『母と子の心霊教室』【6 ウォルター霊(れい)のくふう】
実験会でみられる不思議な現象は、これ以外にもまだまだたくさんあります。霊(れい)はすばらしい知恵をもっていますから、地上の人びとに、肉体は滅(ほろ)んでも、私たちはこうして立派(りっぱ)に→
『母と子の心霊教室』→生きつづけてますよ、ということを知らせるためにいろんなくふうをこらすのです。いままでの心霊(しんれい)実験でいちばんおもしろいくふうをこらしたのは、マージャリーという女性霊媒(れいばい)のウォルターという支配霊(しはいれい)でした。
『母と子の心霊教室』ウォルターはマージャリー霊媒(れいばい)のお兄さんで、はじめて実験会に出る2年前に鉄道事故で死んだのでした。ではウォルター霊(れい)はどんなくふうをしたのか、それを紹介(しょうかい)しましょう。
『母と子の心霊教室』まずエクトプラズムで自分の手をこしらえて、その指先を、あらかじめ湯でやわらかくしておいたロウのかたまりにつよく押しつけます。すると指紋(しもん)ができます。が、それがほんとうにウォルターの指紋(しもん)であるかどうかは、→
『母と子の心霊教室』→地上に残っている指紋(しもん)と比べてみなければわかりません。それは、ウォルターが生前に使っていたものについているはずです。そこで、ウォルター霊(れい)は自分が使っていたカミソリの刃(は)のある場所を教えて、それに自分の→
『母と子の心霊教室』→指紋(しもん)が残っているから、よく比べてみてほしいといいました。その調査には、警察(けいさつ)の人や指紋(しもん)の専門家(せんもんか)まで立ち会ったのですが、その結果はたしかにウォルター霊(れい)の指紋(しもん)と一致(いっち)→
『母と子の心霊教室』→したのでした。ウォルター霊(れい)は自分の指紋(しもん)だけでなく、ヒルという英国の有名な判事さんや、オリバー・ロッジという世界的に有名な物理学者の指紋(しもん)も作り、どちらも専門家(せんもんか)によってまちがいなしと認められました。
『母と子の心霊教室』ヒル判事の指紋(しもん)は死後6週間目につくられたものですが、ロッジ博士の指紋(しもん)は、意外なことに、博士がまだ生きている間に作られたのでした。作られたとき、博士は遠く離(はな)れたところにいて、そんな実験が行われていることなどまったく知りませんでした。
『母と子の心霊教室』霊(れい)はずいぶんおもしろいことをするものですね。ウォルター霊(れい)はまた、閉(し)め切って鍵(かぎ)までかかっている部屋の中に、どこからか品物を運び込んだり、種類の異(こと)なる2枚の板をつなぎあわせたりしました。
『母と子の心霊教室』外から品物を運びこむのを物品引き寄せ現象(アポーツ)といい、いまでもよく行なわれますが、すぐ近くからだけでなく、遠い外国とか、ときにはエーテル界の“常夏(とこなつ)の国”から運ばれてくることもあります。
『母と子の心霊教室』いったいどうやって運ぶのでしょう?残念なことに、それがまだよくわからないのです。霊(れい)の方もわざと教えてくれないのです。ひとつみなさんが大きくなってから研究していただけませんか。
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