【5/15】これが死後の世界だ (2)庭作り

次は同じくトーマス『死の彼方の夜明けに』からの抜粋で、ここでは意念の働き方が滑稽な実話で語られていて面白い。
「この交霊会で私(トーマス氏)の父は園芸の話を持ち出し、私の知人で地上で園芸を専門にやっていたホーキングス氏を呼んで話をさせた。ホーキングス氏はフィーダを通じて今日の会の様子はいちいち耳に入っていたこと、そして私の父が説いた説は非常に面白いと思うと述べ、さらに次のように語った。
ホーキングス氏(注14)「では私の話を聞いていただきましょうか。先日とても面白い体験をしたのです。私はこちらへ来てから間もなく、ある一家の庭園の世話を言いつけられました。その一家はもちろんひとりずつ前後してこちらへ来たわけですが、ちょうど私の界で家族の者全部がいっしょになったわけです。
そこで庭園を作ろうという話が出て、私がその指導をすることになったわけです。こちらでの私の仕事は、本当に庭作りに興味をもっている人、あるいは園芸の観賞力をもっている人のために前もって庭園を作っておいてあげることです。
「その一家の世話は私もまったく予期していませんでしたので、突然指導霊から言いつけられた時は本当にびっくりしました。が、その家へ行ってみて尚更おどろきました。でたらめもでたらめ、それこそお話にならない庭の様子だったのです。
ひとりがバラを植えようとし、もうひとりがヒエン草を植えようと考える。その念が同じ場所に働くものですからゴチャゴチャになるわけです。いつの間にかバラ園のド真ん中にリラの木が立っていたりすることもあります。まるでツギハギだらけの敷物のようで、見られたものではありません。
ひとりが畑の真ん中に細い道を作っていくと、いつの間にかその道に石ころが積み上げられています。岩石庭園(ロックガーデン)を作りたいという誰かの意念がそうさせるわけです。そうみているうちに今度はそのド真ん中が泥沼になっていきます。誰かが水蓮を植えようと考えているのでしょう。その様子を見ていた私は思わず“ヤレヤレどうしましょう”と叫んでしまいました。
しかし相変らずみんな自分の思い通りにやろうとして1歩も退きません。そこで私はみんなに一たん手をひくように説得して、庭にあったものを全部取り払ってしまいました。壊してしまったわけではありません。しばらく別の場所へ持って行ったのです。」
トーマス氏「いっそのこと壊してしまった方が手っ取り早いのではないですか。」
ホ氏「いえ、新参者にそんなことをすると、せっかく出始めた創造力の芽を摘み取ってしまうことになりかねません。お粗末とは言え折角の創造物なのですから、一応尊重してやらねばなりません。とは言え、その時の庭のひどさに私はすっかり呆(あき)れ果ててこう言いました。
“ほう、誰かさんは水蓮を植えたくて池を拵えようとしましたね。なかなかいいのが出来てるではないですか。誰かさんはリラの木とバラの花がお好きなんですね。それからどなたか芝生を植えて真ん中に水蓮池を拵えようと考えましたね。小道が半分まで出来ていて、石ころが少しばかりころがっていますね。”と」
ト氏「ずいぶんひどいですね。で、それらを全部取り払ったわけですか。」
ホ氏「ええ、始めのうち、ちょっとした諍(いさか)いがありましたので私が“もうよろしい。私に任せて下さい。私はそれが目的で呼ばれたのですから”と言って、一応庭にあるものを取り払ってしまいました。それには時間らしい時間はかかりませんでした。すっかり無くなった庭を見て、みんな口々に“せっかく作ったのに”と言って不服そうにしていました。」
ト氏「小道や芝生まで消えてしまうなんて私たちには考えられませんね。」
ホ氏「作るのも消すのも自由自在ですよ。その原理はお父さんに説明していただいた方が確かだと思います。別に私がひとつひとつ他所(よそ)へ持っていくわけではありません。いつの間にか失くなっているのです。
(ここでホ氏が何か化学的変化が起きるのだろうと思うと言うと、父が割って入って、その原理は氷が溶けて水となり、さらにそれが水蒸気となり、こんどは逆に水蒸気が水となり再び氷になるのと同じ理屈だと説明した。)
ホ氏「もちろんその変化を司(つかさど)るのは意念です。その作用の原理は温度が食物を変化させるようなものだと思えばよいでしょう。」
「さっきの続きですが、一応庭を元どおりにしてから私はこう言ってやりました。“バラ園を作る時はバラ園のことだけを考えなさい。バラ以外のことは絶対に考えないように。そしてバラ園が恰好がついたら、次に芝生のことを考えなさい。もちろんその時は芝生以外のことは一切考えてはいけません。”
そう注意しておいて私は仕事をバラ園、芝生、顕花灌木というふうに分け、それを家族ひとりひとりに分担してやりました。そしてロックガーデンのことは後回しにして、しばらく自分の受け持ちに意念を集中するように言いつけました。」
「さて、そうやってひとりひとりに仕事を分担させておいて、大体の形が出来あがったところでそれを順々に庭へ置いていきました。まず芝生を作り、その中にバラ園を置き、次に水蓮池を適当な場所に据えました。水蓮池は一部しか出来ていなかったのですが、“あとで仕上げますから”と言って一応そのままで使いました。
「そこまで済ませた時、私の頭に小石を敷いた小道で囲まれた円形のロックガーデンの光景が浮かびました。私はその光景を水蓮池の完成図と共にひとまず“精神の戸棚”の中にしまっておいて、取りあえず通用路の完成を急ぎました。
「間もなく通用路が出来あがったので、次に水蓮池を仕上げ、最後にロックガーデンを拵えてみました。家族の人たちは私の仕事ぶりを観察しておりましたが、非常に感心したらしく、また出来あがった庭園がいかにも気に入った様子でした。これがその一家にとってよい教訓となったことは言うまでもありません。庭園についての諍いも、もうないでしょう。
「もちろんこの庭作りはその一家がこちらへ来て間もない頃のことだったのですが、私にとっては、こちらでやった仕事の中ではいちばんの難儀でした。何しろ芝生をきれいに手入れして、やおら振り返ってみると、いつの間にか石ころがころがっていたりするのですから。誰かが石ころのことを考えたからです。
私には誰が念じたかがすぐに判るので、すぐにそのことを注意してやります。実際しゃくにさわりますよ。あなただって、せっかく芝刈機できれいにしたあとに石ころを投げ入れられたら面白くないでしょう。その気持と同じですよ。そんな時は、やった者に仕末をさせます。もちろん意念でやらせるのです。いい勉強になりました。
「私はもともと庭を作ってあげるだけが本職なのですが、実際には今お話した場合のように庭作りを通じて何らかの教訓を授けること、そのほか目に見えない目的をもたされております。
いまの一家も、あの経験によって物事は“秩序だてて”実行すべきこと、そして同時に工夫ということをしなければならないことを学んだはずです。私は工夫するということを第一と心得ております。いい加減な庭は決して作りません。どうしてもいい庭が作れない人の世話もしましたが、結局そういう人は工夫ということをしないからです。」
「お父さんから頼まれた庭作りの話は以上ですが、私はこんなことばかりやっているのではありません。そうね、“本部”とでも言うべき所での仕事もあります。材料を配布する施設で、地上の郵便局に似たところがあります。投函された手紙が集められて本局に持って来られて、そこで選り分けられて各地へ発送されるという、あの仕組みにそっくりです。
フィーダ「ホーキングスさんはまだ話を続けています。本部の仕組みは地上よりはるかにうまく出来ていると言っています。地上だと果物を生産した人はそれをどこの市場に出すといちばんよく売れるかが判らない。だから需要のない時はせっかくの産物を捨ててしまうこともある。
地上もいつかはこちらと同じやり方にしなければならなくなるだろうと言っています。つまり情報部があって、どこで何の需要があるということが判るようになっていて、その需要に応じて供給されるわけです。」
「情報がどういう形で入ってきて、それをどう処理するかを説明しようとしていますが、私には何のことだかわからないので、言葉をそのまま取り次いでみます。
ホ氏「この本部の仕事だけど、私も時おり手伝います。ここでもやはり着実と迅速がモットーです。バラ畑だのユリ池だのという注文が各地からいっぱい届く。その注文を郵便局でやるように地区別に分類することが出来るのです。係をきめて、君はバラ畑、君はユリ池、という具合に分けるのです。担当者は自分の受け持ちの情報だけに注意していればいいわけです。」

「死んだ人間にできるだけ真実を教えようとします」僕が霊界の仕事をしているという意味です(祈)†
【神】が経綸するこの全宇宙には目的があり、それは「進化」の一語に尽きると思います。全天体、全存在(生命)が進化を目的として永遠とも思える霊的向上の旅を続けています。霊的進化のゴールと言える至福の境涯ニルバーナは存在せず、神の御胸に向けての永遠の進化の旅が続くのですが、僕たちが現在在籍している地球圏は神が経綸する全宇宙の中のほぼ最低ランクの存在の場であり全く進化が足りません。イエス様を最高指揮官とした地球圏経綸の任に当たる天使の方々は、物質界の知的暗黒時代(特に中世ヨーロッパ)を打破して霊的知識を普及させるべく「スピリチュアリズム」を勃興させました。これまでの地球圏霊界でこれほど大々的な計画が実行に移された事はないそうです。イエス様がそこまでしなければならなかった理由は、物質界で学ぶべき事を何も学ばずに無知のまま帰幽して下層界にたむろする、シルバーバーチ霊の言葉を借りれば「難破貨物」ともいうべき低級霊があふれかえってそれがいよいよ上層界にまで悪影響を及ぼし始めてきた事が一因だそうです…続きを読む→

■アナログ絵359「ベールの彼方の生活1巻」復刊書籍表紙UP。描き上げても復刊できない(祈)†
ご母堂の言葉で僕が特に気に入っているのは「悲劇をただの不幸と受け止める事がいかに狭い量見であるか」(29ページ)という部分で、僕は霊性発現とともに使命遂行人生に突入させられ、人生を完全に破壊されて最悪の状態に閉じ込められ続けている関係で霊団を心の底から激しく憎んでおり、本当の本気で反逆しまくっていますが、その破壊された人生も「その悲しみをテコ台として正しく活用すれば禍転じて福となし、神の計画を推進する事になる」の言葉のように、最終的には全て佳きようにおさまるのでしょう。使命遂行を最後までやり切れば、の話ですが。あともうひとつ、ご母堂の言葉で僕の胸に突き刺さるものとして「確固たる来世観をもっておれば決断力を与え勇気ある態度に出る事を可能にします。」(72ページ)というものもあります。これはオーエン氏が教会長老から弾圧を受けて弱気になっていた事を受けて「勇気をもってこの使命に邁進(まいしん)しなさい」と、言わば母が息子の“おケツをひっぱたいた”という事だと思うのですが、イヤー僕もこういう母に恵まれたかったですね。っとと、僕には“真実の母”守護霊様がいましたね。僕の性格は守護霊様のデザインであり、現在このような使命遂行人生が送れるのも(苦しい事イヤな事ばかりで全然うれしくも何ともありませんが)守護霊様が“導きのプロ”だったおかげです…続きを読む→
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