—–六章
『シルバーバーチの霊訓⑤』
【ナザレのイエスは今どういう仕事に携わっているのか。ある日の交霊会でシルバーバーチは、イエスは今すっかり教義とドグマと権力という雑草に覆われてしまった霊的真理の本来の姿を今一度明らかにする為の霊界からの地球的規模の働きかけの最高責任者であると述べた―】
『シルバーバーチの霊訓⑤』
【その事について別の交霊会で次のように述べた―】ほぼ二千年前にイエスは磔刑にされました。それはただ当時の祭司たちがイエスを憎んだからにすぎません。イエスを通して霊力のほとばしりを見せつけられたからでした。
『シルバーバーチの霊訓⑤』
まさに神の子に相応しい人物だったからに他なりません。このままでは自分たちの立場が危ないと思ったのです。私たちが今それと全く同じ反抗に遭っております。宗教界がこぞって“真理”を磔刑にしようとしております。しかしそれは不可能な事です。
『シルバーバーチの霊訓⑤』
真理はただ真理であるが故にあらゆる反抗、敵対行為の中でも厳然と存在し続けます。キリスト教会の外部では次々と霊力が顕現しているにも拘らず、空虚で侘しい限りの巨大な建造物の中には、その陰気な暗闇を照らす霊力の光は一条も見られません。
『シルバーバーチの霊訓⑤』
【そういうキリスト教は死滅してしまった方がましだとおっしゃるのでしょうか―】私はレンガとモルタル、祭壇と尖塔でできた教会には何の興味もありません。何の魅力も感じません。建造物にはまるで関心が無いのです。私が関心を向けるのは“魂”です。
『シルバーバーチの霊訓⑤』
それで私は神とその子の間に横たわる障壁を取除く事に奮闘しているのですが不幸にして今日では教会そのものが障壁となっているのです。これほど大きな罪悪があるでしょうか。宇宙の大霊である神は一個の教会に局限されるものではありません。
『シルバーバーチの霊訓⑤』
一個の建造物の中に閉じ込められるものではないのです。神の力は人間各自がその霊性を発揮する行為の中に、すなわち自我を滅却した奉仕の行為、困窮せる無力な同胞のために一身を捧げんとする献身的生活の中に顕現されるのです。そこに宇宙の大霊の働きがあるのです。
『シルバーバーチの霊訓⑤』
確かにキリスト教界にも奇特な行いをしている真摯な人材がそこここに存在します。が私が非難しているのはその組織です。それが障害となっており是非とも取除かねばならないからです。
『シルバーバーチの霊訓⑤』
真の宗教には儀式も祭礼も、美しい歌唱も詠唱も、きらびやかな装飾も豪華な衣装も式服も不要です。宗教とは自分を役立てる事です。同胞のために自分を役立てる事によって神に奉仕する事です。私はこれまでその事を何度申上げてきた事でしょう。
『シルバーバーチの霊訓⑤』
然るに教会は人類を分裂させ国家と階級を差別し戦争と残虐行為、怨恨と流血、拷問と糾弾の悲劇を生み続けてまいりました。人類の知識と発明と科学と発見の前進に抵抗してきました。新しい波に呑み込まれるのを恐れて既得の権利の確保に汲々としてきました。
『シルバーバーチの霊訓⑤』
しかし新しい霊的真理は既に根づいております。もはやその流れをせき止める事は出来ません。【イエスの意気込みが察せられます―】誤解され、崇められ、今や神の座に祭り上げられてしまったイエス―そのイエスは今どこにおられると思われますか。
『シルバーバーチの霊訓⑤』
カンタベリー大聖堂ではありません。セントポール寺院でもありません。ウェストミンスター寺院でもありません。実はそうした建造物がイエスを追い出してしまったのです。イエスを近づき難い存在とし、人類の手の届かぬところに置いてしまったのです。
『シルバーバーチの霊訓⑤』
単純な真理を寓話と神話を土台とした教義の中に混ぜ合わせてしまい、イエスを手の届かぬ存在としてしまったのです。今なおイエスは“人類のために”働いておられます。それだけの事です。それを人間が(神学や教義を拵えて)難しく複雑にしてしまったのです。
『シルバーバーチの霊訓⑤』
しかも今こうして同じ真理を説く私たちの事を天使を装った悪の勢力でありサタンの声であり魔王のそそのかしであると決めつけております。
『シルバーバーチの霊訓⑤』
しかし既にキリスト教の時代は過ぎました。人類を完全に失望させました。人生に疲れ、絶望の淵にいる地上世界に役立つものを何一つ持ち合わせていません。
今抜粋の【イエスの意気込みが察せられます―】の部分、僕も思いきり肌で感じ取らせて頂いてます。並々ならぬ決意の程を何度となくインスピレーションにて受取らせて頂いてるからです。僕たちはイエス様のご意志をそろそろ理解して霊的知識の入口に立つべきだと思います。そこから始まるんです(祈)
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『シルバーバーチの霊訓⑤』
【シルバーバーチによるとイエスは年二回、イースターとクリスマスに行われる指導霊ばかりの会議を主催しているようである。その時期には交霊会も二、三週間にわたって休暇となる。時折その前後の交霊会で会議の様子を説明してくれる事がある―】
『シルバーバーチの霊訓⑤』
【次に紹介するのは休暇に入る前の最後の交霊会での霊言である―】この機会は私にとって何よりの楽しみであり心待ちにしているものです。この時の私は僅かな期間ですが本来の自分に立ち帰り、本来の霊的遺産の味を噛みしめ、霊界の古き知己と交わり、―
『シルバーバーチの霊訓⑤』
―永年の向上と進化の末に獲得した霊的洞察力によって実在を認識する事のできる界層での生命の実感を味わう事ができます。自分だけ味わってあなた方に味わわせてあげないというのではありません。
『シルバーバーチの霊訓⑤』
味わわせてあげたくても物質界に生きておられるあなた方、感覚が五つに制限され肉体という牢獄に閉込められ、そこから解放された時の無上の喜びをご存知ないあなた方、たった五本の鉄格子の間から人生を覗いておられるあなた方には、―
『シルバーバーチの霊訓⑤』
―本当の生命の何たるかを理解する事はできないのです。霊が肉体から解放されて本来の自分に帰った時、より大きな自分、より深い自我意識に宿る神の恩寵をどれほど味わうものであるか、それはあなた方には想像できません。
『シルバーバーチの霊訓⑤』
これより私はその本来の自分に帰り幾世紀にもわたる知己と交わり私が永い間その存在を知りながら地上人類への奉仕のために喜んで犠牲にしてきた“生命の実感”を味わいます。これまで仕舞ってきたものをこの機会に味わえる事を私が嬉しくないと言ったら嘘になりましょう。
『シルバーバーチの霊訓⑤』
ご存知の通り、この機会は私にとって数あるフェスティバル(嬉しい催し)の中でも最大のものであり、あらゆる民族、あらゆる国家、あらゆる分野の者が大河をなして集結して一堂に会し、それまでの仕事の進捗具合を報告し合います。
『シルバーバーチの霊訓⑤』
その雄大にして崇高な雰囲気はとても地上の言語では表現できません。人間がインスピレーションに触れて味わう最大級の感激も、そのフェスティバルの味わう私どもの実感に較べれば、まるで無意味な、ささいな出来事でしかありません。
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