ても合成」
bit.ly/2E0NQ4R

現在WordPressとTwitterの作業を行っていますが防御のため詳細はお話できません。そして北岳がとても行きにくい山である事、徳仁はじめ明仁、文仁、悠仁は生まれてから死ぬまで国民にウソをつき続けねばならないバ〇ヤ〇ウどもである事を少しお話させて頂きました(祈)†

※録音時間短縮のため、かなり「語り足りない」部分がありますが、霊団はこの画像の事を一言も言ってきませんので、このレベルの録音にとどめさせて頂きました。このnoteを使ってのMP3のUP、もっと高頻度にやってもいいかも知れませんね(祈)†

ここまでの吾々の下降の様子はいたって大まかに述べたにすぎません。が、これから吾々はいよいよ光輝が次第に薄れゆく境涯へ入っていく事になります。これまでに地上へ降りて死後の世界について語った霊は、→

『ベールの彼方の生活③』→生命躍如たる世界については多くを語っても、その反対の境涯についてはあまり多くを語っておりません。いきおい吾々の叙述は理性的正確さを要します。と言うのも、光明界と暗黒界について偏りのない知識を期待しつつも、性格的に弱く、従って喜びと美しさによる→

『ベールの彼方の生活③』→刺戟を必要とする者は、その境界の“裂け目”を吾々と共に渡る勇気がなく、怖じ気づいて背を向け、吾々が暗黒界の知識を携えて光明界へ戻ってくるのを待つ事になるからです。さて、地上を去った者が必ず通過する(既にお話した)地域を通り過ぎて、吾々はいよいよ→

『ベールの彼方の生活③』→暗さを増す境涯へと足を踏み入れた。すると強靱な精神力と用心深い足取りを要する一種異様な魂の圧迫感が急速に増していくのを感じた。それというのも、この度の吾々は一般に高級霊が採用する方法、つまり身は遠く高き界に置いて通信網だけで接触する方法は→

『ベールの彼方の生活③』→取らない事にしていたからです。これまでと同じように、つまり自らの身体を平常より低い界の条件に合わせてきたのを、そこからさらに一段と低い界の条件に合わせ、その界層の者と全く同じではないが“ほぼ”同じ状態、つまり見ようと思えば見え、触れようと思えば触れられ→

『ベールの彼方の生活③』→吾々の方からも彼らに触れる事のできる程度の鈍重さを身にまとっていました。そしてゆっくりと歩み、その間もずっと右に述べた状態を保つために辺りに充満する雰囲気を摂取していました。そうする事によって同時に吾々はこれより身を置く事になっている暗黒界の住民の→

『ベールの彼方の生活③』→心情をある程度まで察する事ができました。その土地にも光の照っている地域がある事はあります。が、その範囲は知れており、すぐに急斜面となってその底は暗闇の中にある。そのささやかな光の土地に立って深い谷底へ目をやると、一帯を覆う暗闇の濃さは物凄く、→

『ベールの彼方の生活③』→吾々の視力では見通す事ができなかった。その不気味な黒い霧の上を薄ぼんやりとした光が射しているが、暗闇を突き通す事はできない。それほど濃厚なのです。その暗闇の世界へ吾々は下って行かねばならないのです。貴殿のご母堂が話された例の“光の橋”は→

『ベールの彼方の生活③』→その暗黒の谷を越えて、その彼方のさらに低い位置にある小高い丘に掛かっています。その低い端まで(暗黒界から)たどり着いた者はいったんそこで休憩し、それからこちらの端まで広い道(光の橋)を渡って来ます。途中には幾つかの休憩所が設けてあり、→

『ベールの彼方の生活③』→ある場所まで来ては疲れ果てた身体を休め、元気を回復してから再び歩み始めます。と言うのも、橋の両側には今抜け出て来たばかりの暗闇と陰気が漂い、しかも今なお暗黒界に残っているかつての仲間の叫び声が、死と絶望の深い谷底から聞こえてくるために、→

『ベールの彼方の生活③』→やっと橋までたどり着いても、その橋を通過する時の苦痛は並大抵の事ではないのです。吾々の目的はその橋を渡る事ではありません。その下の暗黒の土地へ下って行く事です。【今おっしゃった“小高い丘”、つまり光の橋が掛かっている向こうの端のその向こうは】→

『ベールの彼方の生活③』→【どうなっているのでしょうか。】光の橋の向こう側はこちらの端つまり光明界へつながる“休息地”ほどは高くない尾根に掛かっています。さほど長い尾根ではなく、こちら側の端が掛かっている断崖と平行に延びています。その尾根も山のごとく聳えており、→

『ベールの彼方の生活③』→形は楕円形をしており、すぐ下も“休息地”との間も、谷になっています。そのずっと向こうは谷の底と同じ地続きの広大な平地で、表面はでこぼこしており、あちらこちらに大きなくぼみや小さな谷があり、その先は一段と低くなり暗さの度が増していきます。

『ベールの彼方の生活③』暗黒界を目指す者は光の橋にたどり着くまでにその斜面を登ってこなければならない。尾根はさほど長くないと言いましたが、それは荒涼たる平地全体の中での話であって、実際にはかなりの規模で広がっており、途中で道を見失って何度も谷に戻ってしまう者が大勢います。

『ベールの彼方の生活③』いつ脱出できるかは要は各自の視覚の程度の問題であり、それはさらに改悛の情の深さの問題であり、より高い生活を求める意志の問題です。さて吾々はそこで暫し立ち止まり考えを廻らしたあと、仲間の者に向かって私がこう述べた。

『ベールの彼方の生活③』「諸君、いよいよ陰湿な土地にやってまいりました。これからはあまり楽しい気分にはさせてくれませんが、吾々の進むべき道はこの道であり、せいぜい足をしっかりと踏みしめられたい」すると1人が言った。「憎しみと絶望の冷気が谷底から伝わってくるのが感じられます。」

『ベールの彼方の生活③』「あの苦悶の海の中ではロクな仕事はできそうにありませんが、たとえわずかでも、一刻の猶予も許せません。その間も彼らは苦しんでいるのですから…」「その通り。それが吾々に与えられた使命です」そう答えて私はさらにこう言葉を継いだ。

『ベールの彼方の生活③』「しかも、ほかならぬ主の霊もそこまで下りられたのです。吾々はこれまで光明を求めて主のあとに続いてきました。これからは暗黒の世界へ足を踏み入れようではありませんか。なぜなら暗黒界も主の世界であり、それを主みずから実行して見せたからです」(暗黒界へ落ちた)→

『ベールの彼方の生活③』→(裏切り者のユダを探し求めて下りた事。訳者)かくして吾々は谷を下って行った。行くほどに暗闇が増し、冷気に恐怖感さえ漂い始めた。しかし吾々は救済に赴く身である。酔狂に怖いものを見に行くのではない。そう自覚している吾々は躊躇する事なく、しかし慎重に、→

『ベールの彼方の生活③』→正しい方角を確かめながら進んだ。吾々が予定している最初の逗留地は少し右へそれた位置にあり、光の橋の真下ではなかったので見分けにくかったのです。そこに小さな集落がある。住民はその暗黒界での生活にうんざりしながら、ではその絶望的な境涯を後にして→

『ベールの彼方の生活③』→光明界へ向かうかというと、それだけの力も無ければ方角も判らぬ者ばかりである。行くほどに吾々の目は次第に暗闇に慣れてきた。そして、ちょうど闇夜に遠い僻地の赤い灯を見届けるように、あたりの様子がどうにか見分けがつくようになってきた。あたりには朽ち果てた→

『ベールの彼方の生活③』→建物が数多く立ち並んでいる。幾つかがひとかたまりになっているところもあれば、1つだけぽつんと建っているのもある。いずこを見てもただ荒廃あるのみである。吾々が見た感じではその建物の建築に当たった者は、どこかがちょっとでも破損するとすぐにその建物を→

『ベールの彼方の生活③』→放置したように思える。あるいは、せっかく仕上げても、少しでも朽ちかかるとすぐに別のところに別の建物を建てたり、建築の途中でいやになると放置したりしたようである。やる気の無さと忍耐力の欠如があたり一面に充満している。絶望からくる投げやりの心であり、→

『ベールの彼方の生活③』→猜疑心からくるやる気の無さである。ともに身から出た錆であると同時に、同類の者によってそう仕向けられているのである。樹木もある事はある。中には大きなものもあるが、その大半に葉が見られない。葉があっても形に愛らしさがない。煤けた緑色と黄色ばかりで、→

『ベールの彼方の生活③』→あたかもその周辺に住む者の敵意を象徴するかのように、ヤリのようなギザギザが付いている。幾つか小川を渡ったが、石ころだらけで水が少なく、その水もヘドロだらけで悪臭を放っていた。

『ベールの彼方の生活③』そうこうしているうちに、ようやく目指す集落が見えてきた。市街地というよりは大小様々な家屋の集まりといった感じである。それも、てんでんばらばらに散らばっていて秩序が見られない。通りと言えるものは見当たらない。建物の多くは粘土だけで出来ていたり、→

『ベールの彼方の生活③』→平たい石材でどうにか住居の体裁を整えたにすぎないものばかりである。外は明り用にあちらこちらで焚き火がたかれている。そのまわりに大勢が集まり、黙って炎を見つめている者もいれば、口ゲンカをしている者もおり、取っ組み合いをしている者もいるといった→

『ベールの彼方の生活③』→具合である。吾々はその中でも静かにしているグループを見つけて側まで近づき、彼らの例の絶望感に満ちた精神を大いなる哀れみの情をもって見つめた。そして彼らを目の前にして吾々仲間同士で手を握り合って、この仕事をお与え下さった父なる神に感謝の念を捧げた。

『ベールの彼方の生活③』8章 暗黒界の探訪
【1 光のかけ橋】
bit.ly/2viJG2P
【2 小キリストとの出会い】
bit.ly/2viY8aS
【3 冒涜の都市】
bit.ly/2vM39vA
【4 悪の効用】
bit.ly/2vLIl7M
【5 地獄の底】
bit.ly/2vLEzuW
【6 強者よ、何ゆえに倒れたるや】
bit.ly/2viLkS3
【7 救出】
bit.ly/2vLIuIm

ググりまくってアレコレ調べ、プラグインを追加し、.htaccessの内容を書き替えてインポート上限を増やしたり、いろいろやってます。実はWordPressのブログをもうひとつ予備で持っていて、そちらへのインポートはできるようになったのですが、Tumblrが事実上使命遂行ブログとして使えない状態なのを受け、1.WordPress 2.ar7ブログに続く3つめのブログの構築が急務で、WordPressエクスポートデータをある外部ブログにインポートできないか試しているところですが、うまくいきませんねぇ。バックアップは絶対にやらねばならない作業だからです(祈)†

どんな不測の事態にさせられてもすぐに回復できるようにもっとWordPressについてお勉強する必要性を感じてます(祈)†