『スピリチュアルストーリーズ』【第14話 ヒバリの歌】

あたあたかい春の日ざしをあびながら青空たかく舞いあがったヒバリの、あの楽しそうな歌声を聞いていると、どんな悲しみをもった人でも、知らず知らず楽しくなってくるものです。そこには、こんな楽しいお話があるのです。

『スピリチュアルストーリーズ』昔むかし、1羽のヒバリが、野原でじっとすわっている少女の姿を見つけて、そっと近づいてみました。見ると、少女は悲しそうに泣いています。かわいそうに思ったヒバリは、近づいてこうたずねました。「どうしたの?なぜ泣いているのですか?」

『スピリチュアルストーリーズ』しかし少女は何も答えず、いくどたずねても、ただ顔をふせたまま泣きつづけるのでした。ヒバリは、困ってしまいました。そしてこう言いました。「なぜだか、わけを教えてください。ぼくにできることだったら、どんなことでもしてあげますから…」

『スピリチュアルストーリーズ』ヒバリがそう言うと、少女は、「ほんとう?ヒバリさん」と言って、はじめて顔をあげました。「では、心がウキウキするような、楽しい歌を歌ってください」「えっ?歌?」ヒバリはそう言って、とても困った顔をしました。それもそのはずです。

『スピリチュアルストーリーズ』そのころのヒバリは、ただチッチッと鳴くだけで、じょうずに歌を歌うことはできなかったのです。「困ったなあ…。ぼくは、歌はまるでダメなんです…。でも、いいでしょう。どんなことでもしてあげると言ったんだから、」→

『スピリチュアルストーリーズ』→「とくべつに神さまにおねがいして、じょうずに歌えるようにしてもらってきます」そう言うなり、ヒバリは空たかく舞いあがり、ぐんぐん小さくなっていきました。神さまのところへおねがいに行ったのです。

『スピリチュアルストーリーズ』少女はヒバリの舞いあがったほうへ目をやって、静かに耳をすませて待っておりました。すると、遠い遠い空のはてから、かすかな歌声が聞こえてきました。その歌声はしだいに大きくなり、やがて少女の目にも、楽しそうにヒバリが舞う姿が→

『スピリチュアルストーリーズ』→見えるようになりました。ああ、やっぱりさっきのヒバリです。ヒバリは、同じ場所でしばらく歌いつづけてくれました。その楽しそうな歌声を聞いているうちに、涙にぬれた少女の顔が、しだいに笑顔にかわっていきました。

『スピリチュアルストーリーズ』こうしてヒバリは、自分にはできないと思っていたことを、りっぱに、なしとげることができました。どうして、こんなことができたのでしょうか?それは、少女のためにと思って、いっしょうけんめいになったからなのです。

『スピリチュアルストーリーズ』今でもヒバリは姿が見えなくなるまで舞いあがり、やがてさえずりながら舞いおりてきますね。みなさんも、人のためになることに、いっしょうけんめいになりましょう。きっと神さまが、すばらしい力をさずけてくださいますよ。

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Posted by たきざわ彰人(霊覚者)祈†