【2/10】霊界通信 ベールの彼方の生活 1巻 「天界の低地」篇 3 天体の霊的構成

1913年10月16日 木曜日

吾々が霊界の事情について述べる事の中にもしも不可思議で非現実的に思えるものがある時は、こちらには地上の人間には捉えられないエネルギーや要素が沢山ある事を銘記して頂きたい。

そのエネルギーは地上の環境の中に全く存在しない訳ではありません。“大半が”人間の脳では感知し得ない深いところに存在するという事です。霊的感覚の発達した人にはある程度 – あくまで“ある程度”でしかありませんが – 感知できるかも知れません。

霊的に一般のレベルより高い人は平均的人間にとって“超自然的”と思える世界との“境界線”あたりまでは確かに手が届いております。その時に得られる霊的高揚は知能や知識をいくら積んでも得られない性質のもので、霊的に感得するしかないものです。

今夜もまたご母堂の要請で、人間界について吾々が見たまま知り得たままを語りに参りました。可能な範囲に限ってお話しましょう。それ以上の事は既に述べた如く吾々には伝達技術に限界があり、従って内容が不完全となります。

– アストリエル様ですか。

アストリエルとその霊団です。まずは主イエス・キリストの名において愛と平和のご挨拶を申し上げます。吾々にとっての主との関係は地上における人間と主との関係と同じです。ただ、地上にいた時に曖昧であった多くの事がこちらへ来て明らかとなりました。

そこで厳粛なる気持で申し上げます – 主イエス・キリストの神性の真意と人類との関わりの真相を知らんと欲する者は、どうか、恐怖心に惑わされる事なく敬虔なる気持をもって一心に求めよ、と。そういう人にはこちらの世界から思いも寄らない導きがあるものです。

そして又、真摯に求める者は主の説かれた真理の真意がいずこにあるかをいかに“しつこく”問い詰めようと、決して主への不敬にはならない – 何となれば主がすなわち真理だからである、という事を常に心に留めて頂きたく思います。

しかしながら、吾々にもそれと同じ大胆さと大いなる敬意を込めて言わせて頂けば、地上のキリスト教徒の間で“正統派”の名の下に教えられているものの中には、こちらで知り得た真相に照らしてみた時に多くの点において適正さと真実性に欠けているものがあります。

と同時に、それ以上のものを追求しようとする意欲と、神の絶対愛を信じる勇気と信念に欠ける者が多すぎます。神は信じて従う者を光明へと誘(いざな)い、その輝ける光明が勇気ある者を包み、神の玉座へ通じる正しく且つ聖なる道を教え示して下さる。

その神の玉座に近づける者は何事をも克服していくだけの勇気ある者のみである事、真に勇気ある者とは、怖(お)じ気づき啓発を望まぬ仲間に惑わされる事なく、信ずる道を平然と歩む者の事である事を知って下さい。

さて前回の続きを述べましょう。貴殿に納得のいくものだけを信じて頂けば宜しい。受け入れ難いものは構わないで宜しい。そのうち向上するにつれて少しずつ納得がいき、やがては全体の理解がいきます。前回は天体の構成と天体間の相互関係について述べました。

今回はその創造過程と、それを霊的側面から観察したものを少しばかり述べましょう。ご承知の如く、恒星にも惑星にも、その他物的なもの全てに“霊体”が備わっております。その事は貴殿はご存知と思いますので、それを前提として吾々の説を披露します。

天体は“創造界”に属する高級神霊から出た意念が物的表現体として顕現したものです。全天体の1つ1つがその創造界から発せられた思念と霊的衝動の産物です。その創造の過程を見ていると、高級神霊が絶え間なく活動して、形成過程にある物質に霊的影響力と、その天体特有の言わば個性を吹き込んでおります。

かくして、例えば太陽系に属する天体は大きな統一的機構に順応はしていても、それぞれに異なった性格をもつ事になる。そしてその性格は責任を委託された大天使(守護神)の性格に呼応します。

天文学者は地球を構成する成分の一部が例えば火星とか木星とか、あるいは太陽にさえも発見されたと言う。それは事実であるが、その割合、あるいは組み合せが同じであると考えたら間違いです。各天体が独自のものをもっております。

ただそれが1つの大きな統一体系としての働きに順応しているという事です。太陽系を構成する惑星について言える事は、そのままさらに大きな規模の天体関係についても当てはまります。

つまり太陽系を一個の単位として考えた場合、他の太陽系とは構成要素の割合においても成分の組み合せにおいても異なります。各太陽系が他と異なる独自のものを有しております。さて、そうなる原因(わけ)は既に説明した通りです。各太陽系の守護神の個性的精神が反映する訳です。

守護神の配下にさらに数多くの大天使が控え、守護神の計画的意図に沿って造化の大事業に携わっている。とは言え、各天使にはその担当する分野において自由意志の行使が許されており、それが花とか樹木、動物、天体の表面の地理的形態といった細かい面にまで及ぶ。

千変万化の多様性はその造化の統制上の“ゆとり”から生まれます。一方、そのゆとりある個性の発揮にも一定の枠が設けられているために、造化の各部門、さらにはその部門の各分野にまで1つの統一性が行き亘る訳です。

こうした神霊の監督の下に、さらに幾つもの段階に分れた霊格の低い無数の霊が造化に関わり、最下等の段階に至ると個性的存在とは言いかねるものまでいる。その段階においては吾々のように“知性”と同時にいわゆる自由意志による独自の“判断力”を有する存在とは異なり“感覚的存在”とでも呼ぶべき没個性的生命の種属が融合しております。

– 物語に出てくる妖精(フェアリー)とか小妖精(ピクシー)とか精霊(エレメンタル)といった類の事ですか。

その通り。みな本当の話です。それに大ていは優しい心をしています。ですが進化の程度から言うと人類よりは遥かに低く、それで人霊とか天使と呼ばれるほどの高級霊ほどその存在が知られていない訳です。さて地球それ自身についてもう少し述べてみましょう。

地質学者は岩石の形成過程を沖積層とか火成岩とかに分けますが、よく観察すると、その中には蒸気状の発散物 – 磁気性の成分とでも言ってよさそうなものを放出しているのがあることが判ります。それが即ち、その形成を根源において担当した霊的存在による“息吹き”の現われです。

こうした性質はこれまで以上にもっともっと深く探求する価値があります。化学的成分の分析はほぼ完了したと言えますが、休む事なく活動しているより精妙な要素の研究が疎(おろそ)かにされている。

岩石の1つたりとも休止しておらず、全成分が整然と休む事なく活動しているというところまで判れば、その作用を維持し続けるためには何か目に見えざる大きなエネルギーが無ければならない事、さらにその背後には或る個性をもった“施主”が控えているに相違ないという考えに到達するには、もうあと1歩でしかありません。

これは間違いない事実です。その証拠に、そうした目に見えない存在に対する無理解のために被害をこうむる事があります。これは低級な自然霊の仕業です。一方“幸運の石(ラッキーストーン)”と呼ばれるものをご存知と思いますが、これはいささか曖昧ではありますが背後の隠れた真相を物語っております。

こうした問題を検討するに際しては“偶然”の観念を一切拭(ぬぐ)い去って秩序ある因果律と置き換え、その因果律を無知なるが故に犯しているその報いにすぎないとお考えになれば、吾々が言わんとする事にも一理ある事を認めて頂けるでしょう。

便宜上、話題を鉱物にしぼりましたが、同じことが植物界や動物界の創造にも言えます。今夜はそれには言及しません。こうした話題を提供したのは、科学に興味を抱く人でこれまでの科学では満足できずにいる人に、見えざる世界に臆することなく深く踏み込める分野がいくらでも開けていることをお知らせしようという意図からです。

以上を要約してみましょう。それに納得が行かれれば、吾々が意図した結論も必然的に受け入れねばなりません。つまり物的創造物はどれ1つとってもそれ自体は意味がないし、それ1つの存在でも意味がない。

それは高級神霊界に発した個性的意念が低級界において物質という形態となって表現されているもので、霊的想念が原因であり、物的創造はその結果だということです。

ちょうど人間が日常生活において自分の個性の印象を物体に残しているように(※)、創造界の神々とその霊団が自然界の現象に個性を印象づけているわけです。(※サイコメトリという心霊能力によって、物体を手にするだけでその物体に関わった人間のことが悉く読み取れる。 – 訳者)

何1つ静止しているものはありません。全てがひっきりなしに動いております。その動きには統一と秩序があります。それは休むことなく働きかける個性の存在を証明するものです。

下等な存在が高等な存在の力によって存続するように、その高等な存在はさらに崇高なる守護神の支配を受け、その守護神は宇宙の唯一絶対のエネルギー、すなわち宇宙神の命令下にあります。が、そこに至るともはや吾々の言語や思索の域を超えております。

宇宙神に対しては、全てはただただ讃仰の意を表するのみであり、吾々は主イエスの御名において崇敬の意を表するのみです。全ては神の中に在り、全ての中に神が在(ま)します。

アーメン†

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Posted by たきざわ彰人(霊覚者)祈†