ジョンとローズマリーのいる保育園で、ある日、数人のお友だちが考えを出しあって、1枚の大きな絵をかき、それを遠いところにあるもう1つの保育園のお友だちにプレゼントしようということになりました。
『スピリチュアルストーリーズ』そして、その絵を持っていく人に、ジョンとローズマリーの2人がえらばれました。2人が、特によい考えを出したからです。しかし2人は、これまで1度も2人だけで遠くへ出かけたことがありません。遠くへ行くときはいつも、→
『スピリチュアルストーリーズ』→先生がついていってくれたからです。ですが、こんどは、どうしても2人きりで行かなくてはなりません。2人は迷子にならないかしらと心配でした。すると先生が言いました。「だいじょうぶですよ。いま先生が、道順を教えてあげますから」
『スピリチュアルストーリーズ』ところが2人は、こんどは帰り道のことが心配になってきました。そのことを先生に言うと、先生は、こう言って2人をはげましました。「心配することがいちばんいけません。勇気を出して、かならず帰れると信じて行くのです。」
『スピリチュアルストーリーズ』「そうすれば、けっして迷うことはありません」2人は「はい!」と元気よく返事をして、まもなく保育園を出発しました。さて、2人は、先生から教わった道をたどりながら、はるばる野をこえ山をこえて、とうとう目的地の保育園に着きました。
『スピリチュアルストーリーズ』すると、そこのお友だちがみんな出てきて、2人を歓迎してくれました。そこで、2人がさっそく持ってきた絵を見せると、みんな口ぐちに、「すごいなあ!」「きれいだなあ!」「ありがとう!」と言って、よろこんでくれました。
『スピリチュアルストーリーズ』用事がすむと、2人はすぐに「さよなら」を言って、帰りをいそぎました。帰るときの2人は、来るときとちがって、道のことが心配でなりませんでした。少し行くと、道が2つに分かれているところに来ました。
『スピリチュアルストーリーズ』さあ、2人は「来るときは、どっちの道を通ったかしら?」と顔を見あわせました。しばらくじっと立ったままです。2人は、どんどん心配になってきました…。そのときです。2人の頭に「勇気を出して、かならず帰れると信じて行くのです」という→
『スピリチュアルストーリーズ』→先生の言葉がうかびました。「そうだ、勇気を出すんだ!」2人はそう言って顔を合わせ、手をつないで歩きはじめました。すると、不思議なことがおこりました。片方の道に、白い花がいっぱい咲いているのが見えはじめたのです。
『スピリチュアルストーリーズ』よく見ると、2人が歩いた足あとに1本ずつ、かわいい野菊が咲いているのです。「やっぱり、この道を行けばいいんだ!」2人はそう言って、ますます元気を出して歩きました。
『スピリチュアルストーリーズ』そして、まもなく元気に保育園に帰ることができました。こうして2人は、〈勇気〉と〈信じること〉のたいせつさを学んだのでした。