ジョンとローズマリーも、そろそろ自分ひとりの力で物をつくることを学ぶ時期がきました。2人は先生につれられて、花びんやお皿をつくっている陶芸家のおじさんの家に行きました。
『スピリチュアルストーリーズ』家の中にはそれまでにお友だちがつくった花びんやお皿などが、たくさんならべてありました。どれを見ても、少しもかざりたてていないのに、じっと見ていると、1つひとつがほんとうに美しく見えてくるのでした。
『スピリチュアルストーリーズ』陶芸家のおじさんは、まずはじめに、どうすればねんどが自分の思うような形になるか、ということについて、すこしだけ説明をして、「あとは自分でやってごらんなさい」と言って2人を残して部屋を出ていきました。
『スピリチュアルストーリーズ』それからしばらくしておじさんが部屋へもどってみると、ジョンもローズマリーも、まだ何もつくれていませんでした。少しつくりかけては、すぐにこわしているのです。不思議に思ったおじさんは、少しはなれたところから、2人のつくるようすを→
『スピリチュアルストーリーズ』→見つめていました。2人がなぜうまくいかないか、おじさんにはすぐにわかりました。それは、最初から、まわりにあるりっぱな作品と同じものをつくろうとしているからでした。そこでこう言いました。
『スピリチュアルストーリーズ』「さあ、今日はこれでやめにしましょう。ねんどをあげますから、保育園に持って帰って、はじめからつくりなおしてごらんなさい」2人はよろこんで保育園に帰り、またはじめからつくりはじめました。
『スピリチュアルストーリーズ』そして2人が自分の作品をかかえて得意そうにおじさんの家を訪れたのは、それからまもなくのことでした。おじさんが見てみると、こんどはなかなかじょうずにできています。なぜでしょうか?
『スピリチュアルストーリーズ』それは、さっきは、自分よりじょうずな人がつくったものを、いきなりまねしようとしていましたが、こんどはまねしないで、自分ひとりで、いっしょうけんめいつくったからです。また、こんどは2人ともおたがいにまったくちがったものを→
『スピリチュアルストーリーズ』→つくっていました。それがほんとうなのです。なぜかと言うと、ジョンもローズマリーも、それぞれ自分の考えで作品をつくったからです。陶芸家のおじさんは、それを見て、とてもよろこびました。
『スピリチュアルストーリーズ』「これで、ジョンくんもローズマリーちゃんも、自分ひとりで生きていくということを学んでくれた」おじさんは、そう思って、安心したのです。このお話が教えていることは、天国だけのことではありません。
『スピリチュアルストーリーズ』地上にいるわたしたちの生活においても、たいせつなことなのです。お友だちの作品からよいところを学ぶことはたいせつですが、ぜんぶをまねてしまってはいけません。自分の力で自分のものをつくるように心がけましょう。