—–五章1
『ベールの彼方の生活①』
【罪の報い 一九一三年十月二三日 木曜日】天界における向上進化の仕組は実に細かく入組んでおり、いかに些細な要素も見逃さないようになっておりますから、それを細かく説明していったらおそらくうんざりなさる事でしょう。
『ベールの彼方の生活①』
ですがここで一つだけ実例を挙げて昨晩の通信の終りで述べた事を補足説明しておきたいと思います。最近の事ですが、また一人の女性が暗黒界から例の“橋”に到着するという連絡を受け、私ともう一人の仲間二人で迎えに行かされた事がありました。
『ベールの彼方の生活①』
急いで行ってみますと件の女性が既に待っておりました。一人ぽっちです。実はそこまで連れて来た人たちがその女性に瞑想と反省の時を与えるためにわざと一人にしておいたのです。これからの向上にとってそれが大切なのです。
『ベールの彼方の生活①』
一本の樹木の下の芝生の坂にしゃがんでおり、その木の枝が天蓋のようにその方を覆っております。見ると目を閉じておられます。私たちはその前に立って静かに待っておりました。やがて目を開けると怪訝そうな顔で私たちを見つめました。
『ベールの彼方の生活①』
でも何もしゃべらないので私から「お姉さま!」と呼びかけてみました。女性は戸惑った表情で私たちを見つめていましたが、そのうち目に涙をいっぱい浮かべ、両手で顔を覆い、膝に押し当ててさめざめと泣くのでした。
『ベールの彼方の生活①』
そこで私は近づいて頭の上に手を置き「あなたは私たちと姉妹になられたのですよ。私たちは泣かないのですから、あなたも泣いてはいけません」と言いました。
『ベールの彼方の生活①』
「私が誰でどんな人間か、どうしてお判りになるのでしょう」その方は顔を上げてそう言い、しきりに涙をこらえようとしておりましたが、その言葉の響きにはまだどこか、ちょっぴり私たちに対する反撥心がありました。
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『ベールの彼方の生活①』
「どなたかは存じませんが、どんな方であるかは存じ上げております。あなたはずっと父なる神の子の一人でいらっしゃるし、従って私たちと姉妹でもありました。今ではもっと広い意味で私たちとしまいになったのです。それ以外の事はあなたの心掛け一つに掛っております。―」
『ベールの彼方の生活①』
「―つまり父なる神の光の方へ向かう人となるか、それともそれが辛くて再びあの“橋”を渡って戻っていく人となるかは、あなたご自身で判断を下される事です」と私が述べると暫く黙って考えてから「決断する勇気がありません。どこもここも怖いのです」と言いました。
『ベールの彼方の生活①』
「でもどちらかを選ばなくてはなりません。このままここに留まる訳には行きません。私たちと一緒に向上への道を歩みましょう。そうしましょうね。私たちが姉妹としての援助の手をお貸しして道中ずっと付添いますから」
『ベールの彼方の生活①』
「ああ、あなたはこの先がどんなところなのかをどこまでご存知なのでしょう」その声には苦悶の響きがありました。「今まで居たところでも私の事をみんな姉妹のように呼んでくれました。私を侮っていたのです。姉妹どころか反対に汚名と苦痛の限りを私に浴びせました―」
『ベールの彼方の生活①』
「―ああ、思い出したくありません。思い出すだけで気が狂いそうです。と言って、この私が向上の道を選ぶなんて、これからどうしてよいか判りません。私はもう汚れ切り堕落しきったダメな女です」その様子を見て私は容易ならざるものを感じ、その方法を断念しました。
『ベールの彼方の生活①』
そして彼女にこういう主旨の事を言いました。当分はそうした苦しい体験を忘れる事に専念しなさい。そのあと私たちも協力して新しい仕事と真剣に取り組めるようになるまで頑張りましょう、と。彼女にとってそれが大変辛く厳しい修行となるであろう事は容易に想像できました。
『ベールの彼方の生活①』
でも向上の道は一つしかないのです。何一つ繕う事が出来ないのです。全ての事―現在までの一つ一つの行為、一つ一つの言葉が、あるがままに映し出され評価されるのです。神の公正と愛が成就されるのです。。それが向上の道であり、それしかないのです。
霊界には病気はない。原理的には地上における死も霊界における死も全く同じ、つまり古い身体を棄て去るだけの事であるが、霊界の死は、次の世界へ行くだけの霊格を身につけた者に自然に訪れる“脱皮現象”なのである。―【これが死後の世界だ】より
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