—–三章1
『ベールの彼方の生活①』
【愛と叡智 一九一三年十月十日 金曜日】私たちの日常生活とあなた方の日常生活とを比較して見られれば結局はどちらも学校で勉強しているようなものである事、実に大きな学校で沢山のクラスがあり大勢の先生がおられる事、しかし教育方針は一貫しており、―
『ベールの彼方の生活①』
―単純な事から複雑な事へと進むようになっている事、そして複雑という事は混乱を意味するのではなく宇宙の創造主たる神を知れば知るほどその知る喜びによって一層神への敬虔なる忠誠心を抱くように全てがうまく出来あがっている事を悟るようになります。
『ベールの彼方の生活①』
そこで今日も従来からのテーマを取上げて、こちらの世界で私たちが日頃どんな事をして過ごしているのか、神の愛がどのように私たちを包み、謙虚さと愛を身につけるにつれて事物がますます明快に理解されていくかを明らかにしてみましょう。
『ベールの彼方の生活①』
こちらの事情で大切な事の一つに叡智と愛のバランスが取れていないといけない事が挙げられます。両者は実は別個のものではなく一つの大きな原理の二つの側面を表しているのです。言わば樹木と葉の関係と同じで、愛が働き叡智が呼吸しておれば健全な果実が実ります。
『ベールの彼方の生活①』
解り易く説明するために私たちが自分自身の事、及び私たちが指導する事を許された人々の世話をする中でどういう具合にその愛と叡智を取入れて行くか、一つの具体例をあげてみましょう。
『ベールの彼方の生活①』
つい先頃の事ですが私たちは一つの課題を与えられ、その事で私たち五人で遠く離れたところにある地域を訪れる事になりました。目的は神の愛の存在について疑念を抱き、あるいは当惑している地上の人間に対して取るべき最良の手段を教わる事でした。
『ベールの彼方の生活①』
と言うのも、そうしたケースを扱う上でしばしば私たちの経験不足が障害となっていましたし、またあなたもご存知の通り地上にはそういう人が多いのです。
皆さん、地上のどんな学問、思想より何より何より大切な霊的知識を得ましょう。向うの事は向うへ行ってから、では遅いのです。今すぐ学べる教材は揃っているのです。殆どの人間が霊的知識に全くの無知で他界し、下層界は無知な霊で一杯なのです。僕たちはそうならないよう学ばねばなりません(祈)
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『ベールの彼方の生活①』
そこにあるカレッジの校長先生は地上では才能豊かな政治家だった方ですが、その才能が地上ではあまり発揮されずこちらへ来て初めて存分に発揮できるようになり、結局地球だけが鍛練の成果が発揮される場でない事を身をもって理解された訳です。
『ベールの彼方の生活①』
訪問の目的を述べますと、その高い役職にも拘らず少しも偉ぶらず極めて丁重で親切に応対されました。あなたたちなら多分天使と呼びたくなるだろうと思われるほど高貴な方で、もしそのお姿で地上に降りたら人間はその輝きに圧倒される事でしょう。
『ベールの彼方の生活①』
容姿もお顔も本当に美しい方で、それを形容する言葉としてはさしずめ“燦然たる光輝に燃え立つような”というところでしょう。親身な態度で私たちの話に耳を傾けられ時折静かな口調で“それで?”と言って話を促され、私たちはついその方の霊格の高さも忘れて、―
『ベールの彼方の生活①』
―恐れも遠慮もなく話しました。するとこうおっしゃいました。「生徒の皆さん―ここにいる間は生徒という事にしましょう―お話は興味深く拝聴致しました。と同時に、そういうお仕事によくある問題でもあります―」
『ベールの彼方の生活①』
「さてそうした問題を私が今あっさり解決してあげれば皆さんは心も軽くお仕事に戻る事ができるでしょう。がイザ仕事に携わってみるとまたアレコレと問題が生じます。なぜか―」
『ベールの彼方の生活①』
「それは一番に心に銘記しておくべき事というものは体験してみなければ解らない細々とした事ばかりだからです。それがいかに大切であるかは体験してみて初めて解るという事です。では私についてお出でなさい。大事な事をこれからお教えしましょう。」
『ベールの彼方の生活①』
私たちは先生の後について敷地内を歩いて行きました。庭では庭師が花や果物の木の剪定などの仕事に専念しておりました。小道を右に左に曲りながら各種の植込みの中を通り抜けました。小鳥や可愛い動物がそこここに姿を見せます。やがて小川に出ました。
「迷える霊との対話」自分が既に肉体を失い地縛霊になってる事に気づいてない数々の下層界のスピリットが登場します。クリスチャンサイエンスの教祖が懺悔したりもしてます。この本は最高に考えさせられる内容です。僕たちはこのスピリットたちと同じにならないよう霊的知識を得るべきなのです(祈)
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『ベールの彼方の生活①』
そしてすぐ側にエジプトの寺院のミニチュアのような石の東屋があり、私たちはその中に案内されました。天井は色とりどりの花で出来た棚になっており、その下の一つのベンチに腰掛けると先生も私たちのベンチと直角に置いてあるベンチに腰を下ろされました。
『ベールの彼方の生活①』
床を見ると何やら図面のようなものが刻み込まれております。先生はそれを指さしてこうおっしゃいました。「さてこれが今私があなた方を案内して回った建物と敷地の図面です。この印のところが今いる場所です―」
『ベールの彼方の生活①』
「ご覧の通り最初に皆さんとお会いした門からここまで相当の距離があります。皆さんはおしゃべりに夢中でどこをどう通ったかは一切気にとめられなかった。そこでこれから今来た道を逆戻りしてみるのも良い勉強になりますし、まんざら面白くない事もないでしょう―」
『ベールの彼方の生活①』
「無事お帰りになってお会いしたら先程お聞きしたあなた方の問題についてアドバイス致しましょう。」そうおっしゃって校長先生は立ち去られました。私たちは互いに顔を見合わせ先生が迷路のような道を連れて回られた目的に気づかなかったそのうかつさを互いに感じて、―
『ベールの彼方の生活①』
―どっと笑い出しました。それから図面を何度も何度も調べました。直線と三角と四角と円がごちゃごちゃになっている感じで始めは殆ど判りませんでした。がそのうち徐々に判りはじめました。それはそのコロニーの地図で、東屋はその中心、ほぼ中央に位置しております。
『ベールの彼方の生活①』
が入口が記されておりません。しかもそれに通じる小道が四本あってどの道を辿ればよいかが判りません。しかし私はこれは大した問題でないと判断しました。と言うのも四本ともコロニーの外郭へ繋がっており、その間に何本もの小道が交叉していたからです。
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