『スピリチュアルストーリーズ』【第8話 フクロウの知恵】

これも遠い遠い昔のこと、まだ、わたしたちの地球ができて、まもないころのお話です。その日はとても風の強い日でした。空は真っ黒にくもり、おおつぶの雨が強く降りつづけておりました。

『スピリチュアルストーリーズ』地球ができてから嵐が来たのはこのときがはじめてだったので、小鳥たちは「これは何ごとだろう?」とこわがって、ガタガタふるえておりました。小さな木は、あっちにゆれ、こっちにゆれて、小鳥たちはいっときも枝にとまっていることができません。

『スピリチュアルストーリーズ』どこへ行けばいいのか、どうすればいいのか、ただただ心配するばかりでした。そうやって小鳥たちが大さわぎをしているとき、1羽のフクロウだけが、少しもあわてず、静かに枝にとまっておりました。

『スピリチュアルストーリーズ』そうして、ほかの鳥たちが大さわぎをしているのを見ながら、なんと知恵のないことだろうと思うのでした。「きみたちはなぜ、そんなにさわぐのだね?」フクロウはそう言ってから、小鳥たちに次のように語って聞かせました。

『スピリチュアルストーリーズ』「わたしをごらんよ。こうしていれば、ちっともこわくなんかないじゃないか。かくれ場所なら、さがせばどこにだってあるさ。早くさがして、こういうぐあいにじっとがまんしていれば、嵐なんか平気だよ。そのうち過ぎ去っていくよ」

『スピリチュアルストーリーズ』これを聞いた小鳥たちは、いっせいにフクロウのいる場所を見ました。すると、どうでしょう。フクロウは大きな木の幹を背にして、平気な顔でとまっているのです。幹も枝もとても大きいので、雨も風もあたりません。

『スピリチュアルストーリーズ』小鳥たちは「なるほどなあ」と思って、さっそく自分たちのかくれ場所をさがし、おかげでおそろしい嵐から、のがれることができたのでした。フクロウが今でも「知恵のおじさん」と呼ばれているのは、きっと、こんな話があるからでしょう。

『スピリチュアルストーリーズ』この話は、とてもたいせつなことを教えています。わたしたちは、何か困ったことがあると、すぐにあわてたりさわいだりしますが、ほんとうは、ものごとは、あわてればあわてるほど、ますますむずかしくなるものなのです。

『スピリチュアルストーリーズ』そんなときは心をおちつけて、静かに考えるのです。どんなときでも、あわてず、じっとがまんする子には、きっと神さまがよい知恵をさずけてくださることでしょう。

未分類

Posted by たきざわ彰人(霊覚者)祈†