『ベールの彼方の生活①』
近代風の馬車を使用してもよいのですが、こちらでは天蓋は不要なのです。それで古代の馬車がずっと使われている訳です。使節団はさらに近づいて、こちらの一団と向かい合って並びました。そのシーンを想像して下さい。
『ベールの彼方の生活①』
あなたには不思議に思える事でしょうが、私たちの世界では至って自然な事である事がそのうちあなたにもお判りになる日が来るでしょう。さらに向上すると空中で立つだけでなく地上と全く同じように跪いたり、横になったり、歩いたりする事まで出来るようになります。
『ベールの彼方の生活①』
さて、私たちのお迎えのリーダーと使節団のリーダーとが進み出ました。そして両手を握り合い、互いに額と頬に口づけをしました。それからお迎えのリーダーが右手で相手の左手を取って馬車まで案内し、迎えの残りの者が間を開け敬々しくお辞儀をしてお通ししました。
『ベールの彼方の生活①』
お二人が馬車に乗ると、今度は双方の残りの人々が両手を広げて近づき合い、同じように額と頬に口づけをし合いました。それから全員が私たちの方角を向き、ゆっくりとした足どりで降りて来て、ついに丘の麓まで来られました。
『ベールの彼方の生活①』
空中を行くとどんな感じがするか―これはあなたにはちょっと判って頂けないでしょう。私も一度ならず試した事があります。が、その感じはあなたの想像を超えたものです。ですからそれを述べるよりも、見た目に美しいものだと言うに留めておきましょう。
『ベールの彼方の生活①』
カストレル様やアーノル様のような霊格の高い天使になると、地面を歩かれる時の姿は単に気品があるというに留まらず、その落着いた姿勢や動作にうっとりとさせられる美しさがあるのです。空中になるとそれが一層美しさを増します。
『ベールの彼方の生活①』
静かで穏やかな威厳と力に溢れた、柔らかで優雅な動きは、まさしく王者の風格と神々しさに満ち満ちております。今目の前にしたお二人もまさにその通りでした。一行は曲りくねった小道を歩いて私たちのリーダーの住居に至りました。
『ベールの彼方の生活①』
ここにおいて私たちの指導霊である女性天使と共にこの領土を支配しておられます。私にはお二人の間に霊格とか地位の差は無いように思われます。全く同じではないにしても、どちらが上か下かは直接お聞きしてみないと判らないほどで、それはちょっとお聞きしかねる事です。
『ベールの彼方の生活①』
お互いの愛と調和性はとても程度が高く、命令と服従との関係が優雅で晴々とした没我性の中で行われるために、お二人の霊的な差を見分ける事が出来ないのです。そのお住まいはあなたがご覧になればきっと中世の城を思い出される事でしょう。
『ベールの彼方の生活①』
山の中腹の岩の上に建てられており、周りは緑と赤と茶と黄色の樹木と、無数の花々と芝生に囲まれております。使節団は玄関道を通って中へ入り、そこで私たちからは見えなくなりました。が中へ入った一行の光輝によって、あたかも一度に何千もの電灯が灯されたように、―
『ベールの彼方の生活①』
―窓を明るく照らし出しました。その色彩豊かな光輝は何とも言えない美しさでした。一つに融合してしまわずに、それぞれの色調を保ちつつ渾然と混ざり合い、あたかも虹の如く窓を通して輝くのでした。
『ベールの彼方の生活①』
これまでの私の叙述に“出入口”がしばしば出てきましたが“門”については特に述べていない事にお気づきと思います。実は私はこれまで出入口に至る門を見た事がないのです。“ヨハネ黙示録”の中には天界の聖都とその門についての叙述があります。(21章)
『ベールの彼方の生活①』
私はヨハネが霊視したと思われる都市に酷似した都市の門を思い出していろいろ考えたのですが、どうも今いる都市には出入口に通じる門は見当らないように思います。で、私が思うにヨハネが“聖都の門は終日閉じる事なし”と述べておいて、その後すぐ地上の都市では―
『ベールの彼方の生活①』
―昼間は戦いでもない限り門は閉じられる事はなく夜はずっと閉じられている事を思い出して“(ここに夜あることなきが故なり)”とカッコして釈明を付け加えたのは、本当は地上と同じような門は無かったからではないかと思うのです。
『ベールの彼方の生活①』
これは私個人の考えです。間違っているかも知れませんが是非あなたも改めて黙示録を読み返し私の意見を思い出してあなた自身で判断してみて下さい。お城の中でのフェスティバルの事は私自身出席しておらず出席した方からお聞きしただけですので、ここでは述べない事にします
『ベールの彼方の生活①』
それよりも私が目撃したものを述べておきましょう。その方が生き生きと表現できますから。しかしあれだけ多くの高級霊が一堂に会したのですから、それはそれは荘厳なフェスティバルであったろう事は容易に想像できます。
『ベールの彼方の生活①』
そうね。あなたやあなたの家族もこの神の愛と祝福が草原の露の如く降りて、辺り一面に芳香を漂わせる神の御国へお出でになれば、こうした事を全部目の当りにする事が出来ます。“授かる”よりは“授ける”方が遥かに幸せである事に何かにつけて学ばされている私たちが、―
『ベールの彼方の生活①』
―その素敵な芳香を私たちの言葉を通じて地上の方にも味わって頂き、いかに神の愛が有難く優しいものであり神を信じる者がいかに幸せであるかを判って頂きたいと思うのは少しも不思議でない事が、これでお判りでしょう。幾久しく神の祝福のあらん事を。アーメン。
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