『ベールの彼方の生活①』
私たち五人が本来の界へ帰り着いた時、私たちの属する霊団の最高指導霊であらせられる女性天使も例の“かけ橋”での用事を終えて既に帰っておられました。この度はあなたもよくご存知の婦人を連れて帰られました。【どうぞその方のお名前を!―】S婦人です。
『ベールの彼方の生活①』
あの方は死後、不如意な体験が重なりました。こちらへ来られた当初は急速な進歩が得られる境涯へ案内されたのですが、あの方の場合は複雑でした。性格が複雑な方だったために、どこに置かれてもしっくり来なかったのです。
『ベールの彼方の生活①』
いろいろと工夫して援助してあげたのですが、しかし―これはあなたもぜひ知っておくべき事ですが―こちらでは自由意志と個性が非常に重要視され、いくらその人のためになる事でも押し付ける事は許されないのです。
『ベールの彼方の生活①』
S婦人は間もなく気持が落着かなくなり、私たちも本人の好きにさせる他はないと判断しました。そこで警告と忠告を十分に与えた上で二つの道の岐路に案内して、好きな方角を選ぶに任せたのです。
『ベールの彼方の生活①』
但し指導霊を付けて蔭から監視させ、必要とあらばいつでも援助の手を差伸べる用意をした上での事です。さて婦人は自分の求めるもの、つまり“心の落着き”を得るためにはどこへ行けばよいか、何をすればよいか迷っておりました。
『ベールの彼方の生活①』
それで相当永い間、例の“かけ橋”の近くをウロウロしておりました。そのS婦人がようやく自分の誤りに気づいて光明の方へ足を向け、女性天使に連れられて最初の境涯へ戻ってくる事になったのは、我が侭を通せば通すほど暗闇が増し、―
『ベールの彼方の生活①』
―会う人も見る光景も聞く音も心地良さが薄れ、時には恐怖さえ覚えさせるものになって行きつつある事に気づいてからでした。今もまだまだ進歩は遅いようです。ですが頑なな心が次第に和らかさを増し、謙虚さと信頼心が強まりつつあります。そのうち立派になられるでしょう。
『ベールの彼方の生活①』
これまで私がS婦人の消息が判らずお役に立てなかったのも、こうした経緯があったからです。これからは時の経過と共に少しずつ力になってあげられる事と思います。私がこれから当分の間仕事に従事する事になっているこの土地へ連れて来られたのも多分そのためでしょう。
『ベールの彼方の生活①』
あの方の事は私は地上ではあなたを通じて存じ上げていただけで、あまりよく知りませんでした。私とのこの度のご縁は多分あの方のお子さんたちとあなたとの情愛がかけ橋となっているのでしょう。こちらでは地上でのご縁が全て生かされております。
『ベールの彼方の生活①』
ふとした縁、行きずりの縁も意味があるものです。人生におけるあらゆる出会いが何らかの影響を及ぼしております。たまたま隣り合わせに腰掛けた人と交わした会話、偶然の出会い、ふと買い求めた一冊の本、友人の紹介で握手を交わし、それきり生涯会う事の無かった人等々、―
『ベールの彼方の生活①』
―全てが記録され、考慮され、整合されて、必要に応じて利用されます。今回の私とS婦人との関係もその一つの例と言えましょう。ですから日常の行為の一つ、言葉の一つにも気をつけなくてはいけません。神経質になるのではなく常に人の為を思いやる習慣を身につける事です。
『ベールの彼方の生活①』
いつでも、どこでも親切の念を出し続ける習慣です。これは天界では大変重要な事で、それが衣服に明るさを、そして身体に光輝を与えるのです。
『ベールの彼方の生活①』
ではお寝みなさい。この挨拶は“良い夜”をお過ごし下さいという意味ですから地上の方には意味がありますが、私たちには意味がありません。こちらでは“善”を愛する者にとっては全てが“良い”事ばかりであり、絶対的な光に満ちておりますから“夜”が無いのです。
人間は食べて飲んで寝て暇になれば愚にもつかぬ事に打ち興じるこの世限りのお粗末な存在ではなく、これから先も死を超えて永遠に生き続けていく霊的存在だという自覚は、人間にとって掛けがえのない福音であり無味乾燥の唯物主義的人生に希望と喜びを与えてくれる―【スピリチュアリズムの真髄】より
HOME | ピーチピチ(佳子) | 切断死体の撮影 | 処刑遊び | コイツら死刑 | 暗殺 | 放火 | Dreamwork | Profile | アナログ絵 | フラー | コメントファイヤー | 神 | 山駆けるヒカリ | 葛飾北斎の墓 | 主なブログ | 全ブログURL | 動画 | 霊関連書籍 |