ルキオ、シメオン、マナエン(※)の3人は、パウロ、バルナバ、マルコがアンテオケにやってきたことを歓迎した。彼らは互いに協力して働いた。それで教会はとても盛んになり、霊の命ずるままに更に手広く伝道するため、新たに3人を選んだ。
その結果、パウロ、バルナバ、ヨハネ(マルコのこと。使徒行伝、12章25節参照)が選ばれた。1週間、彼らは瞑想を続けた。彼らは食を断ち、肉体を神の宿る神殿にふさわしく清め、神の燃え盛る炎を蓄えるように準備した。
10日目になってから、ルキオ、シメオン、マナエンの3人は、彼らの頭に手を置いて旅の安全を祈り、祝福を与えてから3人を見送った。神の尊い使者として3人が最初に逗留した所は、クプロ島のサラミスであった。その地域は、マナエンがキリストの福音を伝えた所であった。かなりのユダヤ人が住んでいたからである。
彼らの活動範囲は広く、朝早くから夜おそくまで3人は活躍した。多くの人々は彼らの話に耳を傾けた。彼らは単一民族ではなかった。遠くからやって来た商人や、東西を結ぶ貿易をする者、あるいは、高貴なローマ人や、遙か彼方にあったスペインからやってきた者もいた。
単純な異教徒たちは、キリストの教えをすぐには呑み込めなかったが、熱心に聞いていた。彼らはバルナバやパウロに言った。
「この教えは、まるで山から流れてくる水を全部飲み込んでしまう大河のようだ。私達の国にはたくさんの神が居るが、どれもみんな、もめごとが多くてちっとも心が休まらない。
その上、戦争、病気、飢餓、不幸を持ってくるんだから本当にたまったものではない。人の幸せをねたんだり、他人の収穫を盗もうとするんだ。できたら、私達の国であるスペインに来て、こんなろくでもない神々を追い出して、あなたがたの教えで幸せにして下さい。
あんなけちな神々で毎年悩まされるのはもううんざりです。あなたがたが来て下されば、闇が光の前から消え去るように、けちな神々はメシヤの前から逃げてしまうでしょう」
パウロは、ユダヤ近隣での伝道が終わったら、地の果てなるスペインに行こうと約束した。スペインからやって来た人々は、メシヤこそ唯一の全能の神であるとの確信をいだいて舟にのり、去って行った。
その後3人の兄弟は、悪名高いパポス(クプロ島西岸の町)へ行くことにした。サラミスからは随分遠くにあり、昔は無数の売春婦がはびこっていた。大地震によって壊滅したことのある町であった。
当時の人々は、余りにも罪深い生活をしていたので、町が再建されてからも相変わらず悪霊が思いのままに暴れ回っていたのである。そのもとを作っているものは、彼らの宗教であった。波の泡から生まれたと言われている女神がそれであった。
美しい女神の像を造り、男どもの色欲をかりたてていた。ある日のこと、裸の男女の一群がやってきて、女神に捧げ物を置き、見るにたえない不浄な祭儀をやっていた。若い男も女もビーナスの女神を拝むときに行う祭儀であった。
これを見たパウロは烈火のごとく怒り、彼らの持ってきた捧げ物を放り投げ、大声をあげながら、神の天罰がくることを告げた。前に大地震があったことを思い出した彼らは、パウロの予言を非常に恐れた。彼らはパウロを神々からの使者であると思ったからである。
群衆はパウロのところに集まってきたが、何の害を与えようともせず、彼の言うことに耳を傾けていた。パウロは必死になって神の教えを説いた。パウロは、彼らが手に持っていた小さな女神像をとりあげて破壊したが、神殿に祭られていた像には手をつけなかった。
彼は無用な争いを起こすよりは、彼らの注意力を少しでもイエス・キリストに向けさせる方法を選んだからである。彼らは3人には何の危害も加えなかった。3人は人々から恐れられ、毎日のように熱心に伝道し、悪いことを止めさせようと努力した。
ここでは、教会をつくるつもりはなかったが、ユダヤ人だけのグループには、メシヤの福音を伝えた。彼らはそれをとても喜んだ。ある日の朝、パウロが群衆に説教をしていた時、地方総督のセルギオ・パウロがそこを通りかかり彼の話を聞こうとした。
セルギオは長年のあいだ神を見いだそうとして学んできた男で、しかもエルサレムでの出来事を耳にしていた。ペテロが治したローマ人の娘は、彼の親戚であったからである。セルギオ・パウロはバルナバやパウロに自分の家に来て、もっと詳しくキリストの教えを聞かせてほしいと言った。
ついに主の教えを真に理解できる人間が現れたのである。セルギオ・パウロはこれこそ霊の真理であると受け止めたのである。パウロは話を続けた。彼はローマの知恵について語り、過去から現在に至るあらゆる賢人のことに触れ、結局、生と死に関する神秘について説き明かしてくれた者がいないことを話した。
セルギオは又、東方世界に住んでいたときにも満足できるものを見いだせなかった。彼は魔術師と言われている1人の男を知っていた。その魔術師は、目に見えない不議思な力を持っていたのであるが、彼の目にはどうしても中身の腐ったクルミのようにしか思えなかった。
この魔術師は、何の教義も持たず、永遠の知恵を語る言葉すら持っていなかった。しかしパウロの話には、今までに聞いたこともない知恵が溢れ、まるで生命の木に成った果実のように新鮮であった。長時間パウロの足元に座り、この人から一言も漏らしてはならないとばかり、熱心に聴き入っていた。
パウロがついに話し終わったとき、セルギオはついに心底から信じることができるようになり、キリストを我が師と仰いで行く決心を固めた。それでパウロは翌日彼に洗礼を施すことになった。
さて、このパポスに魔術師エルマという男が住んでいた。かのサマリヤにいた魔術師とは違い、生まれながらの悪党であったので、文字どおり悪霊に仕える家来であった。エルマは悪魔の呪文をとなえては忌まわしいことを平然と行っていた。
そのエルマがセルギオのところにやってきて大いに腹を立てた。パウロが若い男女に対してとんでもないことをしたと言うのである。おまけに、総督までがろくでもない予言者の言うことを信じた、とあざけった。
「パウロという男は何にもできないやつですよ、奴には知恵もありませんしね。奴はすこしぐらい霊と話せるだけでね、総督閣下!奴をここに呼んでもらえば、私は強力な霊の力で奴を困らせてやりましょう、なんだったら、奴を黙らせるような力を見せてやろうじゃありませんか。私が主人だということを示してやりたいですね」
セルギオは過去に、この男には散々ひどい思いをさせられたことがあるので、ぜひともパウ口の教えをふきこんで、悪党のエルマを黙らせたいと思った。そこでパウロをエルマの家に連れていき、暗黒の主と光明の主と戦わせることになった。エルマは夕方の時刻を設定した。
その日の朝早くから、とうてい筆舌では著せないような不浄な祭儀が行われ、悪霊を身のまわりに寄せ集めた。いよいよ陽が沈むと、訳の解らぬ言葉を言い始め、地底の地獄から悪魔の大王といわれたベルゼブルを呼び出し、ぞっとするような怪物がゾロゾロとつながってきた。それらは、まことに恐ろしい光景で、誰1人としてそこから逃れることのできる者はいなかった。
約束の時間がやってきたので、セルギオは魔王のためにつくられた祭壇のある部屋へ入っていった。パウロもセルギオの後について行った。パウロはすでに心の準備ができていて、地獄の王との戦いを守ってくれる霊の力が備わっていた。
その部屋全体は青く光っていて、祭壇の周囲は、うすぼんやりとしていた。それは悪魔どもが待ち伏せするために覆われたベールのようであった。セルギオが魔術師エルマに挨拶をしようとした瞬間、布のようなものが彼の顔を覆い、頭からすっぽりかぶされてしまった。
異様な恐怖がセルギオを襲った。他方パウロは、終始口をきかず、悪霊との戦いを始めていた。セルギオは布の端をつかんで頭からふり払い、目の前で、パウロに襲いかかろうとしている怪物を見た。彼の全身は恐怖で震えていた。悪霊どもが祭壇の周辺から飛び出して、立っているパウロを捕まえようとした。
しかしどうしてもパウロの身の周りを包みこんでいる霊の鎧を突き破ることができなかった。パウロには適わないと知ると、セルギオを目掛けて襲いかかったので、セルギオは口から泡をふきだしながら倒れてしまった。
魔術師エルマは驚いて、彼に飛び付いた妖怪を引き離そうとしたが、どうしてもできなかった。エルマは全身汗だくになり、懸命にセルギオを救おうとしたが、できなかった。
そこで、パウロが身をかがめ、倒れている総督の頭をピシャリとたたきながら口を開いた。「父と子と聖霊の御名により、直ちに出て行け!2度とこの男に入ってはならぬ!」
悪霊は直ちにセルギオから出て行った。そしてキリストと共なるこの兄弟は、エルマをにらみっけて叫んだ。「悪魔の子よ!汚れた霊よ!おまえの目を、何にも見えなくしてやろう!おまえの邪悪な根性がとれるまで盲人でいるがよい!」
エルマの目は、たちどころにふさがれてしまった。暗黒の世界は、逆にエルマに襲いかかり、悲痛の叫び声をあげながら部屋から出て行った。辺りには、清らかな光がパウロを照らしていて、まばゆいばかりにパウロの体を包んでいた。
すっかり気を取り直したセルギオは、パウロの足元にひざまずいて言った。
「私はあなたの神を信じます。私をお救い下さい。こんな悪霊とかかわっていた私をお許し下さい。2度とこんなもので身の破滅を招かないようにして下さい。あなたの目に映る私は、罪深い者です。どうか、そのような私をお助け下さい」
パウロはセルギオの話を止めさせて言った。「あなたは悪い人間ではありません。ただ、無知であったに過ぎないのです。真理を学んで下さい。そうすれば、知恵が与えられます。エルマのような魔術師などに惑わされるようなことはなくなるでしょう」
セルギオはエルマの目がつぶれてしまったのを目撃した。彼は、聖霊のみが善き働きをして下さるということを知ったのである。セルギオは、この時から真理に関するあらゆるものを勉強し、洗礼を受け、イエス・キリストを信じる群れの中に加えられたのである。
(※)訳者注 – 3人の者について使徒行伝13章では左記のように説明している。
○ルキオ…クレネ人であった。
○シメオン…別名ニゲルと呼ばれていた。
○マナエン…領主ヘロデの乳兄弟であった。
なおサウロの名がパウロと改められたのは、使徒行伝13章9節からである。
■2022年12月7日UP■「地球上でもっとも寂しい」僕が突入させられる悲劇です。試練にも限度がある(祈)†心臓が鼓動しているのが、血液が全身を循環しているのが、脳髄でアレコレ思索を巡らせる事ができるのが霊のチカラのおかげだというこの単純な真理が理解されるのにあと何千年かかるというのか。2000年前にイエス様が同じ事を言っていたじゃないか、まだ分からないのか。「宇宙一のバカ」大量強姦殺人魔、明仁、文仁、徳仁、悠仁の邪悪の正体にも、自分が霊的存在であるという事実にも、一体人々はいつになったら気が付くというのか。この狂った腐った物質界は、あと何千年、正しいおこないをする者を磔刑(はりつけ)にし続けるというのか。そんなに洗脳が好きなのか、そんなに帰幽後に地獄に落ちたいのか。ステキな境涯に案内してあげようと大切な事を教えるために物質圏に犠牲的降下をして下さっている高級霊の方々の愛を、あと何千年裏切り続ければ気が済むのか…続きを読む→ ■2022年10月19日UP■「物質界再降下」させられるような事を言われています。絶対ヤダ断固拒否(祈)†奴隷の女の子を「処刑遊び」と称して四肢切断、強姦殺人しまくり死肉を食べまくっている「宇宙一のバカ」大量強姦殺人魔、明仁、文仁、徳仁、悠仁が「私は病人です」と言ってきたとして、それとコイツらの大罪と何の関係があるのですか、という事です。幼い女の子を500人1000人、強姦殺人した人間が、病気になるとその大量強姦殺人罪が帳消しになるのですか。皆さま【神】は僕たち人間全員に「理性、良心」という絶対に狂う事のない判定装置を組み込んでおられます。皆さまの理性、良心はどのような回答を導き出しますか。あえて断言しますが、メディアが流してくる情報は99%ウソです。明仁、文仁、徳仁、悠仁が大粒の涙を流して「私は病人です、許して下さい」と演技映像を流してきたとして、皆さまはそのウソ泣き演技にコロッとダマされるおめでたい国民ではないはずです…続きを読む→ ■2023年7月19日UP■霊団はもう何もやる気がないそうですが、僕はうしろに戻るつもりはない前進あるのみ(祈)†物質界に邪悪がはびこる、その根本原因は「霊的知識の無知」にあります。人間に死はなく、肉体の死後も霊的表現媒体(幽体、霊体等)をまとって霊界で永遠に生き続けるという霊的真理を知らず、物質界での人生のみが人間の人生だと考える事が全ての邪悪の出発点なのです。物質界で大量強姦殺人の人生を送ると帰幽後に霊界でどれほどの地獄をやらされるか、その「霊界と物質界の因果関係」もっと言うと【神の因果律】を全く理解していないから平然と犯罪をおこなう事ができるのです。神の因果律から逃れる方法はこの全宇宙に存在しません。なぜなら「宇宙は神の身体」だからです。僕たちは現時点で神の中に存在しているのですから、神の法則の効果範囲外に出るなどという事は有り得ないのです。自分のおこないが自分の帰幽後の人生にどれほど致命的欠陥、悲劇をもたらすかを知っていれば、おのずと自分のおこないに責任感が生じ、愚かな言動にブレーキがかかるはずなのです。邪悪なおこないをしている人間たちというのは「何も知らない人間」という事なのです。だから霊的知識の普及が急務なのです…続きを読む→