【5/1】霊界通信 イエスの少年時代 貧窮の中の小さな王者 1 マリヤの誕生
ユダヤ民族がローマの支配下にあって大いに苦しんでいた頃、ある若い漁師と妻がガリラヤ湖の岸辺に住んでいた。舟と網を操る男とその妻は、2人とも素朴な人間で、お互い同士の事以外は何も考えず、近所付合いもせず親戚の所にも行かなかった。
2人だけで充分に満足していたからであった。深い愛の結晶として女の子を授かり“マリヤ”と名付けた。マリヤはこの夫婦を有頂天にさせたが、その後何年たっても子宝に恵まれず夫は悲嘆に暮れていた。それがもとで彼は仕事の張りをすっかり失くしてしまった。
ある日の事、マリヤの居る所で、父は母及び父の祖母ゼリータに彼の悲しみの原因をうちあけた。娘のマリヤは心を痛め、自分が何か過ちを犯して父の大きな重荷になっているのではないかと恐れた。マリヤは祖母ゼリータに言った。
「私が男の子でないためにお父さんを悲しませています。どうしたらお慰めできるんでしょうか」祖母は答えた。「お前はどんな事をしても聖書に書いてある事を変える事は出来ないよ。お父さんはね、ローマの支配を粉砕し、神の民イスラエルを苦しみから解放し、地上の諸国を立ち上がらせる事のできる息子が欲しいと願っているんだよ」
更にマリヤが尋ねると祖母は預言者(※1)の言ってる事を教えてくれた。なんでも救いのために1人の男が現われ、聖なるエルサレムを征服者の手から奪還しユダヤ人を偉大な民族にするというのである。
マリヤは言った。「そんなら私はだめね、女なんですもの」マリヤの表情は暗かった。ゼリータはマリヤを抱きよせて接吻し、微笑みながら言った。「神さまのなさる事はとても不思議なもので、誰にも分らないんだよ。
お前が大きくなったらユダス・マカビー(※2)よりもっと偉い男の子を産んでちょうだいね。立派な預言者になって異邦人を照らす光となりイスラエルの神の前に全ての人がひれ伏すようにさせるのよ。ああ早くそんな日が来たらいいのにね」マリヤは祖母が言ってる事が殆ど分らなかったが、とても嬉しかった。
それからというものはガリラヤの湖畔で遊ぶ子供たちの誰よりも喜々として日々を送った。マリヤは両親のしつけによく従い、他の子供たちとは遊ぼうとしなかった。月日がたつにつれて漁師の心を痛めた悲しみは次第にうすれていった。
彼は遂に男の子が授からないのは神の思し召しであると断言した。現在4人が仲良く暮らす事で満足した。そのかわりに神は他の面でふんだんに恵みを与えたのであろうか、この漁師の家は栄えた。彼の網さばきは絶妙で、銀色の魚が大量に取れ、飛ぶように売れたからである。
彼らは陽当たりのよい、沢山花が咲く所に住んでいた。冬の寒さにうたれる事はなく、夏の日差しに庭の植物が焼かれる事はなかった。その辺の土地は水利に恵まれていた。彼らは望むものは全て与えられた。マリヤはすくすく成長し花のような美しい乙女になって幸せな日々を送っていた
マリヤの母は歌いながら家事に専念し、祖母は愛にあふれている家族のためにいつも感謝の祈りを捧げていた。大抵の男女は貧乏や争い事のために苦労しているのだが、ゼリータの息子と嫁の2人は一心同体で何ひとつ心配の種はなかった。
初冬のある日の事、太陽は顔を出さず強い風が吹いていた、風は山の方から湖を横切って吹き荒れていた。一瞬湖面に変化が起こった。恰も目に見えない農夫たちが湖の上を竿で叩きながら横切って行くかのように、泡が踊り狂ったようにシューシューと音を立て、怒り狂った波が天に向かって跳ね上がる勢いであった。
ゼリータの息子の舟はとても古くて小さな穴があちこちに開いており、そこから水が浸入してくるのであった。漁師たちは勇敢に働いていた。突然激しい突風が山側から吹いてきて、まるで獰猛な鷹のようにゼリータの息子の船を襲った。あっという間に舟は荒れ狂った波の中にのまれてしまった。空は真黒で黒ずんだ雨が湖面に降り注ぎ、岸からは漁師たちの舟は全く見えなくなっていた。重苦しい夜の帳が唸り声を上げている地上に降りてきた。
女たちは1ヶ所に集まって、湖上で右往左往している男たちのために嘆き悲しみ、真剣に祈っていた。月や星のない陰うつな時が流れた。何の徴(しるし)もないままに東の丘に夜明けの気配を感じる頃、微かな望みがわいてきて、女たちの真剣な祈りがきかれたのではないかと思えるようになった。
夜が明けて風が静まり、漁師たちが岸辺に戻ってきた時はみんな感謝の祈りを捧げた。しかし彼らは悲しい報せをもってきた。ゼリータの息子の舟は前夜の夕暮頃波にのまれて沈んでしまったのである。太陽が天高く昇った頃、湖には再び静けさが戻ってきた。
天空はまるで神がまたいで歩かれたようにキラキラと光り輝いていた。世界が再び微笑みかける頃、5人の男たちがマリヤの住んでいる家に重い荷物を運んできた。彼らはひとことも語らずに頭を下げ、奥の薄暗い部屋へ進んで行った。
祖母が床の上に広げたリネンシーツの上に息子の傷だらけの亡骸を安置した。マリヤの母は激しい戦慄に襲われた。娘のマリヤが見ていて恐ろしくなるくらい激しく震えていた。マリヤも震えながら頭をたれていたが誰もマリヤが居る事に気付かなかった。
なぜならば母が父の亡骸の側に卒倒して動かなくなってしまったからである。この夫婦はガリラヤ中でこれほどまでに愛し合った者はいない位相思相愛の仲であった。生前すごしてきた2人の日々は、思いも心も全くひとつであった。彼らにとって天国は彼らの居る所であった。
だからこそこの瞬間はマリヤの母にとって暗黒と絶望であった。この2人は森の中の若樹のように強かった。だが遂に2人は逝ってしまった。夫が他界した直後に彼女の霊も間もなく暗黒に閉ざされた肉体を離れ去ったのである。
祖母は突然逝ってしまった息子夫婦のために香料と亡骸を包む布の用意を整えてやらねばならなかった。亡骸は岩を削って作られた墓の中に納められ永遠の休息に入った。
葬式が終ってからマリヤは祖母のところに行き、服の折り目の中に顔を埋めながら死んだ父母を生き返らせて欲しいとしきりに祈るのであった。祖母はマリヤを何度となく慰めてやり、これからは神様が父であり、祖母が彼女のお母さんになるんだよ、と言いきかせた。
(※1)旧約聖書のイザヤ書7・14 – “それゆえ主はみずから1つのしるしをあなたに与えられる。見よ、おとめがみごもって男の子を生む。その名はインマヌエルととなえられる。”(イザヤは紀元前8世紀に活躍した4大預言者の1人)
(※2)紀元前175 – 164、シリヤ王アンテオコス4世エピファネスは、ユダヤ人を迫害し、エルサレムの神殿に押し入り、異教の祭壇を築いてユダヤ人の怒りをかった。その時老祭司マタテアスが立ち上がり義勇軍を結成し、息子ユダスはシリア軍を撃退してユダヤに勝利をもたらした。以来ユダスの名はユダヤ救済の英雄として語り伝えられた。
「丸10年だよ」僕の人生を完全に破壊した霊団の言葉です。軽々しく言いやがって人の気も知らずに(祈)†
丸10年だよ、皆さまどうかこの言葉を簡単にサラッと流し読まないで頂きたいのですが、これは僕の人生が霊団主導で10年間破壊され続けたという意味で、僕がこの10年に味わわされてきた最低最悪の出来事の数々を霊団が一言でコロッと片付けてきた、という意味になるのです。この僕の10年にわたる積年の恨み、どうやったら皆さまに理解して頂けるでしょう。そして、奮闘を忘れていません、これも「アキトくんの10年間のガンバリは我々は忘れていない、しっかり心に刻み付けているよ」という霊団の言葉なのですが、僕は霊団の事をいつも何と言っていますか「口だけ霊団」ですね。これぞ口だけの上っ面の軽薄発言そのものであり、さも同情的な事を言っておいて実質僕に現状の苦しい状態を続けさせようという霊団のごまかしの言葉となります。ムカムカ×1億 さらに…続きを読む→
■アナログ絵326「タワー展望ブリッジ」のストーリーUP。キツイ絵のオンパレードでした(祈)†
宇宙船クレスには「ふたつのブリッジ」が存在します。通常、ブリッジと言えば、艦長の守護霊様が指揮を執る、船の運行全般を司る「シップのブリッジ」の事を指しますが、もうひとつ、クレスで生活する人たちの生活全般の管理を仕事とした「タワーの展望ブリッジ」というものが存在します。今日は、ももちゃん、シルキーが展望ブリッジの見学にやってきました。これも霊的お勉強の一環です。シルキー「何コレ、タワー内の状況が全部1発で分かるようになってる」ももちゃん「人数がスゴイ、ホント、クレスって大きな船だよね」トライブ崎柿崎「たとえば今、この小学校で催し物のための新たなコンサートホールを思念で作っているところよ」シルキー「こ、こんな大きいのを作ってるんですか?」ももちゃん「でも何か、うまくいってないみたい」トライブ崎柿崎「小学校の子供たちが思念でモノを作るお勉強をしてるけど、子供たちだけではうまく作れないのよ、そういう時に、ホラ」…続きを読む→
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