【8/14】霊界通信 イエスの成年時代 神と人間のはざまで 19 とけない謎
アサフの心は常に暗黒に閉ざされていた。しかしイエスとの出会いによって大きな光明がさしこんできた。日の出、日没、星の輝きなどが、全く新しい希望となった。山からカイザリヤに向かって吹き荒れる風も、肌にやさしく感じられた。
知恵と霊力に溢れているイエスと一緒にいるだけで、長い間の苦労も吹き飛んでしまうのである。アサフの恐怖や苦痛は、傷あとのかさぶたが剥がれるように消えていった。彼はもう主人の暴力のまえでおびえなかった。
毅然とした態度で主人と対面するようになったので、主人のヤコブも暴力をふるわなくなった。イエスの面前では体裁を作っていた。モーセの戒律をよく守り、法学者やパリサイ人に献金し、正しい生活をおくっていると大ぼらを吹いていた。
ヤコブは長いあいだの経験から、ずるい事を考えていた。ひとつ、この誠実のかたまりのような男を使えば、店の信用も高まり、第一安心して商用の旅にでかけられると考えた。この目的を果たすために、ヤコブはイエスに過酷な仕事を与えず、しばらく気ままに暮らすように勧めた。
イエスにとってローマが直接統治する町で暮らすのは、全く初めてのことであった。イエスは、町中を歩いて知ったことは、金持ちは豪華な邸宅に住み、盲目の乞食は汚い裏通りにねそべっていて、飢えのために骸骨のようになっていたことである。
彼は又、主人に鞭うたれ、手足のきかなくなってしまった多くの奴隷が、街角に捨てられ、物乞いをしたり、行き倒れになって死んでいるのを見た。町のあちこちで、奴隷が鞭うたれる悲鳴が聞こえていた。
たまらない気持ちでそこを通りぬけ立派な道路に出ると、ローマ人が神と崇めるシーザのために建てられた神殿があった。そのまわりに異教徒たちの神々の像がまつられていた。イエスは、その外観はともかくとして、その像からは何の内面的恩寵を感ずることはできなかった。
むしろローマ人の利益だけを考えて、支配下にある民衆には過酷な法を強制し、残酷きわまる扱いをしていた異邦人に強烈な反感をいだいた。それでイエスは、このときから異邦人は相手にしないことを決心し、もしも召命を受けたら、神のよき音信(おとずれ)をユダヤ人だけに伝えようと思った。
町のあらゆる光景を目のあたりにしたイエスはアサフにつぶやいた。「私の親友ヘリという人が、こんなことを言ってたよ、『町という所は、毒蛇やひきがえるの巣窟だ、そこには一片のあわれみも、いちるの望みもない。つかの間の喜びと、底なしの絶望があるだけだ』とね。もうかれこれ7年程前に教えてくれた言葉なんだ。今その意味がようやく分かったような気がするよ」
アサフはイエスの裾をつかみ足元にひれ伏した。アサフはひとことも口がきけなかったので、イエスは彼を抱き起こし、1枚の書き板を手渡した。アサフはもだえるように文字を書いた。
「ご主人様どうか私をおいて行かないで下さい。そんなことをなされば私は自殺いたします。この町には暗黒と死だけしかありません。どうか私をあなたの奴隷として連れてって下さい」
「奴隷はよくない!私の弟子としてついてくるなら決して重い荷物を負わせるようなことはしない。でも今の私は独りで旅をしたいのだ。アサフよ、今は何の約束もできないよ」
イエスは辛そうに言った。アサフは苦しそうなうめき声をあげたが、これ以上イエスに迫るようなことはしなかった。イエスが言い終わらないうちに主人が律法学者とパリサイ人を連れて家に入ってきた。ヤコブはお客に食事を用意するように命じた。
パリサイ人は、でっぷりと脂ぎっており、律法学者は小柄であった。イエスは客のため接待した。彼らはたらふく食べたり飲んだりした。彼らの話は、霊的なことではなく、専ら商売のことをひそひそと話し合っていた。
律法学者は、ヤコブから金を借りている信者からすぐ返すように取り立ててやると話していた。又パリサイ人は、ヤコブがどんなに立派な人物であるかとお世辞を言い、多くの取引ができるようにしてやると約束した。ヤコブは、とても上機嫌だった。
彼は2人のため、特別な贈り物を手渡してからイエスを呼び出した。上着だけは立派なものを身につけていたので、2人の客は丁寧に挨拶をした。そこでパリサイ人は律法学者のことをおだてあげた。「彼はのう、知識の水がこんこんと湧き出る方じゃ。1滴も無駄なものはないのじゃよ」
それから今度は律法学者がパリサイ人のことを褒めそやした。「彼は何しろエホバの神に祝福されている御仁でな、天使たちまでも褒めたたえるのじゃ」
客の足元にいるイエスは黙って歯の浮くようなお世辞を聞いていた。調子に乗った律法学者がイエスに言った。
「そこの若いお方よ、わしらに気がねなどするでない、何でも質問するがよい」「先生がた、1つだけどうしても解けない謎があるのです。どうして時々悪人が善を行い、聖人が罪を犯すのでしょうか?」
律法学者は妙な質問に顔をしかめながら、それは全く無知のなせる業であると答えた。イエスは続けて言った。「私は本当にあったことをお話いたしましょう。ある村に農夫の家族が住んでおりました。妻と7人の子供が幸せに暮らしていました。
ある年に凶作にみまわれて、そのあたりは何1つ収穫がありませんでした。その農夫は病気になり、家には食べるものが全然ありませんでした。子供たちは今にも飢えて死にそうになりました。
農夫は妻と相談し、金持ちで立派な人だと言われているパリサイ人の家に行けば、きっと哀れんでもらえるだろうと話し合いました。しかしこのパリサイ人は何1つ与えず、こう言いました。
『豊作のときにたら腹食べて、食物を粗末にしたばちが当たったのじゃ。愚か者はみなこんな目にあえばよいのじゃ、エホバの神はすべて見通しじゃ。せいぜいおまえたちのために神にとりなす祈りでもしてやるからな』
哀れな農夫と妻は、空手で金持ちのパリサイ人の家の門から帰って行きました。それから賢人として知られている律法学者の所に行きました。きっと名案を出してくれるに違いない。そうすれば子供たちは死なずにすむかもしれないと思ったのです。
この律法学者は仲々の暮らしをしておりました。ところがこの律法学者も、ひとつぶの麦さえも与えてくれませんでした。しかも彼の与えた名案とは、豊作の年がやってくるまで辛抱強く待てばよいということでありました。農夫は叫びました。
『今食べるものがなければ豊作の年がくる前に死んでしまいます!』律法学者は、神の慈悲を疑う奴はけしからん、と言って、戸をピシャリとしめてしまいました。
しかたなしに彼らは1軒の貧しい売春婦の家に行きました。彼女は彼らの実情を聞いて気の毒に思い、5つのパンと山羊の乳を与えました。その後も穀物や油なども与えたので、一家は何とか生き延びることができました。そしてついに飢きんが去りました」
イエスはここでしばらく沈黙し、彼らに尋ねた。「この3人のうちで誰が神に愛されるでしょうか?知識の水がこんこんと湧き出る律法学者でしょうか、それとも天使たちから褒めたたえられるパリサイ人でしょうか?罪を犯していても、飢えに苦しんでいた人々を哀れみ、隣人を救った売春婦でしょうか?」
しばらくの間ヤコブの客2人は、何も答えなかった。煮えくりかえるような怒りを感じても、返す言葉が全く見つからなかったからである。ついにパリサイ人がヤコブに向き直って言った。
「このお方はどこからお出でになったのじゃ?」「ナザレからです」「ああ、悪名高いナザレかね」と律法学者はつぶやいた。パリサイ人は続けて言った。「して、彼の父は?」「兄の手紙によりますと、大工であるとか申しています」「卑しい職業だ」と律法学者がつぶやいた。
イエスは彼らに言った。「どうかお願いです。私は全く無知なのでお尋ねしているのです。でもこれは実際にあったことですから、どうしてもこの謎を解きたいのです。本当の善と本当の悪についてです」
2人の先生がたは、頭を横にふるばかりであった。イエスは言った。「神様だけがご存じだという訳ですね。でも私には、どうしても多くを愛した売春婦が神様に愛されるように思えてならないのです」
短刀で胸を刺されたような痛みでパリサイ人と律法学者はもうじっとしていられなかった。パリサイ人は立ち上がり、大声でどなった。「この若者めが、汚れた女を引き合いに聖なるエホバの名を汚しおったわい!わしは、もうこれ以上我慢がならんわい!ヤコブや、この冒涜野郎をいつまで家においとくのじゃ」
イエスは言った。「エホバの神はすべてのものをお造りになったと記されています。この売春婦も神の御手によって造られた人間ですから、たとえ迷いの中にあったとしても、立派な神の子ではないでしょうか」
立派な服を着たパリサイ人は、この若者に返す言葉がひとことも見つからなかった。憤然として家を出ようとしたのであるが、ヤコブがそれを遮っておしとどめた。ヤコブは懸命に客を引き留め、イエスにここから離れるように命じた。律法学者も同じように引き留められた。
それで2人の客はヤコブに対し、あの浮浪者を即刻この町から出ていくように言った。ヤコブは、それだけは勘弁してほしいと哀願した。イエスはとても変わっているので、訳の解らないことを言い出すのだと、しきりに弁解した。ヤコブは声を一層和らげながら言った。
「イエスはまるで海から渡ってきた白鳥のような人間です。金持ちを目の仇にしていますが、私は今までこんな信頼のおける人間には出会ったことがありません。ですからこの若者に私の家や財産を全部まかせようと考えているのです。つまり私の執事というところでしょうか。とにかく私が安心して商売に出掛けられるような管理人にしたいのです」
パリサイ人が言った。「イエスは今にきっとうまいことを言って、あんたをだまくらかすにきまっとるわい」律法学者も続けて言った。「あいつはね、あんたが留守をしているのをいいことに、全財産を奪ってとんずらするんじゃないかね」ヤコブはさえぎるように言った。
「とんでもございません!私の兄が彼を信用して、重い金貨の袋を届けさせました。遺産の分け前だったのです。1銭も無くなっていなかっただけではありません。彼は運び賃さえ受け取らないのです。その気になれば、いつでも彼はエルサレムでもアレキサンドリヤ(アフリカ)でも持ち逃げできたはずです」
パリサイ人は言った。「ああ!神の名を汚す者は、必ず同僚を裏切るものじゃ!」「腕のいい職人は、これと見込んだ道具を捨てるようなことはいたしません。私も長い間商売のために数えきれない人を使ってきましたが、1度も私がにらんだ目が狂ったことはありません。このナザレ人こそ完ぺきな人間です。
食事だけあてがっておけば、ただで働いてくれる男です。それに、言い忘れておりました。彼は、奇跡が起こせるのです。私の甥から悪霊をふんじばって追い出してしまったんですよ。こりゃすごいじゃありませんか。私も彼を説得して、私に取りついている病気を治してもらおうと思っているんですよ」
ヤコブの話を聞いているうちに、2人の客人の顔色が変わった。妬(ねた)みと混乱が渦巻いていたからである。その上もしかすると、この若造のおかげで今までのようにヤコブから甘い汁を吸えなくなるのではないかと恐れた。そこで律法学者が言った。
「それほどまでにあんたが見込んだ人物なら、それも結構なことじゃ。ではひとつ、その者を1ここに呼んで、あんたの病気を治すところを見せてもらおうではないか」
ヤコブはアサフを呼んで、すぐイエスをここに連れてくるように命じた。2人はかわるがわるイエスにたずねた。イエスはただ『はい』と『いいえ』としか答えず、余計なことは一切言わなかった。しびれをきらしたパリサイ人は言った。
「さてさてヤコブの甥のことを聞いて、久々にわしの心が躍ったところじゃ。おまえさんは、本当にすばらしい奇跡を起こしたもんじゃのう」彼はしつこくその時のことを話すように催促した。ヤコブが言った。
「イエスや、それだけは嘘ではあるまい、兄からの手紙にも書いてあったからね」「それが一体どうしたと言うんですか。私は医者ではありません」「おまえさんは、ここで大変世話になっている主人の病気を治すんだろう?」「いいえ、私はこの異教の町では、そのようなことをしないように決めているのです」
パリサイ人は言った。「ヤコブや、どうやらこの若者はあんたの友ではない!この気高いナザレ人が、その手でおまえさんの体に触れさえすれば病気が治るというのに、それをしないというのは、おまえさんの友ではあるまいて!」
ヤコブは言葉につまってしまったが、ひとつかみの金貨をイエスに差し出して、どうか自分の病気を治して、もう一度身軽に歩けるようにしてほしいと言った。
イエスは言った。「そのお金はアサフにあげた方がよいのではありませんか。彼はあなたのために身を粉にして働いているのです。労働に対して賃金を払うのは当たり前ですからね」
もしもこの高利貸しがイエスの言うとおりにしていたら、きっと後で、萎えた手足を自由にしてもらえたかもしれなかった。しかしヤコブはケチで強欲な人間だったので、せっかく溜めた金をびた一文でも人にやるのが惜しかった。パリサイ人と律法学者はあざけるような目付きで言った。
「この若造は病気を治せないんじゃ。このほらふき野郎は、きっと兄の手紙までもごまかしおった。」「そりゃちがいます!運んできた大金を見ればわかります」イエスは3人の男を見回してから、ヤコブに厳しい調子で言った。
「あなたがアサフにこの金をやらないというのでしたら、この2人の客人にあげて、あなたの求めているものが実現するまで長いお祈りでもしてもらったらよいでしょう。あなたの心がかたくななので、私はもうあなたとはかかわりたくありません。これでお別れしましょう!」
彼の語気に圧倒されたパリサイ人、律法学者の面前で、イエスは足のちりを払い、ヤコブの家から出て行った。ヤコブはすっかり動転し、嘆いて言った。「生まれて始めて信頼できる執事を失った!金では買えない人物を…老後の支えと考えていたのに…」
パリサイ人と律法学者は、歯の浮くようなお世辞を連発してヤコブを慰めている間に、アサフは、こっそり、ヤコブの家から逃げ出して、イエスの後を追いかけて行った。
「これから闇の中へ出発します」明仁、文仁、徳仁、悠仁が地獄に赴くという意味です(祈)†
実情はそれどころではない。人間は霊界へ来たからとて地上時代といささかも変わるものではない。その好み、その偏執、その習性、その嫌悪をそのまま携えてくるのである。変わるのは肉体を棄てたということのみである。低俗なる趣味と不純なる習性をもつ魂は、肉体を棄てたからとて、その本性が変わるものではない。それは誠実にして純真なる向上心に燃える魂が死とともに俗悪なる魂に一変することがあり得ぬのと同じである。汝らがその事実を知らぬことこそわれらにとって驚異というべきである。考えてもみるがよい。純粋にして高潔なる魂が汝らの視界から消えるとともに一気に堕落することが想像できようか。しかるに汝らは、神を憎み善に背を向けて肉欲に溺れた罪深き魂も、懺悔1つにて清められて天国へ召されると説く。前者があり得ぬごとく後者も絶対にあり得ぬ。魂の成長は1日1日、一刻一刻の歩みによって築かれていくのである…続きを読む→
「愛の試練・霊障イペルマルシェ」再び。まだやってくるか、超頭にくるんですよ(祈)†
眠気防止対策でポテチを食べたりするのですが、今回に関しては全く効果がなく、とにかく運転中に目が閉じまくり何度も反対車線に飛び出しそうになります。僕は上半身を激しく前後にガクガク動かしながら(ハンドルに近付けたり遠ざけたりして)運転を続けますが、何をどうやっても目が閉じ続けます。駐車場に続く林道セクションに入ってからも全く目が開く事はなく、180度カーブを曲がり切れなくて何度も岩の壁にぶつかりそうになりながら、頭を振って上半身を徹底的にゆさゆさ動かし続けて強引に目を開けながら運転を続け、かろうじて駐車場に到着したのでした。そして車内で着替えを始めると、さっきまでの運転時の目を閉じられていた状態がウソみたいにまるっきり普通に着替えているのです。猛烈に眠いのであれば着替え中も眠いはずです。その瞬間に「これは完全におかしい、超久々にバーバネル氏がやりやがったんだな」と理解したのでした…続きを読む→
「許してくれ」霊団が自分たちの導きの失敗を完全に認めた一言となります(祈)†
「泣きっ面にハチ」これが僕の霊的使命遂行をもっとも正確に表した言葉ではないでしょうか。なぜDreamworkをやめさせられてこんな最悪な人生をやらされなければならなかったのか、その理由について何ひとつ納得のいく回答は霊団から降ってきません。つまり説明できないからです「行き当たりバッタリ」だったからです。で、霊界側として完全に予定外だった少年(僕)に、誰もやってくれない仕事(「宇宙一のバカ」大量強姦殺人魔、明仁、文仁、徳仁、悠仁邪悪の正体の情報拡散)を押し付けてやらせてはみたものの、そもそも行き当たりバッタリで始めた仕事だったので(無計画だったので)僕の暗殺を回避するので精一杯で全然事態を進展させる事ができないまま時間だけが流れていった…続きを読む→
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