クリスマスは天国の保育園でもたいへん楽しい日です。なかよしのお友だちが、おたがいに心をこめたプレゼントを交換して、みんなでお祝いをするのです。もちろんそのプレゼントは、→
『スピリチュアルストーリーズ』→お金で買ってくるのではありません。ぜんぶ自分たちでつくるのです。あたたかい、やさしい心をこめて、いっしょうけんめいにつくるのです。ですから、どの品物にも、その人の性格があらわれており、だからこそ、たいせつなおくりものになるのです。
『スピリチュアルストーリーズ』さて、ジョンとローズマリーは、こんどのクリスマスには先生におくりものをして、びっくりさせてあげようと考えました。そして、2人で相談して、花びらや石ころを使って、いま2人が住んでいる家の絵をかくことに決めました。
『スピリチュアルストーリーズ』そう決めると、2人はさっそく材料を集めに行きました。砂や石ころ、葉っぱ、それに、いろんな種類の花がすぐに集まりました。2人はついこのあいだ、ねんどで作品をつくることをならったばかりなので、物をつくることは、とてもじょうずに→
『スピリチュアルストーリーズ』→できるのです。まもなく、2人がいま住んでいる小さな家とそのまわりの庭にそっくりな絵が、できあがりました。さて、いよいよ待ちに待った楽しいクリスマスの日になりました。2人は、その絵を持って先生のところへ行きました。
『スピリチュアルストーリーズ』そのとき先生は、近くの土手に出て、すがすがしい空気をすっていました。2人が得意そうに絵をさしだすと、先生の顔がよろこびでいっぱいになりました。ひと目見ただけで、2人のまごころがわかったのです。先生は心からのお礼を言いました。
『スピリチュアルストーリーズ』そして、「では、こんどは先生からのおくりものよ」と言って、2人に新しい服をくれました。ところが、2人ともあまりうれしそうではありません。2人は、もっとちがうものがほしかったのです。先生はすぐに、2人の心に気がつきました。
『スピリチュアルストーリーズ』「では、もう1つ、これをプレゼントしましょう」そう言って、土手に咲いていた花をつんで、ローズマリーにわたしました。しかし、それでもまだ、ローズマリーは満足そうな顔をしません。「先生が花をプレゼントしたのは、世界中で花こそが、」→
『スピリチュアルストーリーズ』→「美しさと完全さをいちばんよくあらわしているものだからよ。こんなにすてきなおくりものはないと思うんだけど…」この言葉を聞いて、ジョンも花がほしくなりました。「先生、ぼくにも1本ください」ジョンがそうおねがいすると、先生は→
『スピリチュアルストーリーズ』→こう言いました。「いいえ、その花は2人にあげたのですよ。神さまからのおくりものですから、2人でなかよく分けあわなくてはいけないのです。花だけでなく、神さまがつくられたものは、何でもみんなで分けあわなくてはいけません。」
『スピリチュアルストーリーズ』「『これは自分だけのものだ』と言って、1人じめにするのはいけないのです。神さまはいつでも、みなさんぜんぶのしあわせを祈っておられるのですからね」
『スピリチュアルストーリーズ』このお話を聞いて、2人の不満はいっぺんに消えてしまいました。そして、2人の心は、先生の教えで、あたたかく大きくふくらんでいくのでした。