当時のユダヤの領主ヘロデは虚栄心が強く、知恵に乏しかった。彼は、何とかユダヤ人の間で偉大な人物であるという名声が欲しかった。そこで彼はマナエンという男に近づいて、さもキリストの教えに理解があるような態度を示した。
純真なマナエンは、極秘の情報であると前おきして、教会の内情について語った。彼らは12人による協議制で運営していること、とりわけ、3人の使徒が神の子の真理を司る者として尊敬されていること、その訳は、この3人が常時聖霊に満たされているからなどについて打ち明けた。
それでヘロデは、教会を取り仕切っているのはヤコブであり、12使徒の第一人者であるということを知った。その次にペテロという使徒がおり、主として説教をして信者の群れを養っていること、更に第3番目に霊能にすぐれたヨハネがいて、彼の内面は、まるで鏡のように偉大な神の真理を啓示するということも知ることができた。
そこでヘロデは、この3人の指導者を捕まえてしまえば民衆から喜ばれると考えた。更に彼は、自分がキリストの位置を占めれば、3人の指導者は自分の意のままに動かすことができるとも考えた。そうすれば自分は、地上に再来したメシヤになれる筈だと。
しかし何をさておいても、手初めに神のように崇められている3人の指導者を捕まえなければならないと考えた。実に卑しい彼の心は、愚かというほかはなく、民衆から神と崇められると自惚れていたのである。
当時、教会には、ヤコブと名乗る者が2人いて、1本の茎に咲いた2輪の花のように見られていた。しかし使徒ヤコブが良く知られていて、第2のヤコブの存在はあまり知られていなかった。
第2のヤコブは、非常に仕事熱心であったが、すぐ自惚れて有頂天になる性格であったため、執事職には選ばれなかった。さて、ヘロデの家来どもは、教会組織のある地域を中心に、使徒の頭ヤコブを捕らえようと捜し回った。
ところが、同じヤコブでも第2のヤコブを捕まえてしまった。このヤコブは、噂によると、エフライムという人の息子であったらしい。捕らえられたヤコブは、ヘロデがキリストのことを知りたがっているということを知り、内心ほくそ笑んでいた。
なぜなら、ひょっとすると、この領主ヘロデを教会へつれていって、クリスチャン仲間に紹介し、自分がこんな偉い人を導いた偉大な教師であると威張れるかもしれないと考えたからである。
第2のヤコブは、辞を低くして頭を下げ、甘い言葉で挨拶した。彼は、教会が領主の知恵を求めているなどとおだてあげたので、ヘロデはとても喜んだ。有頂天になったヤコブは立ち上がり、まるで自分は賞賛の光の中を羽ばたく鳥であるかのように語った。
怒ったヘロデは叫んだ。「神に選ばれたメシヤとは誰であるかを知っているのか!このたわけめが!木に吊されて殺された、あのならず者のキリストのことをごたごたしゃべるでない!おまえの前に立っている我輩こそ神の子メシヤであるぞ!頭(ず)が高いぞ!」
それからヘロデは口早に自分の考えを述べた。エルサレムにあるすべての教会は、ヘロデをメシヤとして拝み、大工の子、ナザレのイエスのことは2度と口に出さないようにしてやるとしゃべりまくった。
そこでヤコブは自分の自惚れがたたって危険に追い込まれていることを察知した。と同時に、キリストのために殉教の死を遂げられるかもしれないことを喜んだ。ヤコブはあくまでもイエス・キリストへの信仰を固く守ること、更におのれを神とするような大罪人である領主へロデは大馬鹿者であると言った。
ヘロデはカンカンに怒って即座に殺そうと思ったが、思い止どまった。それは大勢の目の前で、教会の頭(かしら)の首をはねるほうが遙かに効果的であり、人気が得られると思ったからである。そこで次のようなお触れを出した。
『12使徒の頭を死刑にする。そうすればキリストの呪いが取り除かれるであろう』
大勢の人々が集まったところで尋問を受けた。おまえは本当に教会の頭であるヤコブであるかと。彼は、そのとおりであると答えた。ヘロデの家来は、剣で彼を切り殺した。ついに彼はイエス・キリストを信じる兄弟のために殉教した。
エルサレムでは、ヤコブの死を喜ぶ者が多かった。これでキリストの呪いが取り除かれたといって喜んだ。彼らはキリストのことを本当のメシヤとは思っていなかった。
次にペテロを捕まえようと領主は追っ手を出した。ペテロは神殿の庭でキリストの教えを説いていた。それでごく簡単に逮捕し、牢獄に入れることができた。ペテロはヘロデの前に引き出された。ヘロデはメシヤとして挨拶してもらえるものと思っていた。
メシヤでなければ、少なくとも、神々の1人として彼の前にひれ伏して拝むように促した。ペテロは全身を縛られていた。それで手足を動かすことができなかった。ロだけがきける状態であった。しかしペテロは即座にキリストの信仰を堂々と主張した。ヘロデは怒り、ペテロにさるぐつわをはめさせ、牢獄にぶち込んだ。
ヘロデは第3の指導者ヨハネを捜したが見付からなかった。1人ぐらいは当分の間生かしておいて、彼らの言う復活祭(キリストの復活日)の次の日にでも血祭りにあげ、自分が神であることを示そうと考えていた。
そのほうが民衆の野獣的欲求を満足させられると思った。ペテ口の死刑もこのように実施しようと計画した。大観衆の前に、銀の帯をしめて現れ、みんなが大声を張り上げて自分を神として崇められることを想像していた。
いよいよ死刑執行の前夜がやってきた。ペテロは薄暗い地下牢の中に閉じ込められていた。重いどっしりとした戸が閉められ、星の光さえ通さぬ程であった。ペテロは鎖で空中に吊されていた。もしかしたら仲間が助けにくるかもしれないとの噂がたったので、たくさんの護衛が見張りをしていた。2人の護衛がペテロの両脇を固めた。
さて、私は前に、霊体(光の体)のことに触れたことを覚えておられるであろう。それは、別なことばで言えば“目にみえない人間の像”と言うことができるであろう。
その霊体には、あなたがたが肉体と言っている物質に近いものでできている一種の“覆い”を着けている。もちろん人間の目には見えないものである。人間の内面にあるこの2つのものを、僅かではあるが、自由に操作できる人がいる。ペテロもそのうちの1人であった。
さて、エルサレムにいるクリスチャンは、休みなく祈り続け、聖霊が天使を遣わしてペテロを救出してくれるように願った。多くの人々から熱心に寄せられる強烈な願望が渦巻き、大きな力を引き寄せる源となっていった。
クリスチャンたちの祈りは聞かれ、ついに主の天使は仮眠をしているペテロのもとに現れた。ペテロは仮眠というよりは、気絶をしていたと言ったほうが当っていた。彼の霊体と覆いが肉体を離れた。肉体は死人のように横たわっていた。
両脇にいた護衛は、翌日死ぬことが分かっているにも拘わらず、グッスリと深い眠りについている肉体を見て驚いた。彼らの周りに霧のようなものが立ち込めてきた。2人の護衛は、まるで土くれでできているかのように動かなくなった。ビクとも動かなかった。霧が輪の形となって彼らを囲んでしまった。
突然ひとつの星が現れ、その光が延びてきてペテロの居る所を照らしだした。主の天使がペテロの肉体に触れた。するとペテロの肉体が動き出した。絡み付いていた鎖がプッリと切れてしまった。護衛は、なおも不動のままであった。ペテロの霊体は、依然として肉体の外にあった。
彼の肉体は眠り、夢を見ていた。ついに天使の働きによって、霊体が彼の肉体を動かし始めた。重い戸が開かれ、天使がペテロの前を通り過ぎていった。天使の招きによって、ペテロも天使の後に続いて出て行った。それは、まるで夢の中で見知らぬ道を歩いているようであった。
星の光がペテロを照らし、主の天使が彼を道路の所まで誘導したとき、天使の姿は見えなくなっていた。ペテロは夢中になって、ある門の戸をたたいた。それがどこの家の門であったか彼には全く分からなかった。その家には、ペテロのために大勢の兄弟が集まって祈っていた。
1人の若い女の子でローダという子が、門の戸をたたいている音に気がついて戸口の所に行き、少し間をおいてから戸を開けた。するとペテロが入って来たのでみんなは歓声をあげた。ペテロはみんなを静めてから言った。このことを早速、ある所に隠れているヤコブに知らせるようにと。
1人の若者がヤコブのところに向かった。ヤコブは、ペテロが死刑になったら、自分もヘロデのところに行くと言っていたからである。ペテロは変装をし、髪の毛や髭をそりおとした。ヘロデの家来に捕まらないようにするためであった。
もう1人の兄弟と共にペテロはその家を出ていった。2人はエルサレムの門から無事に脱出することができた。エルサレムを出さえすれば、どこにでも安全な隠れ家を見付けることができた。陽が昇るまえにエルサレムを脱出したのは、ペテロだけではなく、他の使徒たちもみんな出て行った。
■2023年11月15日UP■「言う事を聞きなさい」んーイエス様のお言葉のようにも聞こえる、耳がイタイ(祈)†肉体は自動的に朽ち果てるようにできていますから、その肉体をまとっての人生で幸福を得ようと考える事がそもそも本末転倒であり近視眼の極致であり、歳をとる事もなく傷つく事もない永遠の若さを保っている霊体をまとっての霊界人生の方に真実の幸福があるのは至極当然の事であり、その霊界生活に備えて物質界で自分を鍛えなければならないのです。「宇宙一のバカ」大量強姦殺人魔、明仁、文仁、徳仁、悠仁、コイツらはその「物質界の学び」を全てキャンセルしてワガママ放題で生活し、仕事もせず奴隷の女の子を四肢切断、強姦殺人しまくって遊んでいます。つまり物質界で学ぶべき事を一切学ばずに帰幽する、霊界生活に何の備えもできていない人間という事になるのです。何の備えもできていませんからもちろん霊界生活に順応もできません、高級霊の方々から仕事を言いつけられる事もありません資格がないのですから。全く役立たずの人間、何の使い道もありませんから当然暗黒の底の底に落ちてそこで反省させられる訳です。それも物質界での苦しい期間をはるかに超える長い年月にわたって暗黒の中で悶絶する事になるので…続きを読む→ ■2023年11月8日UP■「目に見えぬ者によって動かされている、その事実を知る事です」僕もそうありたいと思ってますよ(祈)†この間部詮敦氏という霊能者が時代を抜きん出たずば抜けた人格者だったという事が分かるのです。近藤先生がこれから物質界生活中になされる仕事の重大さをいち早く見抜き、大学在学中に何と毎週近藤先生のもと(キャンパス内)に足を運んであれこれ教えておられたそうなのです。実の子でもないのにまるで自分の息子のように面倒を見ていたという事です。そして近藤先生が書籍の中で予測で書いていた事ですが、間部詮敦氏は若き日の近藤先生の守護霊および指導霊の存在が当然霊視で見えていたはずですが、それを結局一言も言わず帰幽したのだそうです。どういう事かと言いますと、近藤先生にはその仕事の重大性からとてつもない高級霊団が付いていた事が容易に想像できるのですが、それを若き日の近藤先生に伝えてしまったら近藤先生がのぼせ上ってしまう(霊団に言わないようにクギを刺されていたという事もあるかも知れませんが)ので間部詮敦氏は近藤先生の霊団の事を一言も言わなかった。これはとてつもない事だと思うのです。見えてるんだからフツー言うだろう。隠し通したって本当にスゴイ…続きを読む→ ■2023年11月1日UP■「絶対やるとの使命感に燃えて下さい」そう思ってるから僕もここまでやってるんでしょ(祈)†普段上層界で生活している高級霊の方々は波長が低すぎる物質圏付近には降下する事さえできず、降下したとしてもごく短時間しか滞在できないそうです。つまり高級霊であればあるほど最低界の物質界と縁が切れているという事です。で、そこまで上層界では無い境涯で生活している霊は物質圏付近に仕事で降下する事がありますが(僕は間違いなく降下の仕事をやらされるものと思われますが)インペレーター霊が書籍の中でお話しておられますように、物質圏付近に降下すると、地上生活時代の記憶がよみがえり、それが進歩の逆、退歩につながってその霊にとってマズい事になるという事があるそうです。たとえば霊体生活者はもう肉体がありませんが、物質圏に降下すると昔の肉体的煩悩がよみがえってきてそれが退歩につながるのだそうです。もうひとつ、物質界生活時に間違った霊的知識、宗教観等を学んでしまって、帰幽後にその自分の間違いを指導霊に修正してもらって向上を果たした人物が物質圏付近に降下すると、その過去の誤った概念がよみがえってきて霊界で学んだ内容が帳消しになってしまい、それがまた退歩につながるのだそうです…続きを読む→